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  • 2014.06.14

黒髪ショート美人の恋人にヤリマン疑惑!/『女が嫌いな女が、男は好き』(前編)

女性が自分の体形コンプレックスを許せる世の中になってきたけど…

大泉りか 官能小説 黒髪ショート 女が嫌いな女が、男は好き ヤリマン
ClickFlashPhotos Nicki Varkevisser

『女が嫌いな女』の条件といえば、口が軽い、暗くてネガティブ、ナルシスト、陰口ばかり言う、気が使えない、自慢話が多い、自己主張が強すぎる……等など多岐にわたってありますが、これにプラスして、なぜかその女の対男性評価が高いとなれば、その嫌われ度はさらにぐんとアップします。

 男性の前でだけ態度を変えてぶりっ子する女、女から見ると大してそうではないのに「可愛い」「オシャレ」と男性たちが褒め称える女。
ただでさえ嫌なその女が、過大評価され、モテることに腹が立つ。

 男性は、基本的に自分のことを好いて可愛い態度で接してくれる女性のことは、なかなか嫌いにならないものですし、ちょっとくらいダサくてわかりやすい服装(チェックのミニスカートにニーハイとか……)を『オシャレで可愛い』と思うもの。
もちろん、わたしたちだってそんなことくらいはわかっている。
しかし、自分の美意識やプライドや自信のなさが邪魔をして、そうのうのうとは『ぶりっ子』が出来ない……にも関わらず、なんのてらいもなく、出来る女に嫉妬してしまう。
そう、女の嫌いな女、とは、女がやっかむ女のことでもあるのです。

 というわけで今回ご紹介するのは草凪優著『女が嫌いな女が、男は好き』(祥伝社文庫)です。

 本作の主人公は本山健一、二十九歳。
江戸時代から続く老舗の材木問屋の跡取り息子。
今は営業部の一員として修行中の身だが、将来は百人を超える社員を抱える本山材木店の社長となる身分。
そんな健一の恋人は、同社の事務員である藤崎満里奈、二十六歳。
黒髪ショートカットに、猫のような大きな眼をした童顔の満里奈のことが、好きで好きで仕方ない健一ですが、しかし、この恋人はやっかいな問題を抱えていました。

女性陣から「ヤリマン」と噂され孤立する彼女

大泉りか 官能小説 黒髪ショート 女が嫌いな女が、男は好き ヤリマン
『女が嫌いな女が、男は好き』/草凪優/祥伝社文庫

 「あの子、ヤリマンよ」
 彩子が吐き捨てるように言い、香織が深くうなずいて続ける。
「あの手のブリブリした女はねえ、裏でいろんな男に股ひろげてるに決まってるんだから」
「いやいや」
 健一は苦笑したが、頬がひきつってうまく笑えなかった。
「いくらここが個室だからって、そういう言葉遣いはいただけないなあ。自分の品位を落とすんじゃないかなあ……」
「ヤリマンに一票」
「わたしも」
 彩子と里沙が、シレッとした顔で手をあげる。
「健一さん、あの子と<梶山建築>の社長との話、知ってる?」
「いや……知らないよ……」
 健一はひきつった顔を左右に振った。具体的な名前が出てきて、心臓が縮み上がった。<梶山建築>というのは<本山材木店>と取引のあるハウスメーカーで、社長はタヌキそっくりのメタボな六十代である。
「そこの社長さん、満里奈にご執心だから、わたしたちも込みで一度接待に同席させられたのね。銀座の中華屋さん」
「びっくりしましたよね、もう」
里沙が続ける。
「こーんな丈の短い、パンツ見えそうなワンピース着てきて、社長の隣の席でキャッキャ、キャッキャはしゃいで。全員ドン引きですよ」(中略)
彩子がうなずく。
「それで、社長が帰った途端、いつものツーンと澄ました感じに戻って、ひとりでさっさと帰っていったのよ。あれは絶対、ホテルまでのタクシー代ね」
『女が嫌いな女が、男は好き』祥伝社文庫 P71L14-P74L3)

 いつもマイペースで、集団行動を崩すだけではなく、同僚の女たちには、愛想笑いさえしない。
しかし一転、男の前では笑顔を振りまき、実はチヤホヤされるのが大好きだという『女が嫌いな女』満里奈。
誰にも秘密の社内恋愛中とはいえ、女性陣からのあまりの孤立を見ていられるに間を取り持つつもりの健一でしたが、逆に不穏なリークを受けることになってしまったのです。

【後編に続く】
Text/大泉りか

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ライタープロフィール

大泉りか
キャバ嬢、SMショーのM女、ボディペインティングのモデルなどの経歴を経て、現在は官能小説家、ライトノベル作家。

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