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  • 2013.10.01

奥さんにバレたら?/弁護士が語る不倫のリスク(1)

奥さんにバレたら、どんなリスクが考えられますか?
請求される慰謝料の相場は?訴えられるケースってどのくらいあるの?



絶対にバレないから大丈夫?

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篠田恵里香 弁護士

 浮気をしている男性は、「絶対にバレないから」なんて軽く言うものです。
しかし、本当でしょうか?実は浮気がバレるほとんどのきっかけは、「女のカン」なのです。
テレビを見ているときの旦那の視線で勘付いた!なんてことも。

 弁護士の目線から見れば、男性は「浮気の証拠を隠すのが本当に下手」です。
携帯メールや通話の履歴をうまく隠しているつもりでも、バレるのは時間の問題と考えたほうがよさそうです。

浮気がバレたときのリスクは?

 浮気が奥さんにばれたら、どんなリスクが待っているのでしょう?
法律上、「浮気」は「不貞行為」と呼ばれます。
不貞行為とは「夫婦関係に亀裂を生じさせる行為」であり、奥さんの配偶者としての権利を侵害するものとして、民法上の不法行為に該当します(民法709条)。
不貞行為がバレると、あなたは奥さんから不法行為に基づく慰謝料を請求される立場になります。

 どこまでが不貞行為にあたるのか、というと、法律上は「異性と肉体関係があったか」が基準となります。
「食事に行った」とか「キスをした」程度では不貞行為にあたりませんが、奥さんのいる男性と肉体関係を持った時点で、慰謝料を請求される可能性が出てくるのです。
「肉体関係は愛し合っていれば当然のこと」という言い分もあるでしょうが、法律上は「立派な違法行為」ということになります。

慰謝料はどのくらい請求されるの?

 慰謝料の金額は、不貞行為の期間・回数・内容、婚姻期間、子供の有無、当事者の態度など、様々な事情を総合的に考慮して決定されます。
裁判になった場合の慰謝料の相場は、100万円~300万円ぐらいになることが多いです。
ただ、これはあくまで裁判になった場合の金額。訴えられた側が「裁判はやめてほしい」ということで示談にもっていく場合、当然、裁判の場合よりも多額の慰謝料を払わねばならないのが通常です。
夫婦が離婚に至らなければ、慰謝料は100万円程度に収まる……なんてこともよく言われます。
たしかに裁判になった場合には、そのような傾向はありますが、どうしても裁判を避けたい場合には、それ相応の慰謝料を払わねばならないことを覚悟する必要があります。

彼にも責任をとってほしい?!

 浮気は彼にも責任があるのだから、私だけ全額負担するのは許せない!300万円の慰謝料なら150万円しか払いたくない!気持ちは分かりますが、この言い分は通るのでしょうか?
結論としては通りません。

 たしかに、不貞行為は彼とあなたとで行っていますね。
なので共同不法行為といって、二人の責任は共同の責任(連帯責任)になります。
ただ連帯責任である以上は「奥さんから請求されれば全額を払わなければならない」のです。
なので半分しか払いません、とはいえません。

 もちろん、彼に対して「あなたも悪いんだから半分払ってよ」というかたちで、いわば立替分を後から請求することはできます。
これを「求償(きゅうしょう)」といいます。
しかし、泥沼の争いになった後、彼は結局家族を選ぶことが多いのです。
「お前なんかもう知らない」といって払ってくれなければ、裁判を起こしてまで回収することになります。
しかし時間も費用もかかりますし、彼から求償金を必ず回収できる保証はありません。

裁判を起こされる可能性は?

 奥さんが慰謝料を請求してくる場合、大体は「金額の話ではない。許せない。反省してほしい」という気持ちの問題が大きいものです。
となれば、当然「相当のお金を積んでくれないと納得できない。裁判の被告となってもらうことで精神的にダメージを与えたい」ということになるわけです。金額云々よりも裁判を希望される女性は相当いらっしゃいます。
となれば、あなたとしては多額のお金を積むか、裁判で時間と労力と費用(通常は弁護士を立てるので弁護士費用も)をかけるか、いずれかの選択を迫られることになります。

「証拠はないから裁判で負けるはずがない」と強気の方もいらっしゃいますが、裏でこっそり探偵を雇っている奥さんも最近は多いのです。
しかも、裁判になるまで手持ち証拠は通常開示されませんので、裁判になって「完璧な証拠が出てきてびっくり。むしろ“やっていない”と否認していたから裁判官の心証が悪くなった」なんてことも十分あり得るわけです。

不倫は違法行為です~相当のリスクがつきもの~

  不倫をしている最中は「愛しているのだから」と舞い上がってしまいがちです。
しかし、このように不倫は「法律上許されない行為」なのです。
奥さんにバレて、弁護士から「300万円支払え」という内容証明が届いてから我に返っても、もはや手遅れです。

 不倫をするという行為は違法行為であり、それ相応のリスクが伴うということを肝に銘じておく必要がありそうですね。

篠田恵里香(しのだ・えりか)弁護士
学習院大学法科大学院卒業。司法修習第61期。東京弁護士会所属。東京を拠点に活動。男女トラブル、交通事故問題などを得意分野として多く扱う。また、離婚等に関する豊富な知識を持つことを証明する夫婦カウンセラー(JADP認定)の資格も保有している。
文化放送「ロンドンブーツ1号2号田村淳のNewsCLUB」ほか、多数のメディア番組に出演中。
所属事務所:弁護士法人アディーレ法律事務所 
篠田弁護士オフィシャルブログ「篠田恵里香の弁護道」 

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ライタープロフィール

篠田恵里香 弁護士
学習院大学法科大学院卒業。司法修習第61期。東京弁護士会所属。

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