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  • 2013.07.20

同級生との再会で花開く官能の世界『熟れどき同窓会』(前編)

第11回:葉月奏太・著『熟れどき同窓会』(前編)

大泉りか 官能小説
Lies Thru a Lens


 同窓会というものと、なぜか縁遠い人生を送ってきました。

 大学卒業と同時に地元を離れ、都心近くで一人暮らしを始めたこともあるかもしれません。 が、いくら地元を出たといっても、わたしの実家は都内。
池袋から西武線でわずか三十分ほどで帰郷できる、むしろ『帰郷』という言葉を使うのは、大げさすぎるほどの近距離にあるのです。

 なのに、なぜ同窓会に呼ばれないのか。
中学時代のわたしの親友は呼ばれているというのに……となると、結論としてはひとつ。

「嫌われてる」。

 この一言に尽きると思うのですが、けど、わたしそんなに学生時代、嫌われてたかなぁ。
心当りはないけれど……あぁ、でも、もしかしてそんな気もする。

 あれは中学二年の秋のことでした。クラスの中心的人物だった男子に「付き合ってよ」と言われたのです。
まるで兆候などなかった、いきなりの告白に「わたしのこと好きだったの?」と問いただしたところ、返ってきた言葉は「いや、ヤラせてくれそうだから」

 当時はまだ処女であったし、初めては好きな人に捧げたい、というピュアピュアしい願いを持っておりました。
確かにその頃から、将来、官能作家になるくらいのスケベさも持っていましたが、けれど「ヤラせてくれそうだから」と告白をしてくるような軽薄な男になどバージンを捧げたくはない。

 というわけで、お断りしたら、翌日からクラス中にハブにされたのでした。
でも、これわたし、ちっとも悪くないと思うんですけどね。
「ヤラせてくれそう」と思わせたわたしにも、多少は問題があったとはいえ、クラス中を巻き込んでシカトする男とか、本当にくだらなさすぎる!

 よくよく考えてみれば、同窓会に行っても、来ているのはそうやってわたしをシカトしてくれた同窓生たちなわけで。
もちろん仲の良くしてくれた子もいなかったわけじゃないけど、もう二十年も会ってないのだから『今のわたし』について説明するのがこれまた面倒くさい。

 が、三十歳を過ぎたところで、突然、本当に突然に同窓会に誘われました。
せっかく誘ってくれるのなら行ってみようかな……と参加することにしました。というか、正直嬉しかったです。
シカトの罪も全部洗い流してやろうと思ったし、なんなら取材で知った芸能界の裏ネタ話だってしゃべってやるぜという意気ごみで、西武線に揺られて初めての同窓会へと向かったのです。

 会場は駅前の居酒屋でした。わたしがソープ嬢になったと噂されていたとか(風俗誌にインタビューが掲載されていたのを目撃され、それが間違って伝わったらしい)、わざわざ刺繍入りの白ジャージで訪れるヤンキーにうんざりしたりとか、二次会がカラオケボックスでうるさくて話があんまりできなかったりとか。
まぁいろいろと微妙なこともあったけれど、一番胸が弾んだ出来事いえば、中学時代にお付き合いし、Bまでした彼と再会したことでした。

 というわけで、今回ご紹介するのは、葉月奏太氏の著書熟れどき同窓会(竹書房ロマンス文庫)です。

人妻になった同級生に妄想が広がる主人公

大泉りか 官能小説
熟れどき同窓会』/著・葉月奏太/竹書房ロマン文庫


 この物語の主人公はフリーライターの飯島慎吾。
「小説家としてデビューし、成功するまでは帰郷しない」と心に決めていた慎吾でしたが、三十歳になったのをきっかけに、ふと弱気になります。

『いつまでも夢を追っている年じゃない』。

 これからの生活に不安を抱き、故郷を出て以来、初めて望郷の念を抱いているこのタイミングで、高校の同窓会の知らせが届くとともに、かつて憧れ、三年間片思いをしていた学級委員長の白川紗希も参加するという事実を、かつての親友・雄治から知らされます。

 ずっと彼女のことが好きだった。高校を卒業して上京してからも、頭の片隅には紗希の姿がチラついていた。当時の恋人には悪いと思ったが、紗希を思い出すことがよくあった。

 いつも遠くから眺めているだけで、告白どころかほとんど言葉を交わしたこともない。どこか澄ました感じの紗希は高嶺の花といった雰囲気で、ラグビーに熱中して毎日汗だくになっていた慎吾とはまるで接点がなかった。
天使のように可憐だった彼女も、今では人妻になっている。(中略)

(でも、あの頃よりさらに……)
 美貌に磨きがかかっているのは、旦那に愛されている証拠だろうか。
清楚で堅いイメージはそのままに、女性らしい柔らかさを身に着けている。透明感溢れる少女だった紗希は、エレガントな人妻になっていた。(『熟れどき同窓会』P14L7-P15L4)


 片思いの相手だった紗希との再会。
しかし人妻ということで、どうしても頭に浮かぶのは夫の存在です。

 きっと夜のベッドで旦那に可愛がられているに違いない。高校時代の清楚なイメージからは考えられないが、すでに数え切れないほど抱かれているのだ。真面目だった紗希が夜の閨房でどんな反応をするのか、つい想像してしまう。

 声を出すのは恥ずかしくて、ペニスを挿入されても健気に下唇を噛んでいるのだろうか。
いや、元学級委員長とはいえ、ベッドの中でも優等生とは限らない。意外と大胆に腰を振りまくって快感を貪っているのではないだろうか。  なにしろ、三十路を迎えて肉体は熟しているのだから……。
(『熟れどき同窓会』P15L8-P15L14)


 ついそんな邪な妄想をもやもやと抱いてしまう慎吾でしたが、ラグビー部のマネージャーであり、明るく元気だった遥香や、気が強く不良っぽいけれど、整った顔立ちをしているクラスメイトの麻奈美といった女性たちともまた、再会を遂げます。 美しく成長を遂げたかつてのクラスメイトたちに胸をときめかす一方で、わずかに落ち込みをも感じる慎吾。

 地に足をつけた生活を送り、幸せそうな同窓生に比べて「俺はなにをやっているんだろう」と……。
ええ、ええ、わかりますとも、この気持ち。わたしが同窓会で再会した元彼もすでに既婚者、しかも、14歳の子持ちだったのですから。

 次回は後編をお届けします。

Text/大泉りか


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ライタープロフィール

大泉りか
キャバ嬢、SMショーのM女、ボディペインティングのモデルなどの経歴を経て、現在は官能小説家、ライトノベル作家。

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