0.01ミリ薄くするのに10年かかる!知られざるコンドームの世界/相模ゴム工業(2)

 性産業を盛り上げている企業や人々に、その熱意と仕事をインタビューする新連載!
2回目となる今回は、前回と引き続き、コンドームの製造販売で有名な相模ゴム工業さんにご登場いただきました。

「サガミオリジナル001」が大ヒットを飛ばしたとはいえ、少子化による人口減少で、コンドームの出荷量は減っているそう。
そんななか、相模ゴム工業さんが行っている施策とは…?

 前回の記事と合わせてどうぞ!

コンドームの出荷量は最盛期の半分

プロジェクトセックス 遠藤遊佐 コンドーム 相模ゴム工業 相模ゴム工業の山下さん

――「サガミオリジナル001」(以下:001)は出荷が追い付かないほどの人気だそうですが、コンドーム全体の出荷量も増えてるんですか?

山下さん(以下Y):うーん、これが残念なことに2000年以降はずっと右肩下がりなんです。少子高齢化とかセックスレスだとか男性の草食化とか、社会的に性のパワーが低下してきてる背景があるんでしょうね。これまでの歴史でいうと、一番出荷量が多かったのは1970年代のベビーブームのとき。その後だんだん減ってきてたんですが、1980年代にエイズ問題がクローズアップされてまた少し上がって……でも1990年代に入ってからはずっと減ってますね。今は最盛期に比べると半分くらいになってしまっています。

――人口が半分になったわけじゃないのに。

Y:そこはやっぱり少子高齢化ですね。4人に1人は高齢者だっていうでしょう。65歳以上の人はなかなかセックスしないんですよ(笑)。だから我々はもう国内だけ見てたら成り立ちません。いかに海外に向けてプロモーションをかけるかを常に考えてますね。

――海外というと、やっぱりアジアの爆買いですか?

Y:それもありますし、あとは欧米ですね。欧米の夫婦や恋人同士のセックスでコンドームを使うという文化があまりなくて、風俗で性感染症を予防するためにつけるものっていう位置づけなので、薄いからといって普通のコンドームの倍以上の値段がするものを買ったりしないんです。じゃあどういう部分で受け入れられているかというと、さっき言ったアレルギーに有効な点ですね。アレルギーをお持ちで反応が強い方ですと、下手するとアナフィラキシーショックで亡くなる場合もあるようです。ポリウレタン製のサガミオリジナルならその心配はありませんから。