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  • 2012.12.14

クリスマスの呪縛から逃れる(2)

 コラムニストの犬山紙子さん、漫画家のまんしゅうきつこさんのお二人を迎えての対談です。
第1回に続き、クリスマスの思い出についてお聞きしました。

クリスマスに一番楽しい自分でいなきゃという強迫観念

犬山紙子 まんしゅうきつこ クリスマス 悲しい 思い出

犬山:育ってきた環境や過去の経験などが関係して、クリスマスへの期待値が変わってくると思うんです。 私の家はお小遣いが少なかったんですけど、クリスマスだけは好きなものを買ってもらえるので、期待値がものすごく高かったんですね。
「クリスマスだからなんかもらえる」「クリスマスだから楽しいことがある」と、パブロフの犬みたいに刷り込みがあって
だから、今でもクリスマスが近くなると、「楽しいことが起こる日なのに、私には何もない」って思ってしまって結構辛かったんです
まんきつさんはクリスマスに何もなくても全然辛くないじゃないですか。

まんきつ:確かに。私の中ではクリスマスや記念日は「平日だから何もなくて当たり前」だけど、期待を持ってしまうとすごく辛いかもしれない…。

─まんきつさんのお家のプレゼントはどうだったんですか?

まんきつ:普通にプレゼントは置いてあったんですけど…。

犬山:自分が欲しいって言ったやつ?

まんきつ:欲しいって言ったやつじゃない。親が勝手にチョイスした、自分の趣味とは全く真逆の変なオルゴールとか…毎年オルゴールなんですよ。変なアンティークの…完全に母親の趣味ですね。

犬山:オルゴール一番いらない(笑)。童話とかでオルゴールを大事にしてた子供のエピソードとかあるけど外国の子供の感覚だよね。あれのせいで刷り込まれた親が買ってきて、何人の子供が犠牲になったことか…。

価値観が変わるほど辛いクリスマス…

犬山紙子 まんしゅうきつこ クリスマス 悲しい 思い出

犬山:そういう家庭環境とかもあって、もう本当に子どもの頃からクリスマスって最高に楽しいものっていう刷り込みがあったんですけど、3年ほど前にその価値観が変わるほど悲しいクリスマスを体験したんです…。
まず、クリスマス直前で振られ…。でも、「クリスマスはディズニーシー行こうね」と約束していたので諦めがつかなくて、振られているのに「ディズニーシーは行きたい」と言って、ディズニーシーに行ったんです。クリスマスにディズニーなんか楽しいに決まってるから、その楽しさで惑わされてよりが戻るんじゃないかって期待もしつつ

でも、行ったはいいけど土砂降りで、しかも具合も悪くなっちゃって…。めっちゃ寒い中、フードコートで3時間ぐらい、寝た…。
一緒にいるのに「彼は別に私のこと好きじゃない…」と思うと、すごく切なかったですね。 最後、お土産にダッフィーを無理やり買ってもらったんですけど。カバンに付けたと思ったら、落ちていて、雨でぐしゃぐしゃになって…。しかも気づかずに自分で3回くらい蹴り飛ばしていました。

─雨に打たれたダッフィー…。グッショリですよね。

犬山:濡れそぼった犬のようでしたね…

まんきつ:私、実はこの時の話をリアルタイムで聞いて知っているのだけど、あの時の犬山さんは本当にボロ雑巾のようになっていたよね。もう右往左往という言葉以外見つからないくらいに…

犬山:「なんなんだろう、このクリスマス」って。華やかなところに行ったほうが余計悲しさが募りますよね。

そこで思ったのが、自分が追いすがっている状況で無理矢理楽しいことしようとしてもいいことは起きないな、ってことです。
彼氏のいないクリスマスなんてって思っていたけど、こんな悲しい思いをするなら、もう女だけで過ごしたほうがいいなと心から感じられて。
で、その次の年に女だけ集まったら、ちゃんと楽しくて、私は強迫観念から許されたような気持ちになったんです。

【次回に続く】
次回は「二人の理想のクリスマス」についてのお話です。お楽しみに!

Text/AM編集部

犬山紙子
1981年生まれ。エッセイスト。2011年、美人なのになぜか恋愛がうまくいかない女たちの悲惨で笑えるエピソードを描いた イラストエッセイ『負け美女』(マガジンハウス)でデビュー。その後は「負け美女研究家」としてテレビ、雑誌、ラジオなどの各種メディアで活躍。現在『週間SPA!』『Gina』などでコラムを連載中。
ブログ:犬山紙子のイラストエッセイ 負け美女
ツイッター:@inuningen

まんしゅうきつこ
漫画家。友人である「東京都北区赤羽」の作者、清野とおる氏のすすめではじめたブログが一躍人気に。以来、雑誌、WEBメディアで活躍中。
ブログ:まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど
ツイッター:@kitsukom

ライタープロフィール

犬山紙子
1981年生まれ。エッセイスト。イラストエッセイ『負け美女』でデビュー。

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