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  • 2015.01.08

「ビッチで何が悪いの?」性を謳歌してない=もはやお前は死んでいる/椿鬼奴主演映画『ビッチ』イベントレポ(2)

ビッチ、女性向けアダルト動画サイト、SILKLABO、エロメン…状況が1年で変わる女性の性を、湯山玲子、祖父江里奈(テレビ東京プロデューサー)、田口桃子(SOD)が語ります!第二回は、女性向けの性感風俗についても言及しています!

ビッチ
『ビッチ』DVD

 アラフォー芸人・椿鬼奴さんが、現代女性のさまざまな性を追った映画『ビッチ』のDVD化記念上映会のイベントレポートをお送りします。
<前編はこちら>

 イベント「ビッチで何が悪いの? ~現代女性のセックスの真実~」は、11月8日に下北沢B&Bで行われました。
登壇者は、原作となった『ビッチの触り方』著者であり脚本も手がけられた湯山玲子さん、監督の祖父江里奈さん、そしてソフト・オン・デマンドの女性向け動画サイト『GIRL’S CH(ガールズシーエッチ)』の田口桃子さんです。女性の性の現在について語りました。

女性のマスターベーションも今は別腹

AM 湯山玲子 ビッチ 祖父江里奈 田口桃子 GIRL’S CH


湯山玲子さん(以下敬称略):前提としてなんで女の人がマスターベーションすることを言えなかったかというと、男がいなくて、代替としてやっている寂しい悲しい女という物語が非常に強かったからですよね。
今でも大衆的にはそう思っている人も多いけど、「それは別腹だよね」と女の人もわかるようになってきた感じですかね。

祖父江里奈さん(以下敬称略):それこそ女ニー会(※女子オナニー会談の略)のまなさんが映画の中で言っていたように、彼とのSEXをもっとよくするためのオナニーじゃなくて、オナニーを楽しむためのオナニーをしているんだということですね。

湯山:そうですね。私も女ニー歴は長いので、ずっとそう思って生きてきたんですが、ただ実際話してみるとそうじゃない女性も多いんですよね。分断されている感じ。

田口桃子さん(以下敬称略):性のことに関して女性は特に言い訳を必要とするんですね。男性日照りという理由でやっていると思われたくないから綺麗になるためにやっているとか、たまたま道具をもらったから試してみたとか。

湯山:たまたま、エッチなサイトに行き着いてしまった、と(笑)

セックスは危険?それとも完全に遊び?
女性のセックス観


湯山:女性にとって性が厄介である側面としては、忘れちゃいけないけど、セックスって妊娠するんですよ。

 今はセーフセックスが前提なことや、愛し合ったら身体を求め合うのは当たり前だということで、セックスする=結婚ではなくなっている。
男性も責任は取らなきゃいけないんだけど、割と出しっぱなし。
女性は確実に責任を取らなきゃいけないので、そこが、どうしたって、女性にとってあっけらかんと性がプレイフル、遊戯的にならないところだよね。

祖父江:どれだけ避妊が発達したって最終的にリスクを負う可能性がある。
映画内でビッチとして出演していた方も、ピルを飲んでいてもそれは絶対に言わないと話していました。思ったんですけど、奔放な人ほど自分を守っていますよね。

田口:私の友達でヤリマンがいるんです。経験人数は3桁で、この日までに何人とヤるというような目標人数を年初に立てているほどの(笑)
ただ、その子は毎年エイズ検査に行って性病も全部検査している、というのをモットーにしていましたね。

湯山:女性と男性の性の非対称について、男性の書き手の方と話したことがあって。
彼は素人女性とガンガンにヤッている性豪なんだけど、自分の意志でヤるという女性のヤリマンの存在は嘘だと彼は言っていたんです。

 そういう風に見せていても関係を持つと情が移ってきて「アナタが最後の男」だと言いがちだと言っていて、アレ?そうなのかなと思いましたね。
女からすると『SEX AND THE CITY』のサマンサのように自分の意思の元にバッサバサと男を選んでいってほしいと思ったのだけど。
性豪がそう言っているということはそうなのかな?と。ただ、それも5、6年前の話で当時40代後半の男性の言なんだけど。

祖父江:変わってきたと思いますよ。ただ、相変わらず保守的というかスタンダードな方もいて、一方で奔放にやっている方々も確実に増えてきていて、二極化してきていると思います。

 知人でもビッチは確実に増えています。彼氏がいるときは他の人とヤラないとかじゃなくて、家庭とは別に楽しむためにヤる。
本当に笑っちゃったんですが、「セフレの彼が私を好きになっているっぽくて面倒臭いから切る」って言っている子がいて、完全に男目線だな、と。

湯山:時代が変わったというのもひとつですし、そもそも女性と男性は性が非対称だというけど、そう思われているだけでドンドン同じようになっているように感じます。
例えば、紋切り型の月9のストーリーの中で、友人同士の二人の男が同じ女とヤっちゃって「兄弟だ!」というシーンがありますよね。
それを反対に友人同士の女が同じ男性とヤったと聞いたら友情が壊れるっていうじゃないですか。でも実際はというと、それが壊れないんだな~!

祖父江:壊れないんですよね!不思議とね。

湯山:若いときからつるんでいて、今でも仲いい女同士のグループがあるんだけど、共通の知り合いの中に、車持っていて金持ちでヤリチンの男がいたの。
その人、後年グループほとんどの女性とヤッてたことがわかったんだけど、発覚した瞬間に女たちでそいつのダメ自慢が始まったんだよね。その時、男の人は穴兄弟っていうけど、サオ兄弟な感じがしましたね。

祖父江:私30になったのですが、その感覚はあります。
ただ、そんな会話ができるようになった反面、そういう会話ができない層もまだ多数派なんですよね。

どこの会社にもビッチはいる


田口:結構最近は男性の方が女々しい感じがあるなと思っていて、どこの会社にもヤリマンがいるじゃないですか。

湯山:そう、銀行にも、外務省にも(笑)。

祖父江:ヤリマン同士はお互いを助けあうんですよね。みんな口が堅い。
でもそのビッチとやった男のほうがポロッともらしちゃうことが多いですね。自慢したがるというか。
冷静に考えたら社内の誰とヤッたと言おうが何の評価にも繋がらないじゃないですか。でも男性は言っちゃいますよね。

湯山:そこだよね。口が堅いかそうじゃないかって。
私の周りの世代の人達は気をつけていますよね。だから業界内や東京内は難しいなと。

女性が金で性を割り切ること


湯山:かつて、広告代理店のプロジェクトで女性の欲求に関して分析する会が合ったのだけれど、1番多かった意見の違いは、「女の人は金銭的に割り切ってセックスすることが出来ないんじゃないか」ということでしたね。
私はそれに対して「違う」と言っていて。というのも、40半ばでモテる女性の友人が、彼氏がいなくて日照ってしまった時期に「セフレは難しい。関係を持つと相手がストーカーになったり被害にあうことがあるから、いっそのことお金の関係にしたい」と話していたんです。
それって、もう男を「買う」ことですから。

 もうひとつ、女性向けの風俗の難しさは、女性がセックスしたい理由は色々あって、それこそ今添い寝フレンドが増えているといわれているように、「肌を温めていい子いい子してもらうこと」から、「ガンガンの本番セックス」までの間にすごいレイヤーがあるから、均一化できないという問題がある。

 女の人はうるさいので、ホストやレンタル彼氏といったサービスを提供する側は女性が何をしてもらいたいかという思考をものすごく読んで、それに合う細かいサービスをしなきゃいけない。
単に抜くサービスと違って、こういうことができる男は限られるから、コスト的に難しくて破綻するよね、と言っていたのが5、6年前。

 ただ、この映画を撮っていくうちに、特に女性向け性感マッサージ「ヒメシエスタ」の細やかなサービスをみて、これなら大丈夫だなと思いましたね。十分成り立っている。
(※詳細はぜひ映画DVDを!)

祖父江:性感マッサージのシーンがいいところで切れていたと思うんですが、R指定をつけないと公開できなかったんです。
うちのテレビ東京側の了承が得られず泣く泣く切ったシーンです。(※イベントでは未公開シーンが上映されました)

「ヒメシエスタ」のミズキさんは紙袋にワインやグラスを入れてホテルに持ってくるんです。女の子がシャワーを浴びている間にいい香りのアロマを漂わせたり。
最後まで描ききっている作品はないので知られていないのですが、女性向けの性サービスの内容はかなり充実しているんです。
お金を払えばここまでやってくれるということが、映画内に入れることができなかった。
それこそ金で欲を満たすということが、これだけダイレクトに女性へのサービスとして行われているということをできれば伝えたかったです。

質問タイム


祖父江:お時間も迫ってきました。質問ございますか?

質問者①:映画の最後に「Bitch or Die」って出たと思うのですが、なんででしょう?

祖父江:あれはですね、本当は「ビッチで何が悪いの?」って入れたかったんです。
ビッチっていうとすごくふしだらな女だとかイメージがあるんですが、この映画で言いたかったのは自分の性を前向きに、積極的に楽しむという目線で「ビッチ」という単語を使っていたので、本当は「ビッチで何が悪いんだコノヤロー!」というメッセージを入れたかったんです。

 ですが、「あまりに露骨過ぎやしないか」という意見が構成会議で出まして。今更どうしてだろうと思ったのですけど、「せめてもうちょっとそこはオシャレにかっこ良く行った方がいいのでは?」と言われたので「Bitch or Die」になった経緯です。あまり面白くなくてすみません。

質問者①:「Bitch or Die」だと椿鬼奴さん的な性に前向きじゃない人を否定する感じに感じたので、その両方いたら良いなと思いました。
すごくビッチな人もいていいし、性を謳歌しなくてもいい。オナニーが増えればいいのかなって気がします。

田口:その話に関しては、先ほど皆さんともしていて、性を謳歌する生き方も良し、謳歌しない生き方も良し、ということですよね。
私のような女性向け動画サイトをやる立場の人間は、これからはそういう視点も持たないといけないなと思いました。

祖父江:この作品では割とイケイケな人たちだけを扱ったので、それはもっともな意見だと思います。
主義主張がハッキリしている作品なので、私自身も初めてドキュメンタリーを撮るにあたって、あえて自分に不都合な要素は落としていったところはあります。
報道する立場なので、テレビを作るときは反対意見もいれますが、映画をせっかく撮らせていただくということで批判も覚悟で、自分の主張をシンプルに表現するように撮りました。

湯山:「Bitch or Die」でいいと思うんです。
人間として生まれてくると性器を持っていますよね。器官があるから、性という行為自体は生きるということと同義語。
だとすると、それがあるにも関わらず、無いことにしてしまう欺瞞をするのなら、それはある種人生全てをフル回転で生きていない。死んだと同じじゃない?という。
性ということを自分の中に持って生まれて、それを謳歌し、認め、活性化させることがビッチだとしたら、それをしないで無いものにするなら、もはやお前は死んでいる、とも言えないことはない。

祖父江:私の描写不足かもしれませんが、オナニーで性を楽しむ人も、BLで性を楽しむ人も、自分の性を楽しんでいるという意味においてはビッチだと表現したかった。
頑張ります。悔しかったのでDVDのパッケージの裏は「ビッチで何が悪いの?」に戻してあります。

質問②:高齢処女を映画で取り扱った意図は?


祖父江:性に対して過激になっている一方、積極的になれない人もいて。振り切ると言いながらも、どうしても積極的になれない側も描きたかったんです。
どうしてかというと、結局ヤッてもヤラなくても女の人はセックスに囚われているんです。
処女の方が「普通の人ができるのになんで私はできないんだろう」と仰っていて、彼女たちはヤれないことに悩んでいたから。
だから結局女の人はヤッてもヤラなくてもそこに苦しめられるんだな、と。

湯山:人間、全部そうですよね。性器を持って生まれているゆえに、その悩みはデカイですよ。
もう1ついうと、高齢処女は昔だったら性欲の捌け口は全くなくて、19世紀くらいはヒステリーって症例で現れたり、やっぱり性の力ってすごいんです。
それはやっぱりオナニーがあればいいんじゃないんでしょうか? 処女でずっと豊かなオナニー脳内世界を持っていればその人の性の世界はそれで成立していると思います。
私は両方あったほうがいいと思いますけどもね。それがそんなに難しいんなら、あきらめて、自家発電で満足してもいい、と。

田口:うちのサイト、処女に関する問い合わせも多いんです。
自分が処女であるという告白文を送ってくるユーザーさんもいますし、「彼女が処女だったらどうする?」というテーマを扱ったバラエティや、女優さんのロストバージンものの動画も人気があって再生回数が多いんです。
あとは、それと同じくらい、「イク・イカない」についても女性は悩んでいて。

祖父江:ご出演されていたヒメシエスタのミズキさんが、私にサービスをしてあげたいとずっと言ってくれているんです。
行ってくればいいんですけど、私も男性との行為中にイッたことがなくて、ミズキさんとやったらイカされてしまいそうでもったいない!

湯山:(笑)。それは面白い。

祖父江:処女の人は処女喪失にファンタジーを抱いているじゃないですか。私は初めてイクことに第二のファンタジーを抱いているんです。

田口:それわかります。

湯山:そこから開放されたほうがいいです。
なんかのアンケートで見たんだけど、30代40代処女が増えているってところで、彼女たちの理由が、「最初は愛する人とヤりたい」っていうのはほぼ不可能だと思った方がいい。
たぶん、アナタの愛する男は、そういう重い欲望を持った女を毛嫌いするはずだから(笑)。

田口:オナニーもセックスもそうですけど、ヤるごとに感度が増すという人が多いと思うんですよ。
相手が誰であれ1回イッてみないと、いざ好きな人とというときもイケないんじゃないかと。

湯山:万里の長城もレンガの一個から、ってことですよ(笑)。

祖父江:(笑)そろそろいいお時間が来ましたね。
DVDが売っているので良かったら買って行ってください。本当にたくさんの人に拡散していただけたら嬉しいです。本日はどうもありがとうございました。