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  • 2016.03.22

0.01ミリ薄くするのに10年かかる!知られざるコンドームの世界/相模ゴム工業(2)

性産業を盛り上げている企業や人々に、その熱意と仕事をインタビューする新連載「プロジェクト・セックス」! "サガミオリジナル" で広く知られる相模ゴム工業さんにご登場していただいています!出荷量の増減や開発年数、消費期限や相性の悪い液体など、目からうろこの情報が満載!コンドームの裏側をめくってみませんか?

 性産業を盛り上げている企業や人々に、その熱意と仕事をインタビューする新連載!
2回目となる今回は、前回と引き続き、コンドームの製造販売で有名な相模ゴム工業さんにご登場いただきました。

「サガミオリジナル001」が大ヒットを飛ばしたとはいえ、少子化による人口減少で、コンドームの出荷量は減っているそう。
そんななか、相模ゴム工業さんが行っている施策とは…?

 前回の記事と合わせてどうぞ!

コンドームの出荷量は最盛期の半分

プロジェクトセックス 遠藤遊佐 コンドーム 相模ゴム工業
相模ゴム工業の山下さん

――「サガミオリジナル001」(以下:001)は出荷が追い付かないほどの人気だそうですが、コンドーム全体の出荷量も増えてるんですか?

山下さん(以下Y):うーん、これが残念なことに2000年以降はずっと右肩下がりなんです。少子高齢化とかセックスレスだとか男性の草食化とか、社会的に性のパワーが低下してきてる背景があるんでしょうね。これまでの歴史でいうと、一番出荷量が多かったのは1970年代のベビーブームのとき。その後だんだん減ってきてたんですが、1980年代にエイズ問題がクローズアップされてまた少し上がって……でも1990年代に入ってからはずっと減ってますね。今は最盛期に比べると半分くらいになってしまっています。

――人口が半分になったわけじゃないのに。

Y:そこはやっぱり少子高齢化ですね。4人に1人は高齢者だっていうでしょう。65歳以上の人はなかなかセックスしないんですよ(笑)。だから我々はもう国内だけ見てたら成り立ちません。いかに海外に向けてプロモーションをかけるかを常に考えてますね。

――海外というと、やっぱりアジアの爆買いですか?

Y:それもありますし、あとは欧米ですね。欧米の夫婦や恋人同士のセックスでコンドームを使うという文化があまりなくて、風俗で性感染症を予防するためにつけるものっていう位置づけなので、薄いからといって普通のコンドームの倍以上の値段がするものを買ったりしないんです。じゃあどういう部分で受け入れられているかというと、さっき言ったアレルギーに有効な点ですね。アレルギーをお持ちで反応が強い方ですと、下手するとアナフィラキシーショックで亡くなる場合もあるようです。ポリウレタン製のサガミオリジナルならその心配はありませんから。

実はNG!? コンドーム×ベビーローション

プロジェクトセックス 遠藤遊佐 コンドーム 相模ゴム工業
サガミオリジナル002

――あの、今値段のことが出たんですけど、「001」て一般のコンドームよりそんなに高価なんですか。

Y:普通のゴムのコンドームは一箱10個とか12個入りで1000円くらいからなんですけど、ポリウレタン製のコンドームはその約倍の値段ですね。「002」が6個入りで1000円、「001」になると5個で1200円。一個約250円ですね。中国なんかで出回ってるものと比べてしまうと確かに高いです。でも、それでも「日本製は安心して使える」っていうことで皆さん買っていかれます。

――確かに私たちがコンドーム使うとき、破れる心配ってほとんどしないですもんね。

Y:「破れてしまった」っていうお問い合わせも稀にあるんですよ。でもそういうのは、パッケージを破くときに一緒に商品まで破いてしまったとか、先っぽを尖った爪で破損してしまったとかいうのがほとんど。注意事項を読んで正しく使ってもらえれば基本的に安心だと思います。

――十分濡れてないまま使うと、摩擦でもろくなるって話も聞いたことあります。

Y:そうですね。意外に多いのが、潤滑油代わりによくわからない油……バターやオリーブオイルなんかを使っちゃったっていうパターン。ポリウレタンと油って親和性が悪くて明らかに劣化するのでNGです。

――バター! でもやっちゃってる人意外にいそう……(笑)。ちなみに「これは相性最悪!」っていうものあります?

Y基本的に油はダメです。ベビーローションとか。

――え、ベビーローションもダメ!? エロマンガじゃガンガン使ってるのに!! あぶないあぶない。

Y:あと、一応コンドームの消費期限は5年ってことになってますんで、そのへんも注意してくださいね。

――5年で一箱か……我が家じゃ使いきれないかも(泣)。

0.01mm薄くするのに10年かかるコンドームの世界

――コンドーム作りは単純なようで時間がかかるって言ってましたけど、開発段階から製品になるまでってだいたいどれくらいかかるんですか?

Y:サガミオリジナルの場合だと、最初に企画があがったのが1964年で、サガミオリジナルが発売されたのが1998年だから、30年以上ですね。

――えー! 1964年ていったら白黒テレビの時代じゃないですか!!

Y:当時はベビーブーム真っ只中で、まず製品を次々作って市場に出すのが第一だったので、新素材の開発にあまり力を注げなかったんです。なので、実質的に本腰入れて開発にとりかかったのは1990年頃。初代のサガミオリジナルが発売されたのが1998年で、「002」が7年後の2005年。そのときにはもう0.01mmの開発を視野に入れていたんですけど、全国発売されたのは2014年ですから、結局「002」から「001」には10年近くかかってるってことになります。

――0.01mm薄くするのに10年! 気が遠くなる話ですね。

Y薄さと強度を両立させるっていうのが大変なんですよ。人の人生を左右する商品だから、薄いだけじゃなく基準をしっかりパスするものじゃなきゃいけない。開発の者によると身を削るような作業だったそうです。

――じゃあ、「001」がヒットしたときは嬉しかったでしょうね。

Y:そうですね。コンドームの出荷量って2000年以降減少し続けてるんですけど、2013年と2014年に少しずつ上向いたんです。それって爆買いとかの影響もあるんでしょうが、うちが0.01mmを出したり、オカモトさんがゼロワンを出したりした時期とリンクしてる。コンドームという商材がこれほど話題になったのは、過去に例がないことだと思いますし、ちょっとした社会現象になったのかなと感じています。

次回は相模ゴム工業さんが着用率向上のためにおこなっているPRや、商品開発について語っていただきます。
Text/遠藤遊佐

ライタープロフィール

遠藤遊佐
AVとオナニーをこよなく愛するアラフォーライター。

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