ぽっちゃり女子はモテる!会社のプリンスとの秘密のエッチ/『プリンスは太めがお好き?』(前編)

女性が自分の体形コンプレックスを許せる世の中になってきたけど…

大泉りか 官能小説 Tiffany Bailey

 かつては『デブ』であることは『ブス』であることとほぼイコールでありました。
デブであるのに、モテや男受けなどを気にするなんて、身の程知らず、浅ましい、みっともない、という雰囲気がありましたし、『デブ』というコンプレックスを乗り越えて『モテ』や『可愛い』を意識した服装などしようものなら、同性である女たちから「調子に乗っている」と陰口を叩かれる覚悟が必要だった。

 が、ここ最近に於いて、デブの解放ともいうべくムーブメントが起きていることは、皆様もご存知だと思います。
日本初の“ぽっちゃり女子”のための本格ファッション誌『la farfa』の創刊とともに、マシュマロ女子という言葉が生まれ、それが飛び火したCANCAMが‟ぷに子“を特集、さらには、『la farfa』の表紙モデルも務める渡辺直美がプロデュースするファッションブランド「プニュズ(PUNYUS)」がこの春、渋谷109にオープンと、まさに怒涛の快進撃が続いています。

 ようやく、太め体型にコンプレックスを持っていた女の子たちが、その身体を誇れる……とまではいかなくても許せるようになったことは、同じ女として非常に喜ばしいことである……はずなのですが、なんとなく諸手を挙げて「よかったね!」と彼女たちの解放を祝う気になれないのは、なぜなのだろうか――。

 というわけで、今回紹介するのは、そんな“ぽっちゃりキャラ”がヒロインを務める、山内詠著『プリンスは太めがお好き?』(プランタン出版オパール文庫刊)です。