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  • 2016.03.07

間違いだらけのセックスでもいいじゃない

LGBTのためのコミュニティサイト「2CHOPO」の記事をご紹介!トロントに暮らすゲイのキャシーさんのセックスや恋愛に関するコラムです!今回は「間違い」について。何かを間違えることに対して怯えてしまうと何も出来なくなってしまいませんか?

LGBTのためのコミュニティサイト「2CHOPO」の記事をAMでご紹介させて頂けることになりました!
今回は、キャシーさんの「セックス・アンド・ザ・キャシー」の記事です。

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キャシー

「どうすればいいかマジでわからない」

 セックスの最中、そんな壁に打ち当たることがよくある。
ありとあらゆる男と遊んできたはずなのに、次の一歩がわからない。
あんまり硬直していると、向こうに気付かれてこれまでに築いたセクシーな空気が台無しになってしまう。
しかし、もうやることは一通りやった。ここからどう動けばいいのだ。
頭の中は真っ白。早く顔も真っ白になってことが終わればいいのに。
冷や汗が止まらない。
思えば、この感覚は初めてではない。
学生時代、授業中にも冷や汗をよくかいた。

 大学卒業も間もない頃、留学に備えて今更英語のクラスに参加した。
周りはみんな自分より若い。それなのに英語ペラペラだ。
そんなことを気にしてたら、急に先生から質問をされた。
しかし、周りの視線が気になってなかなか答えが出てこない。
自分の答えには自信がない。
間違ったことを言って笑い者になるのは嫌だ。
どうすればいいかマジでわからない。
沈黙のまま考え込んでいたら、余計に注目を集めてしまった。
カチカチに固まった自分に気付いたのか、その先生はこんな言葉をかけてくれた。

「正解なんて心配しなくていいから。君の意見を聞かせてよ」

 そんな風に言われたことなんてなくて、ビックリした。
いつもの授業なら、正解を得た人が褒められて、間違えた人はスルーされるか、周りから笑われる。
下手すれば落第だ。
だからできるだけ正解をもらおうと必死だった。
そんな正解が持ち上げられる教育で育ってきて、いきなり自分の意見を聞かれたって余計困る。
自分の意見と正解は一緒じゃなくてもいいだなんて、誰も教えてくれなかった。
授業の後、その先生が話しかけてきた。


「もっと肩の力抜いて、間違えることを楽しめばいい」

 シンプルに聞こえて、実に難しい。どうすれば間違えることを楽しめるのだろうか。
授業だけではなく、社会の中では様々な場所で正解を求められる。
間違えることはダメで、恥ずかしくて、避けたいものだ。
セックスだってそうだ。
少しでも間違えれば下手というレッテルを貼られてしまう。
それを今更楽しめだなんて、悪い冗談にさえ聞こえてしまう。
さて、回想をしていたらすっかりセックスが気まずくなっていた。
心配そうにこちらを見つめる相手と目が合った。
少しの失敗を気にするあまり、全然セックスを楽しめていない自分がそこにはいた。

 新しい人とセックスをする度に、ゼロからのスタートとなる。
自分と相手という生まれも育ちもきっと違うふたりの人間が、どう絡み合うのかはやってみるまでわからない。
試行錯誤がなければ、何も学べない。
何も学べなければ、セックスが気持ち良くなるわけもない。
正解を見つけることばかりに気を取られて、間違えることを恐れていては、何も楽しめない。
今更自分の中に植え付けられた恐怖心を取り除くのも大変なので、もう開き直ってしまおう。
間違えることに怯えている自分に手を伸ばして、友達になってみよう。

「間違ってもいいじゃん!」

 そう声をかけて、できることを試してみればいい。
それが成功すれば、そこからまた別の道が見つかるだろう。
それが失敗なら、また違うことを試してみる。
好奇心も誘い出してアドベンチャーに出ればいい。
大事なのは、お互いが楽しく気持ち良くなれるかどうかだ。

「大丈夫?」

 痺れを切らした相手の声で現実に戻って、またセックスを再開した。
まだ冷や汗はかいているが、良い汗も混じっていた。

Text/キャシー

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