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  • 2014.03.08

「愛を信じていない」男性との激しいセックス/『鬼の棲む蔵』(後編)

「恋や愛を信じない」と言う男を愛したら…

大泉りか 官能小説
sarajneff


 好きな男性に、もしも「恋や愛など信じていない」と言われたら、貴女はどう思いますか?

「そんなことないのに……わたしが教えてあげたい」とやる気をくすぐられるか、「何が過去にあったんだろう」と寄り添いたい気持ちになるか、はたまた途端に「面倒くせぇ男」と嫌いになるか、「この発言、ウケる……」とニタニタウォッチフォルダに格納するか――というわけで、前編に引き続き、ご紹介するのは、霧原一輝著『鬼の棲む蔵』(悦文庫)です。

 この作品の主人公の小野東吾は、創業100年を超える小野酒造の七代目蔵元。
『恋や愛など信じていない』反ロマン主義でありながら、肉欲に猛る東吾が選んだのは、女を力で奪っては、肉体を支配することでねじ伏せる方法でした。

 六十三歳になってもなお滾る性欲を満たすべく、女杜氏を目指して酒蔵に通ってくる麻弥を手籠めにしつつも、一方では、全国酒造組合中央会の理事の座を狙い、正妻を追い出して家へと引きいれた内縁の妻・佐知子の肉体を現同会会長の御園に献上。
自らの内に渦巻く激しい権力欲をも満足させるために奸計を図ります。

自分本位な欲望のせいで、相手からの愛情が見えなくなる

大泉りか 官能小説
鬼の棲む蔵』/霧原一輝/悦文庫

「すごいもんだな。あんなに犯されたのに、ここは綺麗なままだ。痕跡ひとつ残っていない……帰ったら、ここに入れてやる」
 佐知子とまた裏返して、膝をすくいあげた。猛りたつものを押し込もうとすると、佐知子がそれを押し止めた。
「ちょっと、東吾ちゃん。その前に言うべきことがあるんじゃないの?」
「感謝の言葉が欲しい? 人身御供になって願いを叶えたんだから、慰安の言葉が欲しいか? そうだろ」
 心の底では、佐知子に深く感謝していた。だが、どういうわけか裏腹の態度を取っていた。
 佐知子がむっとした顔をした。(中略)
「恥知らずにイキやがって。お前のようなインラン女は懲らしめてやらなくてはな」
 いまだ濡れて淫口をのぞかせている恥肉に一気に埋め込んだ。(中略)
 つづけざまにえぐりたてると、佐知子はくくっと顎をのけぞらせて、「ぁああぁ」と喘いだ。
(そうら、感じているじゃないか)
 だがそのとき、東吾の目に映ったのは、佐知子の目尻から流れ落ちる一筋の涙だった。
 ドキッとしながらも、性欲は止められなかった。かまわず打ち込むと、
「あっ……あっ……あうぅ」
 佐知子はシーツを握りしめて、顎を突き上げる。だが、閉じられた目蓋の端からは光るものがとめどなくこぼれつづけていた。
(『鬼の棲む蔵』P143L10-P145L5)

 しかし、東吾の落とし穴はここにありました。
「恋や愛など信じていない」と思っているからこそ、女が与えてくれている愛に気が付かず……いや、気が付きかけたというのに、自らの欲を満たすことに夢中になりすぎて、迂闊にもスルーしてしまうのです。
女の愛は減点方式だというのも知らずに――。

 しかし、このボンクラ加減もまた、ドS系昭和男児の愛すべき点……というわけで、クンニしない平成派に飽きた貴女、たまにはこってりとした昭和なオヤジを味わうのはいかがでしょうか。

Text/大泉りか

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ライタープロフィール

大泉りか
キャバ嬢、SMショーのM女、ボディペインティングのモデルなどの経歴を経て、現在は官能小説家、ライトノベル作家。

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