笑顔で自己犠牲の「プロ聖母」にならないで!「恋愛黒歴史」後編

 ぱぷりこさんによる、恋愛の黒歴史分析の後編!
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3.プロ聖母型

ぱぷりこ 恋愛黒歴史 妖怪女 恋愛妖怪 dollen

 徹底的に男の好みに合わせようとするあまり、「彼のすべてを笑顔で受け入れて安心させる聖母に私はなる!」と笑顔で自己犠牲するタイプです。
ハイスペ男、芸能人・経営者などの有名人の正妻ポジションを狙う女性に多く見られます。

 ホモソーシャルにどっぷりつかった俺様男やヤリチンに「理想の女」を語ってもらうと、「俺を徹底的に誉め、王のように敬い、息を吸うたびに圧倒的感謝を見せ、けしてでしゃばらず、魅惑的な体を持ち、物欲はなく、決して浮気せず、俺の浮気には何も言わず、いつも静かに笑っている、そういうものに彼女にはなってほしい」みたいなことを言うわけです。
つまり「自分にとって都合がいい女=セックスできるママ」なわけですが、プロ聖母型はこの「男の理想」を体現するために体を張ります。

 深夜に呼び出されればタクシーで彼宅に向かって手料理をふるまい、「出汁はちゃんととってるの?手抜きしてない?」と言われれば「ごめんね、次は鰹節と昆布からとるから、もう一度食べてほしい」と肩をふるわせ、誕生日に「仕事だから」とドタキャンされても「お仕事がんばってね!お仕事してがんばってるあなたが大好きなの」と笑顔で見送ります。
悪びれもなく目の前で浮気をされていても「彼がいつか私のところに帰ってくればいいなって思ってる」とやつれた顔でスマイル。
どんな仕打ちを受けても不満はもらしません。

 一方、わがままにふるまっても何も言われずに尽くされた男はだいたい暴君と化すので、扱いはどんどんきつくなっていきます。
周りの取り巻き女子がどんどんリタイアしていく中でなおも残るプロ聖母女子を見て、彼は「彼女は何があっても俺のそばを離れない」と安心し、「彼女となら結婚してもいいかもしれない」と思うようになる……といいんですが、現実はそう甘くない。

 実際はプロ聖母女子が耐えきれなくなってリタイア爆発することが多いです。
心の底から彼に尽くし、喜びを感じているなら何も問題はないのですが、彼女たちの多くは己の心と体をけずって「我慢」しています。
我慢はいずれ限界がくるもの。
いちど限界がくると「彼にとっての唯一無二ポジション」からの転落はあっという間です。
抑制していた不満が爆発すれば「重い」の一言でフラれ、過労で倒れれば働かない奴隷に用はないと捨てられます。クマムシ並みの生命力と野心で耐えていても、彼がモデル級の美女と電撃婚約したりするので油断はできません。

「彼が幸せなら私も幸せ」「心のそこから尽くす」と言っていたのはあくまで「自分にリターンが来る」という見返りが前提。 計画がぽしゃれば「これほど犠牲を払っていたのになんでリターンがないの!?」と怒りが収まらなくなり、一気にメンタル闇堕ちします。

 聖母の笑顔は鬼面となり、しばらくは外に出られないほどのダメージを負い、人間の尊厳を回復するのに時間がかかって黒歴史☆