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  • 2013.06.10

中村うさぎさんインタビュー:相手に執着してしまうのは自己愛が強すぎるから(3)


 今回は、小説家・コラムニストの中村うさぎさんに、ご自身の体験を踏まえて、「依存と甘え」についてのお話を伺いました。
第3回は、「依存」との具体的な付き合い方についてお聞きしています。
第1回「甘え下手な優等生キャラは得しないが男に縁がない訳ではない」第2回「甘え下手な優等生キャラは得しないが男に縁がない訳ではない」も合わせてどうぞ!

どこからが依存かというと「執着したら」
執着はたいがいが愛ではない

中村うさぎ インタビュー AM
©AM編集部

―前回、依存は醜い自分と出会うという点では必要な部分もあるというお話でした。
では、次は依存とはそもそも何なのか? 具体的にはどんな付き合い方をしていけばいいのか? ということを中村さんの経験を含め、お聞きしたいです。
手首を切らないまでも、甘えから依存のようになってしまう女性は多いと思うのですが、そういう人はどうしたらいいと思いますか?

中村うさぎさん(以下敬称略):
まず、甘えと依存は地続きなんですよ。
ただ、甘えぐらいならよくても、依存となると面倒くさくなる。
どこから依存かというと、「執着したら」。
「その人がいなければ自分は生きていけない」、「その人がいないと自分は何もできない」とかそういうことになってしまったら依存ですね。


 その依存の本質である「執着」は、「愛」ではないんですよ。
「愛してるから電話がほしい」、「愛してるから一緒にいたい」と、たいがい言うんだけど、それは愛じゃないので、ちゃんと自覚した方がいいと思う。
相手に過剰に執着してしまうのって、自分のことを好きすぎるからなんですよ。相手を愛してるんじゃなくて、自己愛なのね。

「私を放っておかないで」、「私の全てを受け入れて」、「私を背負って」とか。
それってすべて結局は「あなたじゃなくて、自分を背負ってほしい」という、エゴイズムやナルシシズムの問題でしょう。

脳内に突っ込み小人がいれば依存しにくい           

中村うさぎ インタビュー AM
©AM編集部

中村:普段から自分のスタンスや感情の動きをジャッジするタイプの人だったら、ここまでいったら甘えを超えているな、と自覚すると思うんです。

 私は「突っ込み小人」と言っているんだけど、媚びたりすると、脳内の小人が「今お前媚びただろう」と突っ込んでくるわけ。
突っ込み小人は自分を外側から見ているんですよね。
だから、その突っ込み小人がいる人は甘え下手だし、上手く立ち回ることができないんだけど、その一方で依存にも気づきやすい。

 でも、突っ込み小人がいなくて、さらに友達の忠告でハッとすることもできない、「私はおかしくないもん」って人いるよね。
だから、前回もいったけど、そういう人はもう行くところまで行ってしまえ!(笑)

恋愛で常にクールな人は実は恋愛していない
おそらく恋の相手はその人ではない

―ただ、逆につい軽い付き合いをしてしまう人はどこかで依存しないと、恋愛を楽しみきれないのでは? とも思います。
依存は恋愛の本当の楽しみにおいて必要なことだと思いますか?

中村:必要とは思わないんだけど、あんまりクールだと恋愛に没頭できないよね。
でも脳内麻薬が出たら、バカになることは抗えないんですよ。
「私はバカになるのが嫌だから恋愛もちゃんとクールに対処します」って出来ちゃう人は、恋愛してないんです。


 恋愛しなきゃとか、彼氏の1人ぐらいいなきゃという理由で付き合っても大体ノリが悪いわけですよ。
その人のことを激しく愛さないとって自分に言い聞かせたって、脳内麻薬は出ないから。
それは相手がその人じゃないんだよね。
「楽しみきれないんです」という時点で、もう恋愛じゃないので、その人とは辞めるしかない。

仮に恋愛で脳内麻薬が出なくても
恋愛結婚がすべてではない

中村:でも、もしかしたらそういう人の中には恋愛では脳内麻薬が出ない人もいるかもしれない。
例えば、ギャンブルにめちゃくちゃはまる人もいれば、全然はまらない人もいる。

 それと同じで、人によって脳内麻薬が出て、テンションが上がる対象は違うわけだから、誰もが恋愛はするものだと思い込んでいるけど、そうじゃないかもしれない。
恋愛しないと生殖に行き着かないから、人間は恋愛しないとってなるけど、恋愛で脳内麻薬が出ない人はいるかもしれないよね。
そういう人は恋愛自体が楽しくないんだろうから、他のもので脳内麻薬が出るような楽しみを模索した方がいいかも。


 そこで、何の不都合が生じるかというとやっぱり恋愛出来ないと結婚出来ないんじゃないかという問題がある。
自分はいつか人並みに結婚して子どもが欲しいと思っている人の場合、恋愛出来ないのは大きな障害になると思うんだけど、結婚って恋愛結婚ばかりが結婚でもないので。
そこは結婚を割り切ってしまうしかないよね。


子どもが欲しい場合はセックスが付きもので、いくら子どもが欲しいからって義務的にあまり好きじゃない人とセックスするのは辛いじゃないですか。

 子どもが欲しいわけじゃなくて、生涯一緒にいるパートナーが欲しいという意味での結婚がしたいんだったら、私は必ずしも恋愛感情だけが結婚の条件にはならないと思う。
現に私の夫がゲイなので、私たちの間に恋愛感情は一切ないんだけども。結婚って結局家族になることだから。


次回、最終回はうさぎさんの結婚観や、男女がパートナーになることについてをお送りします。
お楽しみに! ■第1回甘え下手な優等生キャラは得しないが男に縁がない訳ではない
第2回恋愛のドロ沼にはまる唯一の価値は”最も愚かな自分”に出会えること
うさぎさんインタビュー第1回、第2回もあわせてどうぞ。

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