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  • 2013.06.18

美男と醜女を繋ぐ、金とセックス『そして俺は途方にくれる』(前編)

第9回:渡辺やよい・著『そして俺は途方にくれる』(前編)

ヤリチンとイケメンはセックスが下手

そして俺は途方にくれる 渡辺やよい 双葉社 大泉りか 官能小説
by Tiffany Bailey

『ヤリチンほどセックスが下手』という通説があります。
なぜかというと、ヤリチンが女に求めているのは、たんなる性処理の相手や、攻略する喜びを得ることのできる標的であって、そこでのセックスにクオリティは二の次の話だから。

 相手を満足させるような、技巧的で、献身的で、情熱的な愛撫などは面倒であり「好きでもない女になんでそんなことしないといけないんだよ」というわけです。
むしろ、いいセックスをして、「あのセックスが忘れられない……」などと執着されてはむしろ困る。

 そして、多くの女性は、『気持ちがいい』もしくは『愛情の交流』であるセックスがしたいわけで、ヤリチンとなどセックスをしても「何もいいことがない」と知っている。
なので、ヤリチンに引っかかる女はちょっと痛い。

 しかし、果たしてこれは真実なのでしょうか。

 というわけで、今回ご紹介するのは渡辺やよいさんの『そして俺は途方にくれる』(双葉社刊)
レディコミ作家の渡辺やよいさんの処女小説作品であり、第二回R-18文学賞の読者賞を受賞した作品です。

醜い主人公とヤリチンを繋ぐもの

そして俺は途方にくれる 渡辺やよい 双葉社 大泉りか 官能小説
そして俺は途方にくれる』/著・渡辺やよい/双葉社

 今回の作品のヒロインはかなり強烈。
ひょんなきっかけで知り合ったヤリチンの『俺』こと靖之(21歳)をお小遣いと食事つきで家に住まわせている絵里子(37歳、独身)。
そのルックスはというと……。

 こいつは本物のブタだよな。
 人間と思うと腹が立つが、ブタだと思うと可愛い方なのかもしれない。俺はいつでもきっちり勃起できるので、ゆっくり立ち上がって、ジーパンのジッパーを下げて、熱く固くなったペニスをつかみだしてやると絵里子はうれしそうに四つん這いになって、巨大なケツを俺に差し出す。
 これがまた本当にでかいケツなんだ。しかも幾重にも肉が垂れ下がり、肝心のおまんこが見えやしない。両手で餅の塊をかき分けるようにして、むにゅっと充血したそこを開いて、ゆっくりと入れてやると、「ひぃ」と甲高い悲鳴をもらす。 (『そして僕は途方に暮れる』P6L9-P7L3)

『本物のブタ』とまで言われてしまうその豊満(すぎる)肉体。対して靖之は……。

 十六歳の頃から、女を食い物にして生きてきた。つまり、セックスだけで食ってきたのだ。若さと、月9の主演で評判の若手俳優に似た子犬系の顔と、なにもしなくてもたるまないこの身体にちょっと甘え上手な性格で、寂しいとぬかす女はいくらで食いついてくる。 (『そして僕は途方に暮れる』P2L8―L5)

 というイケメン。絵里子と並べば美女と野獣ならぬ、美男とブタ
そんなふたりをつないでいるものは、金とセックス。
絵里子が靖之の生活の面倒を見る代わりに、靖之は絵里子とセックスしてやっているのです。
あわわ、これって絶対に幸せになれないパターン!

【後半へ続く】

Text/大泉りか

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ライタープロフィール

大泉りか
キャバ嬢、SMショーのM女、ボディペインティングのモデルなどの経歴を経て、現在は官能小説家、ライトノベル作家。

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