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  • 2013.02.18

失恋のショックでこんなことしました!(後編)

自分をみがいて相手を見返す!「ポジティブ自己投資」系

Nurture By rickyqi
©By martinak15

 前回は、失恋というショックにぶちあたったときの行動を、「日常からのエスケープ」系、「あえてのセンチメンタル」系、「たちきりメモリアル」系、となかば強引に分類してみました。
これらはいずれも“彼がいなくなった生活/環境とどう向き合うか”という問題に対するアプローチの違いと言えます。

 一方で、失恋後の行動にはもうひとつ、“彼に去られてしまった自分とどう向き合うか”というモチベーションもあります。

 失恋がなぜ辛いかといえば、これまで彼に愛されることで底上げしていた「自己評価」や「自己肯定感」が、急に否定されてしまった気がするからでしょう。
その後の行動は「前向きに自分を変える」パターンか、「後ろ向きに自分を責める」パターンかの両極端に分かれる傾向があるようですが、気を付けないと周囲の男性にドン引きされたり、勘違いされてしまうケースもあるようですよ。

 まず、前者のパターンで多かったのが次のようなケースです。

 これまで彼氏とのお付き合いに費やしていた時間とお金を、ジム通いに全力投入。
ほかにすることもなかったので熱中してしまい、ダイエットどころか腹筋が割れるほど鍛えてしまいました。

 ほかにも、キックボクシングや空手、マラソンやベリーダンス、ヨガなど、運動系の趣味に打ち込む人はかなり見受けられました。

 この行動のメリットは、傍目からは「あれ、新しい趣味が増えたのかな」としか思われず、余計な心配をかけないで済むこと。「自分のためになることをしたい」「自分を変えたい」という“自分みがき”の気持ちがにじみ出ていれば、周囲の男性もそこまで悪印象は抱かないはずです。

 彼氏が浮気相手に心変わりしてフラれたのが許せなくて、「絶対に見返してやる」と一念発起。
ダイエットしたり、おしゃれに気を遣ったり、いわゆる“女子力”をみがくことに命を賭けました。
おかげで彼から「ヨリを戻したい」と言わせることに成功しましたが、もう未練はなかったのでフッてやりました。

 このように、もとから自己肯定感を強く持っている人は、失恋しても「この私が」「なぜアイツなんかに」という気持ちが強く、「見返してやる」という動機で自分への投資に走る傾向がある気がしました。
これを、「ポジティブ自己投資」系と名付けたいと思います。

 ただし、男性にとって「あいつ、最近急にきれいになったよな…」は、「もしかして、俺のこと好き?」という勘違いの源。
急な女子力アップは、不要なモテを呼び寄せてしまう危険があります。

 しかも、「元彼を見返してやりたい」というモチベーションでいる限り、あなたは元彼と同じレベルの男性ばかりを引き寄せてしまうでしょう。次はもっとステップアップした男性と付き合いたいのであれば、注意が必要です。

 このカテゴリに位置づけられる行動としては、ほかに「仕事でこれまで避けてきた新しい挑戦をしてみる」「合コンや飲み会に積極的に参加したり、別のいい人を紹介してもらう」などがありました。

フラれたのは自分のせい?「ネガティブ自己内省」系

Nurture By rickyqi
©Nurture By rickyqi

 一方で、自己評価の低い人に多く見られたのが、失恋の原因を自分の中に探し、「やっぱり私なんか……」と自罰的・内省的になってしまうパターンです。
これを「ネガティブ自己内省」系と名付けてみました。

 電気を消して真っ暗にしたお風呂に入り、ワイヨリカを聴きながらひとりで泣いていました。

 ショックで3日間ご飯ものどを通らず、部屋に引きこもって『ジャッカス』を延々ループ再生していました。
ハッピーエンドもバッドエンドも見ていると辛くなってしまうので、なんの意味もないおバカな映像が、かえって救いになりました。

 このように、なかなか現実を受け入れられず、内にこもってふさぎ込んでしまうのがこのタイプの特徴。ワイヨリカ、ジャッカスなど、銘柄の指定が妙に具体的なのも、それを拠り所にしていたリアリティを感じますね。
こうした行動は、普段の態度やオーラにも滲み出てしまうもの。
申し訳ありませんが、男性にとっては「重い」の一言です。

 また、女としての自尊心に大きなダメージを負い、それがトラウマとなってこじらせた行動をとってしまうケースも。

 半年間付き合ったのにキスもさせてもらえず、結局「お前のことは女として見れない」と言われてフラれました。
あまりにもショックで、その後しばらくは周囲の男性に「私のこと、抱けますか?」と手当たり次第聞いて回りました。
女としてのプライドを必死で取り戻そうとしていたんだと思います。

 私とはセックスレスだったのに、彼がヨソで何人もの女と浮気していたことが発覚。
自分の女としての価値を確かめたくて、出会い系にハマってしまいました。
コトが終わるとむなしくなるのに、夜になるとまた寂しくなって……の繰り返し。辛かったです。

 多くの女性は、自分の“女としての魅力”の判断基準を、「男に選んでもらえるか/欲情してもらえるか」に委ねてしまいがち。すると、フラれたときに女としての自己肯定感をキープできなくなり、あらぬ行動に走ってしまう恐れがあるのです。

 男性は、肉食女子に逆ナン&口説かれてると勘違いして、最初こそ喜んでホイホイついていきたくなります。
でも、それはあなたを女性として尊重しているのではなく、目先の性欲に釣られているだけ。
次第に男性も、あなたの地雷臭に「めんどくさい」と気付き、離れていくでしょう。

 ほかには、「夜中に湘南の海でひとりCoccoを大熱唱しました」や、「黒魔術や、藁人形を使った呪いの方法を真剣に調べました」といったエピソードも、このカテゴリに入れていいかもしれません。
中には内省的になるあまり、こんな込み入ったことをする人も……。

 フラれたときの会話を思い出し、それを台本として書き起こしました。
最初は自分の気持ちや言い分をメモしただけだったのですが、相手の言っていたことや、ト書きまで書いてひとりで読んでみると、相手の立場もわかる気がしました。

 やっぱりというか案の定というか、このエピソードを教えてくれたのは役者の方でした。
自分以外の立場や役柄を演じてみて、ものごとを客観的にとらえられるようにするのは、「ドラマセラピー(演劇療法)」として実際に存在する方法。自分で自分にトラウマのカウンセリングを施すとは、この方、タダモノじゃありませんね。

話してスッキリ!「共感コミュニケーション系」

 ここまで、さまざまな行動を紹介してきましたが、なんだかんだで一番多かったのが、実は「同性の友達に洗いざらい打ち明けて聞いてもらう」というものでした。

 話せることから友達に話していって、全部話せるようになってようやく、その彼とはおしまいなんだ、と吹っ切れた気がします。

 友達と会って一部始終を話して慰めてもらいました。おいしいお酒と食べ物があればなおよし。
会の終盤にはだいぶ元気になって、「いい人紹介するよ」とか「合コンしよう」という流れになるのが黄金パターンです。

 また、この派生形とも言えるのが「歌ってうっぷんを発散させる」ケース。

 友達の中の誰かが失恋すると、必ずみんなでカラオケに行って、ドリカムの『サンキュ』を熱唱するのがお約束でした。一時期は、竹内まりやの『元気を出して』のCDを贈るのが習慣になっていたこともあります。

 失恋による心のモヤモヤを友達にぶちまけ、一緒になって共感してもらうことで徐々に気持ちの整理をつけていくのは、おそらく女性特有の解決方法。お互いの弱みをさらけ出すようなことを避けたいと考える男性同士では、まずありえないコミュニケーションです。

 しかも、「共感コミュニケーション」系とも言うべきこのパターンでは、しばしば元カレに対する愚痴や不満、ディスが飛び交い、実際以上に悪くウワサされがち。男性にとってはたまったもんじゃありません。

 でも、きっとこれは女性が失恋を乗り越えるために必要な手順。
共通の仮装敵を作り上げ、「○○ちゃんは全然悪くないよー」「そんな男、別れて正解だよー」と言ってもらうことで、彼への想いを断ち切ることができるのですから、男性はどんな別れであっても、陰で悪役になる覚悟をするべきなのかもしれませんね。

 いかがでしたか?
すべての失恋は、ネタとして人に話せるようになる過程でみそがれていくもの。
今は辛くても、「私、失恋のショックでこんなことしちゃいました!」と笑って話せる日が、いつかきっとくるのだと知っておきましょう。

 知っておくだけで、今は全力で失恋の悲しみに集中することができるはず。
それはやがて、きっと全力で立ち直るためのバネになりますよ!


【つづく】

Text/福田フクスケ

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ライタープロフィール

福田フクスケ
フリーライター。“くすぶり男子”の視点から恋愛やジェンダー、セックスなどを考察。

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