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  • 2012.11.08

モテから退化していく成長期、身を削って喜ばせる青春時代/雨宮まみの恋愛履歴

こじらせ女子代表・雨宮さんの恋愛遍歴が今明らかに! 第一回はなかなか這い上がるチャンスがない学生時代のお話です。教室の隅で読書するようなキャラから、いきなりじゃんけんで給食を勝ち取る明るいキャラになったことで意外な弊害が…

 こちらのコーナーは、著名人の方たちに様々な恋愛遍歴を語ってもらうインタビュー連載です。第一回は『女子をこじらせて』『だって、女子だもん!!』(ポット出版)の著者雨宮まみさんに、恋愛の歴史をお伺いしました。今回は、学生時代のこじらせた思い出から処女喪失までのお話です。人生で少しでもこじらせ経験がある女性は必見です!

小学生の時はおかわり大食いキャラ!
モテからは退化していく成長期

雨宮まみ  だって女子だもん!! 名言 インタビュー

―「だって女子だもん!!」(ポット出版)や「女子をこじらせて」(ポット出版)などでも雨宮さんはこじらせ女子系の恋愛を語っていらっしゃるのですが、改めて雨宮さん自身の恋愛の歴史を学生時代から、お伺いしたいです。

雨宮さん(以下雨宮):子供のときの初恋とかは普通だったんです。でも、小学6年生くらいのころから、急にイロモノキャラみたいな感じになりはじめました(笑)。
それまでは、すごいおとなしかったんですけど、何かの瞬間に大食いキャラを打ち出してみたら、ウケがよくてどんどんエスカレートしちゃって。
自分では、そっちの方が友達も増えたし、明るくなれたと思ってたんですけど。
実は以前から片思いしていた男子が、私が教室の片隅でおとなしく本読んでた時は好きだったのに、大食いになったから嫌いになったていうことが後でわかって(笑)。

―衝撃ですね。

雨宮:なんかそこらへんからもうチョイスが間違ってるんですよね…。
内気な自分がすごくいやだったから、がんばってそこを脱してみて、それは自分的には進歩だったんですけど、モテの意味では思いっきり退化してたっていう(笑)。

―大食いって、給食でですか?

雨宮:そうです。私その時育ち盛りで、本当にいつもお腹がペコペコで。それで普通は女子はおかわりとかしないのに、おかわりをしたり、プリンのじゃんけんに参加したり…。
おしとやかな女の子だと思われてたのに「プリンのじゃんけんで戦うような女だったんだ」と好きな男の子に幻滅されてしまったんです。
そりゃあ、イヤですよね。プリンのじゃんけんで戦うような女って…。

―中学時代はいかがでしたか?

雨宮:私、中学生の頃はBLが好きだったので、そういうオタク系の活動に向かっちゃったんですよ。
男子の中では「何、あいつオタク?」ってなってるんですけど、同じ趣味の女子の間ではウケているから、またそこで突っ走ってしまって。

―中学時代は恋愛に興味はあったのですか?

雨宮:好きな人はいましたけどね~…。
だけど、周りは全員私のことをイロモノとしてしか見てないので、最初からもう叶わぬ恋というか始まらない恋ですよね。
その時にすでに自分は恋愛の対象としては見てもらえないなっていう、あきらめの境地に達し始めていました。

―告白しようという気持ちもなかったんですか?

雨宮:私が告白したらその男子がイジメられちゃうくらいの感じだったんですよ!(笑)。
あんなのに告白されて…みたいな。かわいそうじゃないですか、そんなの。

―中学校の頃のヒエラルキーって絶対に覆せないような雰囲気がありますもんね。

雨宮:そう。でも、本当は恋愛ってスタンドプレーだから、学校から離れてどっかに呼び出して告白でもしちゃえばいいと思うんですけど、そういうことをする勇気もなかった。やっぱりそこが自信のない女子の特徴ですよね。
やろうと思えば方法はいくらでもあるのに、それを自分でやろうとは思わないんです。

―オタクの活動自体は楽しかったのですか?

雨宮:楽しかったです。そういうタイプの女子は恋愛以外は充実してるんですよね(笑)。
恋愛関係がうまくいかないからこそ、「ほかの事で人生楽しまなきゃ損だ!」って、力を入れていく悪循環(笑)。

女性的な振る舞いで喜ばれる女子アナタイプがまぶしい… 身を削ることで誰かを喜ばす青春時代

雨宮まみ だって女子だもん!! 格言 名言 インタビュー

―恋愛にがんばってみようというきっかけみたいなのってあるんですか?

雨宮:好きな人は自然にできちゃうんですけど、なかなかそこから勝算のある戦いに持ち込むことができなくて。
高校生時代も、結構がんばってアプローチしようとはしていたんですけど、いかんせん高校でもイロモノ街道を爆走していて(笑)。

 高校のときって一番容姿のごまかしがきかない時期で、制服だしお化粧とかもできないし…そこから這い上がる方法がまったくないんです。
 モテてる子たちと比べても「いや、私は圏外でしょう」と…。でも、今思えば圏外なりに気持ちを伝えてみれば良かったのにね。
 その手前で「ちょっと私無理だな…」と、自己評価が足止めしちゃって勇気が出ない。自分が「好き」って伝えることで、相手が喜んでくれると思えないんですよね。そんな状態が結構長く続きましたね。

―高校時代にハマったものはありましたか?

雨宮:高校時代は、ファッションが好きだったので文化祭でファッションショーをやりました(笑)。
他にも演劇をやったり、変わった人になることがアイデンティティでしたね。
 普通の女の子らしいかわいいふるまいをすることと、変わった人っぽい行動をして目立つことを天秤にかけると、女の子らしいふるまいができないから、変わったことをしないとただの特徴のないモテない人になっちゃうから、必死で変わった人に見られようという努力をしていました。

―それはもうモテを捨てるという選択肢だったのですか?

雨宮:ちょっとでもモテたという経験があれば、それを捨てるのにためらいがあったと思うんですけど、もう小学校高学年から「お前はイロモノだ」っていう扱いを受けてきたので、最初からそれはないものとして刷り込まれていたんです。
自分がモテるっていうことを想像する回路が完全にカットされてたみたいで…(笑)。

―そういう女子はかなり多くいると思います。

雨宮:彼氏がいないと、自分がかわいいことして男子が喜ぶっていう経験がないから、想像できないんです。
自分が何かをして誰かを喜ばせるっていうのをモテ以外で考えるとどうしてもおかしな方向に…(笑)。

 自分の女性らしい振る舞いで喜んでもらえる経験があれば、女子アナとかスチュワーデスとか、いわゆる女性らしい職業について、素敵な振る舞いを社会に活かすという、まっすぐな道をいけたはずなんですけどね。
それじゃ喜んでもらえないから、身を粉にして笑いをとるとか、身を削る方向にがんばっちゃうんですよね。

―それがこじらせ女子の特徴ですね。まず女子アナって選択肢一切ないですからね。

雨宮:人種が違うからね。性別は同じ女子なのに…(笑)。

―近くのお友達にもモテている人はいなかったんですか?

雨宮:いたんですけど、彼女は本質的に自信に満ち溢れていたんです。
だから、学校のヒエラルキーや女子同士のせせこましい暗黙のルールを無視して、好きな男と付き合っていました。
それを見て「恋愛は見た目の問題というより、自己評価の問題なんだな」というのは、当時も薄々分かっていたとは思うんですが、そこまで自分はふっきれられなかった。
 恋愛ができないし、女としての自信が持てないから「将来やりたいことを見つけて、仕事もきちんとできるようになったら、きっと自信がつくんだろうな、この自信のなさは職業を獲得した時に、なんとか解決されるんじゃないか」と思っていましたね。


ついに酔った勢いで処女喪失!
「コンビニで何か買う?」“男女”らしいやりとりに小踊り

メイン2
『だって、女子だもん!!
雨宮まみ対談集』
ポット出版
雨宮 まみ, 峰 なゆか,
湯山 玲子, 能町 みね子,
小島 慶子, おかざき 真里
1,300円 + 税

―大学生になってからの恋愛はいかがでしたか?

雨宮:大学では二十一歳のときに処女を喪失したという大きなイベントがありました(笑)。
自分の人生で、起こると思ってなかったので、必死で食いついちゃった記憶があります。

―それはどんなロケーションだったんですか?

雨宮:知人の男性に夜中に家に呼ばれて…。完全に向こうは体目当てというか、酔った勢い的なやつでした。
 でも、性的な対象として見られただけで舞い上がっちゃって、今度は「恋愛はできないかもいれないけど、セックスだったらできるんじゃないか」っていう間違った方向に突入しちゃったんですよね。

 とはいえ、経験がないから、セックスすると相手に対して思い入れが強くなって、好きになってしまう。
もちろんうまくいかないですよ。だって向こうは最初から遊びのつもりなのに、そこから恋愛に持ち込むのはすごく難しい。

 でも、そのときは何も考えていなくて、一回でもできればラッキーくらいの状態だから、経験値が増えただけで嬉しいんですよね。
2人も3人もセックスできた、っていうことが嬉しいから、女の勲章を増やしていくような気持ちでセックスしているんだけど、実は全然勲章増えてないっていう(笑)。
 今思うと、逆にプライドを毟りとられて傷だらけになってました。

 あと、恋愛自体の経験がないから、ちょっとでも彼氏っぽい感じだったりとか、お互い慣れた男女っぽい感じだけでもすごく嬉しいわけですよ(笑)。

―わ、わかります…!

雨宮:わかります!?(笑)。
「食べる?」とか言って料理出したり、彼の家に行くときに「コンビニで何か買ってくものある?」って聞いてみたり「あ~これこれ、ドラマで観たわ! それを私、今やってるわ!」っていう。
すんごいしょうもないんだけど、そういうことが経験できるだけで、嬉しくてたまんないんですよね。
単純にそれだけで舞い上がっちゃって、ちゃんと恋愛を考えるとか、どうしたら自分が幸せになれるかとか、そんなとこまでとてもいかなかったですね。
毎日がもう“お祭り”みたいな。
男から電話がかかってくるだけで、もう「わああああ~! バンザーイ! 私、普通の女の子みたいじゃん!」っていう状態です(笑)。

    自分に言い寄ってきてくれて、自分と男女関係らしいことをしてくれるだけで、もうなんか「ありがたい!」って。
今思うとそんな頭を下げるような相手じゃなかったんですけど、そのときはそう思っていたんですよね。

雨宮まみ
ライター。九州生まれサブカル育ち。守備範囲は「セックス&自意識&女のあれこれ」。
赤裸々な半生を綴った『女子をこじらせて』(ポット出版)は全国のこじらせ女子に大きな影響を与える。
現在、「女子」を語らせたら、この人! という5人を迎えての対談集『だって、女子だもん!!』(ポット出版)が絶賛発売中。

ツイッター:@mamiamamiya

  

次回は雨宮さんの社会人~現在までに変わりゆく恋愛観に迫ります。ぜひお楽しみに!

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Text/AM編集部


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雨宮まみ
ライター。九州生まれサブカル育ち。守備範囲は「セックス&自意識&女のあれこれ」

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