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  • 2012.10.16

認知科学者・苫米地英人さんインタビュー第二回 「女性の価値を下げるな!」

認知科学者の苫米地さんへのインタビュー第二回です。
今回は、「目標を結婚に設定してはいけない」という年頃の女性にはぜひ聞いていただきたいお話と女性の価値に関してお伺いしました。

「こんな人と結婚できたら幸せ」と願うのは絶対いけない!?
自分自身で女性の価値を下げている日本女性

苫米地英人 格言 名言 インタビュー

編集部:ゴール(自分の目標)の設定を「結婚」にしてはいけないのですか?

苫米地:ゴールは、自分のことじゃないといけないんです。
「金持ちで、ハンサムで、性格がいい男と結婚したい」はだめ。他人のことだからです。ゴールは、“自分が”こうなりたいこと。確かに、結婚は“こうなりたい”ということのひとつかもしれないけど、一瞬の話で、婚姻届を出す時だけのことでしょ。それは自分のことじゃない。紙のことです(笑)。
「自分が、どういう姿で、どういう将来になりたいか」。一瞬ではなく、長期間においての目標。
そうしないとエフィカシーが下がってしまうから。それは、「ハンサムで、金持ちで、性格がいい男とくっつかないと、私は幸せになれない」と言っているのと同じなんです。
思いっきり自己評価を下げていませんか?

「貧乏人で、だめなブ男でも私は超幸せな女!」 だったら、エフィカシーが高いからまだいいんだけど。

編集部:自己評価を下げている女性はかなり多いかもしれません。周囲にも、こういう条件の人と結婚しないと自分は幸せになれないと思っていそうな女性が見受けられます。

苫米地: それは、完全にエフィカシーを下げています。

日本は儒教社会だから、今だって田舎にいけば「長男の嫁」という言葉がある。ふたつの意味での差別ですよね。長男は次男よりえらい、だから男同士だってまずランクがあるということ。
それで「の嫁」って物ってことになるよね。「の」って所有格ですよ。所有格を表わす格助詞(笑)。
古い儒教カルチャーだよね。それがいまだに日本の田舎では言葉として残っているんだよ。

要は、男には1.2.3.4で順番がついて、それは一応人間同士の順番だけど、女は人間じゃないと言っているわけだから。
それが、日本の根強い儒教文化。最悪です。その文化は、日本の女性のエフィカシーを下げてしまっているから。それをぶっとばさないといけない。ぶっとばしていない人たちは、「こういう人と結婚したい」と願うようになる。つまり、結婚した男の価値で、自分の価値を決めようとする。

うちの叔父が某米国M商事の社長を長くやっていたことがあり、丁度同じ頃アメリカへ留学に行っていた時期があったのだけど、当時目の当たりにした、今でもよく覚えている出来事がある。
その会社は東海岸の支店だけで、日本人社員が300人ぐらいと大所帯。俺が大学生だったときの話ですけど。

それで、その社員の奥さん300人には、不思議なことに上から下まで1、2、3、4、5ってランクがついている。
それはどういう理由でランク付けされていたかというと、夫の会社での順位で決まっていた。
だから若い妻でも、夫が偉いと、年寄りよりも偉い。彼女たちは、その序列でブワーっと並んだまま、日本人が集まるグループに集まってくる。
その集まりが各商社であって…。そこにこないと女は村八分になってしまう。
それを見て、「ここ本当にアメリカかよ~」って驚いたのはよく覚えている。

編集部:アメリカでも日本人は夫と妻の立場を連動して考えてしまうのですね。

苫米地:日本人はそういう部分があるよね。夫に準じたランク付け、ということをアメリカに行ってまで行っているんだよ。
でも、その文化も、21世紀にはそろそろ終わるはずだよ。

編集部:夫をたてることが、女性らしさにつながる…ということを語られている方もいますが、この考え方についてはどう思いますか?

苫米地:
「女性の品格」とか言っている人達は、その女性のエフィカシーを下げようとする文化を助長していると思う。品格は女性も男性も同じだから。「人間の品格」だったらわかるけど。

ああいった本を読んでみると、ようするに「短大の栄養学を学び、よい嫁さんになる」みたいなさ(笑)。簡単にいうと「家政学科に入りあとは家庭に入るのが一番だ。あとは夫の言うことを聞く奴隷になれ」って書いてありますよ。
そういうことを最悪なことに影響力のある女性が書いている。よい嫁になれなんてことを女が言うなよ、と思うわけです。まだ、男が言うなら「このやろー」で済むけれど、女が言ってしまったら、その制度をわざわざ助長していることになるでしょう。
だから例えば周りの女の子が自分で、「こんな人と付き合いたい、結婚したい」だのと言っていたら、怒ってあげなきゃだめだ。
「日本ならではの、女性のエフィカシーを下げる文化を、わざわざ宣伝しないでよ!」と。


結婚するかしないかはもちろん個人の自由。たまたま好きな人がいて、子どもが欲しくなったというのだったら結婚すればいいし。
子どもがいらないのなら、無理して結婚しなくていいって俺は思っている。
そんなのは個人の自由で、フェラーリ買うか、トヨタ買うかというような悩みみたいなもの。
その時、結婚相手がどんな人物かで、自分の幸せがどうなるかということは関係ないから。
普通は結婚をしたら、自分の幸せは遠のくんだよ。なぜなら、自分のやりたいことがやれなくなるからだ。
それでも、自分の愛と、やりたいことを天秤にかけてみたら、愛が勝ってしまうこともある。


ちなみに、職業や年収で相手を選んでも夫が急に職業放棄することもあるんだし、スペックと愛は別なベクトルでしょう。
とにかく、最初から結婚自体が自分の幸せのゴールの一部になってしまっていたらアウトです。



編集部:冷静に考えれば、結婚は相手がいることですからね。
それなのになぜ、女性はつい盲目的に結婚を意識してしまうのでしょうか。

苫米地:それは社会に洗脳されているから。まあ、親が悪いです。親が結婚しろしろって言っている。

俺は31、2歳の頃、田舎で大学の助教授をやっていたんだけど。田舎の大学の先生だから結婚式で何度も教え子の主賓とかになるんだよ。
その中のある一回で、男の主賓は俺だったのだけど、女の主賓は小学校の校長先生らでだいぶ年上の人たちが出てきた。
それで、新婦側のおじいちゃんがスピーチしたときに「うちの孫も○○大学の×くんという優秀な子と結婚できて、由緒正しい家の墓に入ることができて、あぁ、めでてぇな」とか言ったんだ(笑)。
まるで、夫の由緒正しい墓に入ることが女にとっての最良の幸せみたいな感じで話していて。じいちゃん、それが封建制度だよ…と。
田舎ってそういうところ。というか日本にはまだそういう文化が残っているんだよ。東京も少なからずね。

編集部:まだまだそう言った考えの方は多いですもんね。

苫米地:どう考えても、某知事もそう思っているよ(笑)。
だから、女の子がそれを認めちゃだめですね。
もう一度言うけれど、結婚すれば幸せになれると思っているとしたら、それは論外。結婚している人はほとんどの確立で、不幸になっている。
日本の離婚率みたらわかるよ。そもそも、離婚しなくても家庭内離婚はすごく多いんだから。
そりゃそうだよ。そうやって幻想を抱いて結婚したって、世の中にそんな大した男はそんなに多くはいないから。普通にサラリーマンやっているんだもん。そりゃあ、不満になるでしょう。
なぜ、そこまでおかしなことになってしまうかといえば、誤ったことをゴールにしてしまったから。
普通に考えて、よくある結婚生活が心から欲しいわけない。でも、親に言われたり、社会の雰囲気を感じ取るうちに、それが自分のゴールだと勝手に勘違いしている人たちが「早く結婚したい」って言う。

しかし、その考え方でくっついた人はよければ成田離婚。そうじゃなければ、5年10年後に家庭内離婚が待っている。

愛がなければ結婚しちゃいけないのは当たり前のこと。
本当にくっつきたければ勝手にくっつく。

苫米地英人 ブス 格言 名言 インタビュー

編集部:本当に愛がない限り結婚してはいけないということですね。

苫米地:結婚しちゃだめだよ。相手は探すものでもないし。そもそも探して見つかるもんじゃないし。なんか知らないけど、たまたま現れちゃったわけでしょ。それを本気で好きになっちゃったわけでしょ。
あとは、様々な社会的なオプションで、結婚が一番いい場合もあれば、そうじゃない場合もある。それをふまえた上で、くっつきたければ、くっつけばいいじゃん。
それだけのことです。結婚自体はえらくもなければ、ダメでもない。人の自由。
そして、結婚はゴールとは何の関係もない。ゴールとは本人が将来どうなりたいかだから。

編集部:ちょっと間違ったゴールを設定していました。

苫米地:(笑)。それは危ない。
本当に好きになった二人は「やめろ」といっても勝手にくっつくから。
探しても無駄。探している人は落とし穴に落ちる。口先だけの悪者にひっかかる可能性があるということ。
あとは、スペックだけで好きになろうとして負けるパターンもある。
高学歴、会社が立派だとか、お見合いの文章にすぐ書きたいようなことを並べている人だね。それにひっかかる。当たり前だよ、本質からそんな風にいいやつだったら、とっくに売れているわ。

編集部:おそろしいですね。

苫米地:スペックだけで、実がやばい男性にひっかかってしまう女性は多い。
それは言い寄ってくる男性が得するだけだね。でも、言い寄ってくる男性がいいわけない。

編集部:それは衝撃的な事実です。

苫米地:当たり前でしょう。渋谷とか六本木の道路でナンパしてくる男の子の中で何人すごくいいやつがいる?
本当に真っ当な男は自分からは言い寄らない。だって、エフィカシーが高い男は「俺すげー」って思っているんだから、自分からいくわけないじゃない。

苫米地英人
認知科学者(計算言語学・認知心理学・機能脳科学・離散数理科学・分析哲学)。ドクター苫米地ワークス・コグニティブリサーチラボ・TPIジャパン・苫米地インスティチュート・一般財団法人BWFジャパン各代表、角川春樹事務所顧問、 南開大学(中国)客座教授、カーネギーメロン大学CyLab兼任フェロー。
苫米地英人公式サイト
ツイッター:@DrTomabechi

 周囲の人に流されて、自分のやりたいことを本気で考えず結婚を目標にしてしまっていた方にとっては、今回のお話は耳に痛いはずです。相手に価値をあげてもらう、という考え方からはもう卒業しましょう!

次回は、苫米地さん直伝の恋愛テクニックをご紹介していきますので、お楽しみに。


合わせて読みたい 第1回インタビューはこちら→「ブスをやめたきゃとにかく自己評価をあげればいいだけ。」

Text/AM編集部

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