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  • 2013.05.13

「結婚=本命女」とは限らない!(1)/コラムニスト・Lilyインタビュー

『おとこのつうしんぼ』を代表作とするコラムニストのLilyさん。数々の恋愛を経て、結婚しているからこそ語れる「結婚できる女」と「本命になれる女」の違い。愛していること、好きであることと伴侶として選ばれることは別ものだといいます。その理由とは?

 女性独特の恋愛観を描いた恋愛エッセイ『おとこの左手、薬指』、長編小説『me&she』など、実体験に基づいたリアルで切実な女心を描く作家のLiLyさんに、「本命女」への道を伺いました。

“本命=結婚”は浅はかな考え?

LiLy インタビュー

―まず、“本命女”の定義って、どんな風に考えていますか?

LiLyさん(以下、敬称略):一般的に、“結婚してもらえる女=本命”“身体だけの女=都合のいい女”というような使われ方が多いと思うのですが、例えば、大奥みたいに、“本妻”になっても、その後で彼が愛人とのセックスに溺れれば、心の位置としての本命=愛人ってことになるし、“本命=結婚してもらうこと”と定義してしまうのは簡単だけど浅はかかなと思います。大奥でなくても、結婚して、妻が家事や育児に追われているあいだに夫が愛人と恋愛やセックスを楽しんでいれば、都合のいい女=妻ということになりますもんね。
本命というのはポイントポイントではなくて、常に相手が自分のことを第一フォーカスで見てくれることが理想なわけですよね。

―お話を聞いてはっとしました。今までどうしても「結婚=本命」と考えていて…。

LiLy:20代の頃は、「男は“今”だけを見ているけど、女は未来のことまで考えている」っていう共通認識のようなものがあって“私たちは未来も視野に入れてるもんね〜! だから複雑になるんだよね〜”なんて得意の上から目線で(笑)みんなと言い合っていたんですけど、実はその“未来”が「結婚して出産する」ってところまでだったんだって最近気付いたんです。その後のことは未知すぎてあまり想像もできなかった。

 そうなると、結婚さえすればゴールってつい思いがちなんですけど、そこからが本当のスタートなんですよね。だからこそ、「結婚してもらうこと」に重きを置き過ぎないほうがいいと思います。
特に、女の子たちの“下から目線な婚活”はキケン。
「結婚したいと思われたい」→「嫌われないような優しい態度で、家事や料理を頑張る」→「穏やかな性格と家事能力が認められて結婚相手に選ばれる」→「結婚」→「家のことを何もかもすべて任される」→「ちょっと大変……」→「なんで? 君は優しくて家事するのが大好きな女性でしょう?」→「え、私、都合いい女?」みたいなことになりがちだからです。

都合のいい同士でも成り立つ
それが結婚のからくり

―なるほど、危険ですね。アリ地獄のようなやばい状態になりそうです。

LiLy:“結婚してもらいたい”、“もう仕事やめたいし、養ってもらいたい”という女性たちによる婚活って、下から目線かつ受け身でいるように見えながらも、その内容はけっこう図々しい。そして、その条件にかなう男性だって、当然女性にもちょっと図々しい条件を求めているもの。たとえば『金』と『家事』。それが交換条件のように一致して結婚するのはもちろんひとつのゴールだけど、さっきの本命論でいうと、『愛は?』となる。

 そもそも「恋愛と結婚は別」だという割り切った考え方ならば、“愛という意味での本命”はそもそも目指していないということになるわけだけど、でもたぶんそうじゃないんですよね。漠然と「しあわせになりたいから結婚したい」と思っていて、「婚活」をはじめると条件ばかりが気になって、でも愛情なくしてしあわせなんて成り立つはずがないということも分かっていて、そのジレンマに陥るんだと思います。

―婚活に違和感を感じてきたのですが、それを明確に言葉で表していただいた感じです。

LiLy:婚活はもちろん、悪いことではないけど、条件的になってしまうところは男も女もお互いさまなんですよね。
結婚はしてもらうものでもしてあげるものでもなく、ふたりの人間が一緒に生きることを共に選択するということ。焦りや迷いで自分が何を求めているか分からなくなった時こそ、頭の中の原点回帰が必要です。本来シンプルなことを頭の中でぐちゃぐちゃに複雑にしてしまっていては混乱するばかりだから。

 でも、自分自身はシンプルに考えていても、相手が……という話も最近よく聞きます。たとえば、独身の女友達(31歳)が、「30代になって周りの男が変わった。同い年くらいの男たちが、結婚を意識してその条件にかなうかどうかという“厳しい目”で自分をみてくるのを感じる」と言っていて。
婚活をしている20代の女の子が男性の年収を意識するように、婚活をしている30代の男たちが、どういう食材を買うのか、金銭感覚とか、家事能力とかに注目しているのを感じるらしいの。そして最近は不景気だし共働きもあたりまえの時代だから、女性の年収を男性が気にするという意見だって少なくない。女側は、純粋に恋愛をしたいと思っていても、男側が結婚を意識して条件的になっている場合もあるみたい。

 でも逆に考えれば、相手が求めるラインをクリアすれば「結婚」相手に選ばれるわけですよね、彼にとって都合がいいから。そんな彼が自分にとっても都合がよければ、結婚は成り立つ。それが、“結婚=本命のからくり”ですよね。

結婚観によって変わる“本命”像

―これさえやれば本命になれると思ってますもんね、完全に。

LiLy:トリッキーですよね。婚活の中での「本命」は、愛し合いたい、誰よりもあなたが好きでありたいっていう「本命」とはまた種類が違う。自分の結婚観によって、“本命”の意味もそれぞれ変わってくる。結局は自分が何を求めているか、なんだけど、それこそが一番分からなくなるポイントだったりもするし、難しいですよね。

―相手の都合に合わせる前に、自分が求める本命男の条件も真面目に考えないといけないですね。

LiLy:そう。“条件”というと聞こえが悪いけど、お互いが求める生活スタイルが一致していることはすごく大事ですよね。例えば、結婚後、または出産後も働き続けたいと思っているのか、専業主婦になりたいと思っているのか、それぞれ考えは違うと思いますが、大事なのは相手とそこの価値観が一致していること。

 いや、違うなぁ! だって、その条件自体も結婚生活の中で常に変動してくるもの……。例えば、夫が病気で働けなくなるってことだって十分にあり得るし、逆に仕事を続けようと思っていたけど出産後にやっぱり自分で子供を見たいと考えが変わることだってある。
常に変わり続ける環境の中、チームとして助け合い、時には自分の条件を譲歩し合いながら、一緒に戦っていけることが結婚の条件なんじゃないかなって、思います。


【つづく】
次回は、「2番目止まりの女」をお送りします。

Text/AM編集部

LiLy
81年生まれ。恋愛エッセイや小説が「リアルすぎる」と女性から絶大な支持を得る、作家、コラムニスト。
「結婚=ゴールだと捉えがちな女性に是非読んでもらいたい」。
不倫後無職のブッ飛んだ姉VS.超堅実な妹の”ケンカ”を軸に展開する長編小説『me&she』がこの夏、幻冬舎より発売予定! 雑誌『AneCan』にて小説『Black Musk』も連載中。恋愛エッセイ『おとこの左手、薬指』(講談社)など著書多数。
HP:http://www.lilylilylily.com

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