結婚式準備からハネムーンプランまでトータルサポート

結婚式といえば切っても切り離せないのが、事前準備。招待客のリストアップから招待状作成、そしてドレスや会場の装花選びとタスクは山積みで、徹夜で準備した、正直途中でちょっと力尽きて妥協してしまった、という経験のある人もいるだろう。

実は、“事前準備を便利にするためのテックサービス”という意味で、Zolaは先駆者ではない。演出のアイデアを探すなら「Pinterest」、ハンドメイドのグッズを探すなら「Etsy」、その他結婚式準備をTO DOリスト化するならアプリに、何ならウェディングレジストリのアプリも存在する。

ウェディングテックの草分け的存在として知られるのは、1996年創立の「The Knot」で、サービス内容はZolaと大きく代わりない。しかし「Reddit」(アメリカの2ちゃんねる的な掲示板)では定期的に「ZolaかThe Knotどちらがおススメ?」というトピ立てが見られるが、花嫁経験者が圧倒的におススメするのはZolaだ。

Zola The Knotは雑誌版もあり、全盛期はプレ花嫁の必読書だった

その理由は、レジストリで取り扱うブランド数が圧倒的に多い、ウェブサイトのテンプレがオシャレでカスタマイズ機能が便利、とにかく使いやすい……など。うんうん、確かに皆センスいい花嫁って思われたいし、どこまで効率化できるかはが大きなカギなので、使いやすさもはずせない。これまでいくつものサービスを横断して駆使していたのが、一つのプラットフォームにまとめらえたことはかなりのイノベーションだ。そういったプレ花嫁たちのハートをがっちり掴み、痒い所に手が届くサービスゆえにZolaは大きな支持を得ているのだ。

同社は昨年新たに約100億円を調達し、ハネムーン事業への参入も発表した。旅行のスケジュール作り、フライトやホテルの予約までをトータルでサポートしてくれるサービスを開始するとのことだ。

日本でもIT業界の関係者の結婚式ではウェブサイトで出欠連絡したり、ご祝儀を電子送金したりという新しいカルチャーが芽生えている。プレゼントをリクエストできる機能としてはAmazonのウィッシュリストもポピュラーだが、ややドライで即物的な印象を与えかねない。贈り物の楽しみや喜びにフォーカスし、贈り手も貰い手もハッピーになれるウェディングレジストリのサービスから得るヒントは多いのではないだろうか。

Text/橋本沙織