「惚れたら負け」という落とし穴にはまる

 年下の男の子に告白されて交際を始めた友人は二週間もしないうちに破局を迎えた。
そんな失恋の後は友達とワインを持ち寄って反省会をするのだが、なぜか毎回同じ結論にたどり着いてしまう。
告白されたはいいものの、別に相手のことが好きなわけではない。
それでも、特別嫌いなわけでもないから流れに任せて付き合ってしまう。
恋愛しているうちにどんどんギャップが広がって、そのまま流れに任せて別れてしまう。その繰り返しである。
しかし、それがわかっていてもなかなか抜け出せない。次の朝にひどい頭痛になるのはわかっていても、勢いでワインをゴクゴク飲んでしまう心理に近いのかもしれない。

 恋愛をしたい人は山ほどいる。
出会いがどんどんインスタントになっていく時代、多くの人は様々な手段を尽くして愛し合える誰かを求めている。
しかし、大多数の人は心のどこかできっと傷付きたくないと考えているだろう。
痛みを前にすれば誰だって少しはビビる。痛い思いをしないで済むならそっちを選びたくなる。
その痛みをよく知っている人なら尚更自分を守りたくなる。それはとても人間的な考え方だ。
そして、その恐怖心のせいで動けずにいれば、安全な範囲内でできる恋愛だけを選ぶようになる。
つまり、楽な恋愛をどんどん求めてしまう。