「キモ!」を収める方法

さて、わたしは「キモ!」と思う事柄を、なんとなく「まぁ、そういうこともあるよね」というくらいに収める方法を見出しています。それは物語に描くことです。自分が「キモ!」という行為に惹かれたり、好きで実行するキャラクターを登場させて、その人の気持ちに自分を添わせ、なぜそれに惹かれるのか、なぜ好きなのかを解明していく。すると、「まぁこういう人もいる」と得心することができる。もちろん、それには相応の労力と時間も必要なので、なぜそこまでしてわたしは、他人の性欲の形を肯定したいと思うのかって考えると、それこそがわたしの性癖である気もしています。

もうひとつ、実は、物語を紡ぐよりも、ずっと簡単な方法もあります。それは本を読んだり映画を観たりすることです。実際のところをロクに知りもしないで「キモ!」で済ませるよりも、理解しようと努めるほうが、ずっと世界も視野も広がる。だから、「全然、理解できんわ。キモ!」と思ったら、そのジャンルの名作をいわれるものを、読んだり観たりしてみてはいかがでしょうか。

Text/大泉りか