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  • 2013.03.06

最終回:女を悲しませた悪いオレ…「オレ物語」を作る男に注意!(後編)

今までの伏線はどこへ!? 「恋の打ち切り最終回」パターン

Nurture By rickyqi
©By martinak15

 読者のみなさんから寄せられた「私が経験したかっこわるいフラれ方」を紹介するこのコラム。

 前回は、告白した時点でフラれてしまった「恋の出オチ」パターンを取り上げましたが、今回は、長く付き合った彼からまさかの別れを切り出された「恋の打ち切り最終回」パターンをご紹介します。

 恋の終わりは、人気の出なかった打ち切り漫画の最終回のように突然訪れます。
「ラブラブで過ごしたこれまでの交際期間」といった前フリや伏線は完全に無視。
「えーーー! それで終わりーーーーーー!?」というあっけない結末には、オチもへったくれもありません。

 たとえば、こんなケース。

 彼に二股をかけられていたことが発覚。
それでも許してあげるつもりで彼に詰め寄ったら、「君はひとりでも生きていける強い女だけど、あの子は僕が守ってあげないとダメなんだ」と言いはじめ、結局フラれてしまいました。
頭にきたから最後は殴ってサヨナラしましたが、そういうところが「ひとりで生きていける」って思われたのかな……ショックです。

「守ってあげたい」と男に思わせる女性ほど、実は男にぶら下がってうまく利用する能力に長けた、しぶとくて強い女性だというのは周知の事実ですね。

 二股相手の女性は、きっと彼じゃなくても頼れる男なら誰でもヨロシクやっていくでしょう。
だからといって、「そんなこともわからないなんて、男ってバカね」というのも、それはそれで違うと思います。

 守ってあげなきゃ生きていけない人なんていないし、ひとりで生きていける人もいない。
たぶん、彼もそんなことはわかっていたはずです。
ただ単純に、二股相手のほうに完全に心変わりしていて、バレた時に彼女をフる言い訳が欲しかっただけなんじゃないでしょうか。

「二股をする」「彼女をフる」と決めたのは彼自身なのに、あたかもその原因は外にあって、仕方なかったんだ……というための物語が、彼には必要だったわけです。

 そう、男は別れ話をする時に、勝手な「物語」を用意しがちなんですね。

男の一方的な「オレ物語」に組み込まれるな!     

Nurture By rickyqi
©By Annie Christabel

 次のエピソードも、男が勝手に「オレ物語」を作り上げてしまった例です。

 学生時代から付き合っていた彼は、卒業後に大学院へ進み、私は就職をしました。
彼に対しては特になんの不満もなかったのですが、かなり有名な某大企業に就職した私に対して、実は彼が勝手に引け目を感じ、自信をなくしてしまっていたみたいで……。
ある日突然呼び出され、「キミを自由にしてあげる」とワケのわからない捨てゼリフを残し、フラれてしまいました。
私は別れる気、なかったのに!

「キミを自由にしてあげる」……どんなポエム脳を絞り出せば、そんなドラマのようなセリフが出てくるのでしょうか。聞いているこちらが恥ずかしくなります。

 でも、彼にとってはこのクサいセリフよりも、「彼女に水をあけられている自分」を認めることのほうが恥ずかしかったのでしょう。大学院での研究職だって立派な仕事なのに、そう思えなかったということに、彼のひがみや嫉妬の源となるコンプレックスが隠されていたのかもしれませんね。

 このように、現実を自分に都合のいい「オレ物語」のシナリオに書き換えようとする男は、けっこういます。

 たとえば、AMの編集さんは、あろうことかクリスマスの当日にフラれ、後で彼から「かなしいクリスマスにしてごめんね」というメールがわざわざ届いたそうです。

 悲しくさせたのは自分なのですから、「ごめんね」と思うならクリスマス以外の日にフッてあげればよかったと思うのですが……。

 もしかしたら、「ごめんね」と言いたい別のやましい理由が本当はあって、それをカモフラージュするために“クリスマスにフる”というニセの“やましさ”を捏造したのかもしれません(考えすぎ)。

 おそらく彼の「オレ物語」の中では、「女を悲しませた悪いオレ」が、やや悲劇のヒーローとして“美談”にまとめられているはずです。

別れたら、そこで失恋両成敗!

 そして、「オレ物語」がなにより厄介なのは、自分に都合よくシナリオを書き換えたことを、当の本人すら自覚していない場合があるということです。

 女性関係で信用できなくなった彼に、私から別れ話を切り出したところ、結論をはぐらかされてその場はうやむやになってしまいました。
後日、しばらくしてから「この前の話なんだけど……」と言いかけたら、「今はお互い付き合う時期じゃないと思うんだ。すまないけど距離を置こう」と言われ、最後はなぜか“私がフラれた”みたいな感じにされて終わりました。

 まさかの立場逆転!
入門して3日目のマジシャンが、無理やりハトと花をすり替えた、みたいなバレバレの荒業です。

 でもこれ、本人は“本当に”自分がフッたと思い込んでいる可能性があるから恐ろしいんですよ。
それまで恋愛において同じ「物語」を語ってきたふたりが、初めて「彼の物語」と「彼女の物語」に引き裂かれるのが、別れ話だからです。

 以前、私の友人同士のカップルが別れた時に、別れの理由や、どちらがフッた/フラれたのかという事情を、それぞれ別々の席で聞いてみたことがあります。
すると、「向こうが別れたがらなくて、結局、私(俺)からフッたみたいな感じかな。でも、どっちが悪いわけじゃないよ」と、見事にどちらも同じ答えが返ってきたのです。

 それだけ円満な別れだった…と言うこともできますが、結局、人は自分に都合のいい「物語」しか解釈しかできないんだな、と思ったのも事実。

 でも、それでいいのかもしれませんね。
よっぽど一方的な原因がない限り、失恋における「どっちが悪い」はナンセンスです。

 別れたら、そこで失恋両成敗。

 フッた側もフラれた側も、同じように傷つき、傷つけられたのだと思えるようになれば、失恋の痛手からも早く立ち直ることができるのではないでしょうか。

まだある! おまけのフラれエピソード大放出

 おまけとして、読者のみなさんから寄せられたフラれエピソードの中から、テーマにうまくはまらなくて取り上げることができなかったものを、せっかくなので紹介しておきましょう。

 私はバツイチ子持ちなのですが、以前、私に子供がいることを知っていてアプローチしてきてくれた人がいました。
最初は半信半疑でしたが、徐々に仲良くなって私も好きになりかけていたある日、「え、離婚してるの!?」と言われて逃げるようにフラれました。
聞けば、なんと彼も妻子持ち。最初にバツイチと伝えていたはずなのですが、どうやら私のことを「不倫願望のある人妻」だと勘違いしていたらしく、お互い割り切って「ダブル不倫」できる相手を探していたみたいなんです。
相手の腐った魂胆を見抜けなかった怒りと悔しさで、しばらく凹みました…。

 新しいパートナーが見つかるかも……と期待した、投稿者さんの失望を想像すると胸が痛みます。
さっさとフラれてむしろ良かった、と前向きに考えてくださいね。
その男は、野犬にでも噛まれてチンコがもげればいいでしょう。

 私の友人は、好きな人ができると、アプローチもしてないのに彼と付き合ったときのことや、結婚して披露宴をしているようすまで、勝手に妄想を膨らませてしまうそうです。
気持ちの上ではすっかり付き合っている気でいるので、実際には脈がなかったりすると、一方的にフラれた気になって失恋しています。見ていてかわいそうです。

 実際にフラれるだけがフラれ方じゃない! ということでしょうか。
禅問答みたいで意味がわからなくなってきました。

 何度も告白してはフラれ続けていた人を、クリスマスイブに地元から40キロ離れた町まで追いかけるというストーカーまがいの行動に出ました。
最後は氷点下の寒空の下、「これ以上近寄ったらホントに嫌いになる!」と言い放たれて、すごすご帰ったのがいい思い出です……。

 40キロ追いかけるっていう状況が浮かびません! えーと……カーチェイス?
「近寄らないでくれ」とまで言われるのは、いっそ気持ちのいいフラれ方のような気がします。

 私の友人は、5年間付き合って同棲までしていた彼氏にある日突然フラれたのですが、1年経った今でもその現実を受け入れられていないようで、周囲にはまだ別れたことを黙っているみたいです。
その彼が、実は私と付き合っていることは、絶対に友人には言えません……。

 ヒーーーーーッ!! こんな恐ろしいタレコミをされないためにも、まずはフラれた事実をありのままに受け入れることが大切ですね(笑)。

 どうかみなさんの失恋が、前向きに成仏することを願っています!

Text/ 福田フクスケ

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ライタープロフィール

福田フクスケ
フリーライター。“くすぶり男子”の視点から恋愛やジェンダー、セックスなどを考察。

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