カッコいい女性の仕事服がない問題

内澤さんと鴨田さんが選んだスーツを着て、本来はお洒落に興味がないおじさんたちは大変身を遂げて、それぞれの授賞式や会談に臨む。しかし、女性である内澤さんはここでふと、「50歳から上の女性が着る上質なスーツが少なすぎる問題」にぶつかってしまう。

たしかに、女性がスーツを着ようとするとPTAのおばちゃんか就活生かの2択になってしまいがちだ。30代ならパンツスーツを着てバリキャリっぽくなることもできる気がするけど、50代以上の女性が、美しく、かつ貫禄も出したいとなるとなかなか難しいかもしれない。ちなみに、本書で50代以上の女性スーツのお手本として紹介されるのは、イギリスでボリス・ジョンソン氏の前任を務めていたテリーザ・メイ元首相。東京都知事の小池百合子氏は、ちょっと苦言を呈されている。

残念ながらコロナウイルスはまだまだ猛威をふるっており、もうしばらく私たちは、のびのびと外を出歩けない日々を過ごさねばならないのだろう。このタイミングで読書をすすめたいのはもちろんだが、会見に臨む各国のリーダーたちのファッションチェックをしてみるのも意外と面白いかもしれない。この危機が収束したら、バーニーズニューヨークや近隣のセレクトショップに「粋」でアガる服を買いに行くことを夢見て、今はなんとか、自宅で楽しく過ごす方法を考えることにする。

初の書籍化!

チェコ好き(和田 真里奈) さんの連載が書籍化されました!
『寂しくもないし、孤独でもないけれど、じゃあこの心のモヤモヤは何だと言うのか -女の人生をナナメ上から見つめるブックガイド-』は、書き下ろしも収録されて読み応えたっぷり。なんだかちょっともやっとする…そんなときのヒントがきっとあるはすです。