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  • 2016.03.29

「つけてるほうが気持ちいい」究極のコンドームへの道/相模ゴム工業(3)

コンドームはPRが難しい製品。それでも正しい性の知識を届けるために、クラブでのイベントの企画から動物の求愛行動の図鑑まで、サガミオリジナルさんは努力し続けます。日本のセックスを憂うサガミさんの行く先は?コンドームの裏側を覗いてみませんか?

 性産業を盛り上げている企業や人々に、その熱意と仕事をインタビューする新連載!
3回目となる今回は、引き続き、コンドームの製造販売で有名な相模ゴム工業さんにご登場いただきました。

 前回、前々回の記事もあわせてどうぞ!

彼のアソコの熱を感じる!売れすぎて販売休止のコンドームって?/相模ゴム工業(1)
0.01ミリ薄くするのに10年かかる!知られざるコンドームの世界/相模ゴム工業(2)

セーフセックスをテーマにしたイベントを開催

プロジェクトセックス 遠藤遊佐 コンドーム 相模ゴム工業
相模ゴム工業の山下さん

――コンドームに関することってあまり女性の耳には入ってこないですけど、こうやって聞いてみるとすごく興味深いですよね。

山下さん(以下Y):確かにコンドームってPRが難しいんですよ。最近はインターネットやSNSの普及で口コミの威力が拡大してきてずいぶんやりやすくなりましたけど、今でもいろんな人の目に触れるテレビや雑誌では敬遠されがちなところがあって。中高生の目に触れやすいところではやめてほしいっていうのもありますね。

――そういう層にこそPRしないとダメなのに!

Y:でも、いろいろ工夫したPRはしてるんですよ。例えば毎年クリスマスイブに『さびしんぼナイト』ていうセーフセックスをテーマにしたイベントをやってるんですが、初代サガミオリジナルが発売された1998年から始まってもう18年間続いてます。

――18年目ってすごいですね。具体的にどういうイベントなんですか?

Y:新木場にあるagehaっていうクラブで毎年行われるイベントです。クリスマスにパートナーがいない寂しい男女に出会いの場を提供して、楽しく騒いで、できればパートナーも見つけてもらおうっていうのがコンセプト。会場ではサガミオリジナルのサンプルも配ってますよ。昨年は12月25日に開催しました。金曜日だったってこともあって5000人以上の方が来て、大いに盛り上がりました。4年前からは夏季にも『真夏のさびしんぼナイト』というイベントも始めています。どちらのイベントも女性は無料です。

――それは楽しそう! またクリスマスにクラブにパートナーいない人が集まって……って、すごいコンドームの需要とマッチしたリアルなアピールですよね。今の若い人ってセックスをする人と全然しない人と二分化されてる気がするんですけど、音楽イベントやフェスに参加するのはたぶんセックスする層だから、効果的だと思いますね。

Y:イベントを見ていただけるとわかると思うんですけど、すごく明るい雰囲気なんですよ。性に関することってまだまだネガティブなイメージがあるでしょう? でも、来て下さったお客さんたちってみんな元気で、「サガミ!」「オリジナル!」ってコール&レスポンスしてくれたりするんです。そういうの、嬉しいですよね。

動物の素直でシンプルな求愛行動に学びたい

プロジェクトセックス 遠藤遊佐 コンドーム 相模ゴム工業
『ACT OF LOVE』

――他にはどんなプロモーションを考えてますか?

Y:実は最近、『ACT OF LOVE』っていう動物の求愛行動だけを収めた図鑑を作ったんです。草食男子とかセックスレスとかって言われるように、今の人間って愛や欲求について正直に表現できなくなってきてると思うんですね。愛情や欲望を感じても断られたらどうしようとか思ってなかなか気持ちを正直に出せない。でも動物の求愛行動ってもっと素直でわかりやすいじゃないですか。人間もそういう姿を見習おうじゃないかっていう願いを込めました。日本だけじゃなく海外に向けてもアピールしていきたいので、日本語と英語両方で編集してます。

――こういう図鑑を作る裏には、やっぱり日本人の総セックス数が減ってきてるっていう問題があるんでしょうか。

Y:そうですね。女性が社会進出して恋愛やセックスにばかりかまけていられなくなったとか、インターネットが普及して昔とは人間関係のあり方が変わってきたからとか、いろんな環境の変化もあるんでしょうが、セックスの回数自体は減ってると思います。というのもね、うちのHPにも掲載していますが2013年に行った「ニッポンのセックス」っていう調査では、実に20代の男性の4割が童貞だっていうんです。

――ええっ!? 20代っていうと、20歳から29歳までですよね?

Y:そうです。信じられないでしょう? セックス回数も月平均で2.1回ですから、世界的に見ても圧倒的に少ない。他にもこの調査では、今の日本のセックス事情がどうなっているかが分かりますので、是非見ていただきたいです。

究極的には「つけてるほうが気持ちいいコンドーム」を目指してます

――現代人がセックスしなくなってるっていうのは確かに問題だと思うんですが、いちユーザー目線でいうと、男性がめんどくさがってコンドームをつけないとか、本当に避妊が必要な若い女の子たちに情報が十分行きわたってないっていうのも感じます。

Y:うーん、声がかかればそういった層へのPRも是非したいんですよ。例えば性教育の授業で使いたいからサンプルを貰いたいとか、出来る限り協力したいと思いますので、是非声をかけていただければと思います。

――男性がコンドームをつけてくれないって話もよく聞きますね。

Y:でも、どうしても付けたくないという人はごく少数で、ほとんどは「セックスの流れを止められなかった」とか「つけてほしいと言われなかった」とかいう理由なんです。ちなみに店舗でコンドームを購入する人っていうのは男性8、女性2の割合なんですけど、インターネットでの購入割合を見ると6対4で女性が4割にまで上がってくる。女性も、できるなら自分で持っておきたいっていう気持ちはあるんですよね。だからネット通販等女性も買いやすくなるようアピールしていければとは思ってます。

――コンドーム初心者の女性はどんなことに注意して選んだらいいでしょう?

Y:さっきも言いましたが、女性はネット等を利用して購入するケースが多いです。ネットの特質を生かし、じっくり商品を比較してください。中には同じような大きさの箱に入っていても数や価格が違ったりします。
材質だったりコンドームの形(ドット、リアル形状等)やパッケージの好み、家置き用なのか携帯用なのかを総合的に判断して、気に入ったものを選んでもらえればと思います。

――これからさらに新素材のすごいコンドームが出てきたりってことは……。

Y:ここでは言えませんけど、いろいろ開発はしています。もっともっと薄くしたいというのはもちろんですし、究極的には「つけてるほうが気持ちいい」っていうところまでいければと。

――あ、それいいですねえ。そういうコンドームができれば男性も積極的につけてくれそう。媚薬つきとかどうですか? あと……つけてると大きく見えるとか!

Y:考えておきます(笑)。

次回は相模ゴム工業さんのお話をふまえて、「コンドームをつけない問題」について語っていただきます。

Text/遠藤遊佐

ライタープロフィール

遠藤遊佐
AVとオナニーをこよなく愛するアラフォーライター。

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