• special
  • 2016.05.30

猛烈にいい女ぶると「将来ある男」を遠ざける?アメリカの高校生に憧れてしまった話

「私もこういう高校生活を送るんだ!」と憧れた作品、ありませんか?舘そらみさんの場合は『ビバリーヒルズ青春白書』。憧れて、いい女ぶると、こじらせへの道に突き進んでしまうようです……。

舘そらみ 恋愛黒歴史 ビバリーヒルズ青春白書 いい女
©Don LaVange

 幼いときに憧れちまったものは、いつまで経ってもビビットだ。
小学生の時に、たまたまテレビで見てしまった『ビバリーヒルズ高校白書』
ロサンゼルスのお金持ち学校に越してきた双子とその友人たちのすったもんだの学校生活を描いた、もういかにもアメリカンな、いかにも90年代な、調子に乗りまくったお話なのだ。

 それを見て、私は思った。「あ、私もこういう高校生活を送るんだ」と。

 眉毛に傷があるサーファー野郎に猛烈に愛されて、友達はみんな金持ちで高級車乗り回して、週末はメキシコに行って、妊娠騒動に巻き込まれて、エイズ撲滅キャンペーンとか大々的にやって、ドレス着てパーティに繰り出して、家出して同棲してアル中の会とか、行くんだと思ってた。
海辺でビキニ着て、波に打たれながらキスしまくるんだと思ってた(今から思うと、あんなところでキスするのは大変だ)。

 でも、そんなんやってこなかったー!
まずサーファー野郎は校内に居なかったし、週末に車で行くような隣国が日本には無かったわ。そもそも誰も車持ってなかったし。18歳からしか車乗れないし、日本。
ドレス着てパーティなんて夢のまた夢で、カラオケボックスでコスプレしてコンビニで大量に買い込んだものを飲み食いするので精いっぱい。
ちっともビバリーヒルズじゃなーーーーい!(楽しかったけど)
「あ、私もこういう高校生活送るんだ」は、叶わなかった。

いい女ぶることで得たもの

舘そらみ 恋愛黒歴史 ビバリーヒルズ青春白書 いい女
『ビバリーヒルズ青春白書』

 でも、何も叶わなかった、ではないのだ。
1つだけ、叶ってしまったのだ、否、1つだけ、叶えてしまった。
ビバリーヒルズに憧れ、ブレンダに感化され、1つだけ、叶えてしまった。

 それは、“いい女ぶること”。

 あまりにもビバリーヒルズを見て妄想を張り巡らせていた私は、ちょっと感覚が麻痺していたんだろう(それを思春期と呼ぶのかしら)、彼女たちを、真似し始めてしまった。
真似し始めたという表現すら弱いな。同じことをし始めちゃった。
高校進学と同時に、いっぱしの女になった。

 まず、私服を派手にしてしまった。だって、ビバリーヒルズの洋服は大胆なんだ。
私も、たっかいヒール履いて、ミニスカート履いて、ものすごいタイトなトップスを着だした。ヘソさえ出ていた夜もある。
胸元パッカーン開けて、紫のブラジャーチラ見せてた。
安っぽいのに色だけ鮮やかなそのブラジャーを見て、母親は「娼婦か」と形容した。娼婦ブラジャーを、自信満々にヘビロテした。

 そして、猛烈に男に対して愛想がよくなった。
………だって、だって、だって、アメリカのドラマだとそうじゃん!
ちょっとウインクしあったりして、ちょっと軽口叩きあったりして、もう次の瞬間には家のチャイムがピンポーンとなって、オシャレレストラン行って、もう夜景の見える丘の上で車の中でキスしてるじゃん! そういうのから恋が始まってるじゃん!
……それをさ、それをさ、やろうとしてただけなんだよね。

 だから、知らない人にも愛想が良い良い。キャッチの人とさえ、愛想よく喋る喋る。
今思い出したけど例えば、電車で前に立ってた男の人が落とした本を悠々と拾い上げて、悠々と本を広げて、本と一緒に落ちた栞をゆったりと挟んで、「ここで合ってるかな? もっと先まで読んでました?」ってすごい女ぶった笑顔で、相手の手を取って本を握らせてたからね。
…ねえ、なにコイツ。なにこの高校生。
もう、殺してください、あの時の私を。

 気付いていなかったんです、それが変だって。
だって、ブレンダもケリーもそれしてんじゃん!
それが、大人ってもんだと思っていたんです!
大人のマナーを、やってるだけのつもりでいたんです!

好きな人の前でも強がる、こじらせの歴史

 あーあ。
あーあ。
猛烈にいい女ぶった先に何があったか…。
変人な男性との傷つけあいと、ちょっとした危険しかなかったよ…。

 カフェインの錠剤で「一緒に死のう」って言ってくる男や、会う度に整形で顔が変わっていく待ち合わせに向かない男や、前歯が無いイレズミ男。基本的に違法な男ばかりがやってきた。ちゃんとした男性からは「経験豊富そうだよね」って恋愛相談されていたよ。
経験なんて言うほど豊富じゃなかったのに!経験豊富に見えた所作は、全て、大人のマナーと思って、やっていただけなのに!!

 おかしいなあ、ただビバリーヒルズみたいに、きらめく人間関係を作りたかっただけなのになあ。その入り口と思って愛想よくしてたのになあ。おかしいなあ。
色んな人とお近づきになって自分の世界を広げていきたいっていいう、10代らしい欲求からの愛想のよさだったのになあ。

 結果変な男を寄せ付けて、そして将来ある男を遠ざけちゃった。
しかも変な男をどうにかするための経験だけが増えていくから大人びた雰囲気だけを身に付けちゃって、お姉さんポジションにおさまっちゃった。
おっかしいなあ。
そして一度お姉さんポジションに入っちゃうと、本当に好きな人の前でも強がっちゃって、なかなか素直になれなくて、というこじらせの歴史。

 教えてあげたい、あの頃の自分に。
ドラマチックばかりを求めるな。とんでもないもの無くすぞ。
あと何より、ここは日本だ。
不用意な愛想よさは、マジで変な人を呼び寄せるぞ。
そして何より、お前が生きてるのはドラマじゃない、現実だ。


『ビバリーヒルズ高校白書』、猛烈に面白いからぜひ見て見て。
誰がタイプですか? 私は恋をするならディラン、今会いたいのはスティーブのような家庭的な男です。
だけど、アメリカの高校ドラマをお手本にするのは推奨しません。

Text/舘そらみ

今月の特集

AMのこぼれ話

アンケート

40代女子、求む!『40代女子のセックス調査2016』

「年齢に比例してセックスレスが深刻化?いやいや、40代に入ってから性欲が増してきたよ!!」「セックスなんてご無沙汰で…最後はいつだか覚えてない」…そんな皆さんが肌で感じる「40代のセックス事情」について教えてください!

アンケートはこちら