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  • 2012.11.09

その「いいね!」本音ですか?~Facebook編~(1)

 女性の生き方・働き方に関するツイートやブログが話題のかやさんが、女社会のいいね! を解説。あなたも気付かぬ内に、本音ではないいいね! をしていませんか?

Facebookを楽しめる人、楽しめない人

かや

 今や日本人の5人に1人が使っているといわれるFacebook、とりわけ私と同世代の20代の利用者数は最も多いとか。
でも私、どうしてもFacebookに自分の情報をアップすることができないのです。なぜなら自意識過剰(筋金入りの)だから。
 自意識過剰な人間というのは、自分が見られていることを常に意識して生活しています。たとえばちょっと外出しても、前髪の分け方が少しおかしい、今日履いてきたヒールの靴がきついために歩き方が変になっている、といった些細なことが気になって落ち着かない。
そんな自分が、Facebookのように「他人から見られることを過剰に意識させるツール」を楽しめるわけがありません。
 「さっき食べたカフェのケーキは美味しかったけど、写メをアップしたらバカっぽく見えるから止めておくか」など、さまざまな思いが頭の中を駆け巡ります。

そのうち、これ以上私のことを見ないでくれ!という気持ちになり(誰も見ていないのに)、とてもじゃないが自分の写った写真などアップできない。

 Facebookを楽しめる人たちはきっと、見られることが快感なのでしょう。


 素敵なカフェ、おしゃれな女子会、そこで微笑む可愛い私を見てッ! そんなお気に入りの一枚をアップする瞬間、彼女たちの脳内には大量のドーパミンが放出されているはず
「そんなことないもん、ただ楽しかったイベントの記録を残してるだけだもん!」…そんなにかけがえのない思い出なら、自分の携帯の中で大切にしまっておけばよいのです。どうしてわざわざ、その場にいなかった人にまで共有する必要がありましょう。
本当はFacebookを通して「カワイイ私」を見て欲しいだけなんですよね?
 ただし、Facebookを楽しめないあなたも油断は禁物。「私、Facebookって何か無理なんだよね」アピールは、「私見られてるかも」を意識し過ぎている証拠。Facebookを楽しめる人よりも、さらに自意識過剰なサインです。

女子会に、ママに子どもに「いいね!」の嵐       

メイン2
By Adriano Aurelio Araujo

 原稿を書くために今一度、Facebookにログインしてみました。やはりそこには、おしゃれな男女たちのめくるめく充実ライフが溢れています。A子は日曜日にゴルフへ行った写メをアップし、B美はハロウィンのパーティーで撮ったコスプレを披露。
 中でもよく目にするのが、結婚式の披露宴や二次会の写真ですね。20代も後半になれば、周囲の女子は何かに憑かれたように次々と結婚していきます。披露宴における新婦友人の役割は「華やかさ」で魅せること。
少々派手な方が歓迎されるので、キラキラしたビジュー付きのワンピやアップヘアが望ましい。美しく着飾った友人の姿を見て、早速私も「いいね!」を押してみます。

 結婚式と同じくらい散見されるのが、“子ども”です。女子はママになると、たびたび「Facebookで子どもの成長日記を見せたい病」にかかるようです。
中には芸能人よろしく、子供の目を♡や☆のマークで隠してまでお披露目するママも。このご時世、何が起こるか分かりませんものね。○○ちゃん(→子供の名前)、可愛い~。…と「いいね!」ボタンをクリック。

 でもそこで、ハタと気づくのです。自分は今、本当に心の底から「いいね!」と思ったのか。
ママになった友人の幸せそうな姿を見て、「やっぱり子供は20代のうちに産んだほうが良いのかな。母親も期待してるみたいだし。でも今の彼と結婚できるか、微妙だよな~…」などなど。
 そんな複雑な感情が沸き起こっても、Facebook上では「いいね!」ひとつで片付けることができます。
Facebookの世界を見渡せば、独身女性は、他人の結婚式や赤ちゃんの写真などに、ほとんど無意識で「いいね!」を押しているようです。彼女たちは本当に、すべての「いいね!」を温かくポジティブな感情でクリックしているのか?

いいね!を押し合う“承認ゲーム“       

 他人の結婚式、豪華なランチ、目に♡の付いた子どもの写真を見て「いいね!」とやるのは簡単。
でもそこにあるのは、ポジティブな感想だけではないはず。「目を♡で隠すほどアンタの子どもは有名なのか」「この写真、新婦より自分のほうがキレイに写ってるのを選んだな」などなど、本音は8割くらいが「充実ライフをアピールする他人への苛立ち」ではありませんか。
一方、独身の自分とママになった友人を比べ、「子育てして偉いな、私なんて…」という思いも2割はあったりする。

 16世紀の昔、カトリック教会は「贖宥状」を発明しました。
人々はこの贖宥状さえ買えば、自分の犯した罪の償いが軽減されると信じたのです。結果的に教会は大儲け。Facebookの「いいね!」ボタンは、何だか贖宥状にも似ています。
押せば罪の意識が軽減される…ちょっと想像が過ぎるかもしれませんが、あまりに皆が「いいね!」を乱発するため、余計に「ねぇねぇ、ホントに今いいねって思ったのねぇねぇ?」と勘ぐりたくなるのです。

 「いいね!」を押せば、人と比べて自分の今を省みる暗い気持ちや、他人の幸せをひそかに妬む、自分の醜い感情に蓋をすることができます。
私たちは「いいね!」ひとつで、複雑な感情を他人への承認に転化している。本心から“いいね!”と思っている場合でさえ、少なからず「いいね!」=「他人の幸せに『いいね』って言えるアタシ、いいね!」という浅ましさを内包しているはず。
 複雑な本音から目をそらし、ひたすら「いいね!」を押し合ってコミュニケーションした気になっている私たち。
その様子はさながら、底の浅い“承認ゲーム”です。

さて、あなたが今日押したその「いいね!」、本音ですか?


Text/かや

  
次回は『その「いいね」本音ですか?~女子会編~』です。ぜひお楽しみに!

■合わせて読みたい
少年アヤちゃん新連載『少年アヤちゃんが行く! 恋の東京散歩』

大泉りえさん新連載『官能小説・主人公から学ぶファム・ファタールのススメ

宮台真司さんインタビュー『脱いいね! のススメ』


Text/AM編集部

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