令和以降は、少年漫画もジェンダー観を更新していく(かも)

本書の冒頭には、「この本を読み終わった後に、あなたが自分にとってのヒロインについて語りたくなること」が狙いとある。その狙い通りに、以下は本の内容からは少々脱線するが、これからの時代における私が思う「ヒロイン」の像について語ってみたい。

最近の私がなんとなく感じているのは、これまで少女漫画が主にテーマにしてきた「ジェンダー」「家父長制」「産む性」という問題に、今後は少年漫画もヒロインを通して問う時代がやってくるかもしれないということである。たとえば『呪術廻戦』の釘崎野薔薇や禪院真希が今後どのように描かれていくのかは、個人的にすごく注目している。あるいは、昨年完結した『進撃の巨人』は、終わってみるとすごく「父殺し」の物語だったなと私は思うんだけど、それは「強く偉大な父を倒し、乗り越える」のではなく、「どう考えても毒親な父と決別する」「父の不在を乗り越える」という方向性で描かれていた。時代が変わり、ついに少年漫画も少女漫画が長年考えてきたテーマに向き合わざるを得なくなったのかもしれない……と思うのは、まだ早計だろうか。

いろいろなことを考えさせてくれ自分も語りたくなってしまう『女の子の謎を解く』。ところで、最初に「セーラー○ーンごっこ」の話をしちゃったが、今の小学生の間ではどんな女の子キャラ(ヒロイン)が人気なんだろう? お子さんがいる方、教えてください。

Text/チェコ好き(和田真里奈)