• sex
  • 2014.12.24

1年で激変する女子の性の状況を解説!椿鬼奴主演映画『ビッチ』イベントレポ

ビッチ、女性向けアダルト動画サイト、SILKLABO、エロメン…状況が1年で変わる女性の性を、湯山玲子、祖父江里奈(テレビ東京プロデューサー)、田口桃子(SOD)が語ります!

ビッチ
『ビッチ』DVD

 アラフォー芸人・椿鬼奴さんが、現代女性のさまざまな性を追った映画『ビッチ』のDVD化記念上映会のイベントレポートをお送りします。

 イベント「ビッチで何が悪いの? ~現代女性のセックスの真実~」は、11月8日に下北沢B&Bで行われました。
登壇者は、原作となった『ビッチの触り方』著者であり脚本も手がけられた湯山玲子さん、監督の祖父江里奈さん、そしてソフト・オン・デマンドの女性向け動画サイト『GIRL’S CH(ガールズシーエッチ)』の田口桃子さんです。女性の性の現在について語りました。

☆現在、湯山さんがデザイナーの信藤さんと共同キュレートしている音楽イベントのチケットが下記にて販売中! ぜひチェックしてみてくださいね!

12/30「新ニッポン無責任時代 大忘年会1230」開催!八代亜紀御大&UAも出演、超豪華ラインナップでいよいよタイムテーブルも発表!前売5,900円 各プレイガイドにて発売中・13時開場 恵比寿ガーデンホールにて・詳しくは→http://daibounenkai.jp

1年で激変する女子の性と 映画『ビッチ』について

湯山玲子 ビッチ 祖父江里奈 田口桃子 GIRL’S CH
左から祖父江里奈さん、田口桃子さん、湯山玲子さん

湯山玲子さん(以下敬称略):1年前に一度、祖父江さんと二人でやったトークショーで、しゃべり尽くしちゃったので、今回はゲストを呼びたかったんですよね。でも田口さんには前のイベントにもぜひ出てほしかったですね。なぜなら女の子の性の状況って1年1年激変しているので。
もう「TENGA」って普通に言えますよね、私たち。
ネットの論調も、AMさんやサイゾーウーマンさんを見ていると前は恐る恐るだったけど今は性の話題は当たり前。
「TENGA・iroha」を土台に話さないとついていけなくなったのはいつ頃からなのだと思ったりするんですよ。

 それでは本題に入りまして、映画ご覧になってどんな感じでしたか?

田口桃子さん(以下敬称略):映画内に出てきた女性向け性感マッサージの『ヒメシエスタ』さんは、私たちも「大人の社会科見学」という企画内で取材させてもらいました。
ただ、ビックリしたのが映画に登場したヒメシエスタのお客様が25歳の大学院生だということですね!

湯山:スタイルのいいKコちゃん。

田口:あんなに若くて男性に不自由してなさそうな子がなんで性感サービスを頼むのかが1番気になったというか。

祖父江里奈さん(以下敬称略):コースの中に、バージンデビューコースというのもあるんです。
ここでバージン捨てちゃうんだ、というのはちょっと衝撃でした。
だけど、確かに自分から積極的に行ける子ばかりじゃないから、性にお金を払うことのハードルが下がっているのならバージンデビューがヒメシエスタというのも悪くはないのかな、と。

湯山:今は大学生処女だけじゃなくて、30代処女、40代処女もパーセンテージを稼いでいるでしょ。
わかる気がするんだよね。アグレッシブな肉食ではない普通の子は、世の中のストーリーに従って、現実的な性的行動の態度は受け身で「待ち」でしょうからね。そうなると、そこに男性の押しが全く無かったらずっと処女で行くのは必定。だからここにある危機ってすごいなと。

 なんでこんなこと言うかというと、TOKYO MXの『バラいろダンディ』の映画のレギュラーを10月からしているんですが、昨日のテーマがアメリカの「プロムパーティー」だったんです。
プロムはアメリカの成人式みたいなもので、どんな人でもドレスアップして、男の方から女の子を誘ってペアでいかなきゃいけない。
エスコートする男と守られる女というスタイルが社会参加の伝統行事としてずっとあるんですよね。
プロムのようなものがシステムとしてあれば、それを利用してやっちゃうこともできるんだろうけど、今の日本にはないですから。

 私達の頃はまだあったんです。今みたいにカラオケもなく、若者と言えばみんなディスコに遊びに行って、チークタイムでそうなっちゃうの。
イケてない子がディスコにいけないかというとそうじゃなくて、クラス全員で行っていました。グジャグジャとした中でみんなチークにも参加してましたね。

祖父江:いつまでの話ですか?

湯山:すぐ無くなりましたよね。ハウスミュージックがかかるクラブになってからは、皆無だし、イケイケのジュリアナはお立ち台こそ合ったけど、カップルでのチークタイムは消滅。
ハウス以前だから85年には無かった。10年持たなかったカルチャーですね。

田口:男女雇用機会均等法が出てきて、女性が十分に働けるようになってしまったから、男性が仕事やお金で女性をぐっと囲い込むことができなくなってしまっていますよね。

湯山:女の人の経済的自立を阻止して、依存させて、その代償のひとつがセックスというのはイエ制度の中の結婚の裏事情だから、その取引システムが今は成立しなくなったから大変ですよね。
その背景をもとにした、誘う男、誘われる女だったわけだから、その根本がゆらいでしまったら、物語としてどうやって男女関係に持っていくのかが問題。
女の人はずっとあぐらをかいて受身の姿勢ですが、男性から恋愛をしかけていくのはすごく難しい気がしますね。

高橋がなり社長の目論見
女性向けアダルト動画について

湯山:ところで、女性向けアダルト動画のマーケットって、ソフト・オン・デマンドの高橋がなり社長が見つけて、結構力を入れていますよね。
実際にガーッと始めたのはいつ頃からなの?

田口:高橋がなりから聞いた話だと、10年くらい前から「女性がアダルトを見る文化を作る」という構想があったそうなんです。
だから当時から女性社員の登用も積極的にしていて、ご存知の方もいるかもしれませんが、菅原ちえという女性のAV監督もソフト・オン・デマンドに入社して育てられて、監督デビューという流れで、このような取り組みは当時から今までずっとやっているんです。
そのきっかけが15年ほど前で、「女性が男性を攻めるAV」のジャンルが売上げの半分を超えたことです。

湯山:男性がマグロのほうね。

田口:ですのでその当時から、男性がどんどん待ちの状態になるから、女性が積極的に性を求めるようになるだろうと目論んで仕込んでいたそうです。
具体的に動き出したのが2009年。女性向けアダルトビデオのメーカー「SILK LABO」が立ち上がりました。

祖父江:当時私は『極嬢ヂカラ』(テレビ東京)でディレクターをやっていました。
女性向けの割と攻めた深夜番組です。そのときのプロデューサーから「最近『SILKLABO』というものができたらしいよ。『anan』の付録にDVDでついているみたい」と聞いて注目したのを覚えています。

田口:『anan』のSEX特集にDVDの付録がつき始めたのは2006年の5月でしたね。

湯山:あれは強力でしたよね。すごかった。即売り切れだったし、普段女性誌を読まない広告代理店の男とかも買っていた。
半分は男子が買ったんじゃない?「湯山くん!あれは男でも充分抜ける!」と言っていて、買おうと思ったんだけど手に入らなかったですね。
『anan』の編集部でも関係各所に配りまくってもう在庫が無い状態で。

田口:そうですね、1発目はすごい衝撃が有りました。
ただ、それでもまだ女の子はちょっと手が出しづらかったんですけど、次に拍車をかけたのはスマートフォン。家族を気にせず自由に見られるし。

湯山:そうですよね。そもそも、家庭ビデオの普及も、エロの力が後押ししていましたからね。
なんであんなに家庭にビデオが普及したかというとオヤジたちがAVを観たかったってだけで。今はスマホやタブレットがあればベッドの中で観られますから、昔は本、今は動画で観ていますよね。
それを男性じゃなく、女性もするようになったと。

女性向けアダルト動画サイト
「GIRL’S CH」の立ち上げ

田口:ちょうどそのころ2013年の1月に「GIRL’S CH」というサイトを立ち上げました。
当時はガラケーの人も多かった時代でしたが、この2年でほとんどスマホになり、その後押しもあって現在は月間130万人利用者がいるサイトになりました。今は毎日10本ずつ動画をアップしています。

祖父江:見たんですがすごかったです。当初、女性向けAV動画は正直少しヌルいな、という印象があったのですが、ふとこのあいだ「GIRL’S CH」を見たらすごい過激になっていて、この数年で何があったの!と。

湯山:実は女性向けマーケットはすでに成熟していたんだけど、社長は男性だと、どうしても無意識に「これは違うだろ」と心理的操作が働いてような気がする。時期早々だろう、と。
でもそれがそうでもないっていうことが実際にわかって、GOが出たんでしょう。元々の男性向けもフェチでいうと、すごいバリエーションありますよね。
女性も愛あるセックス、なんて言うのではなく、けっこう即物的な、あれぐらいまで行くんじゃないかという予測が立ったんじゃないですか?

田口:これは私の仮説なんですが、まだまだ男性ユーザーがほとんどであるAV業界全体で見たとき、SILK LABOというのはある種のフェチメーカーといえると思うんです。
男性向けのAVになかった、ソフトさ、イケメンAV男優、しっかりとしたストーリー、というのはAV全体のマーケットで見たらすごくフェチのジャンルだと分類することができると思うんですが、そこについてきたのがたまたま女性だったのかなと。
それからどんどんSILK LABOを観る人が増えてきて、SILK LABOが女性向けAVの代名詞的な存在に成長して、見る側に女性向けとはこうだという型ができちゃったんじゃないかと思うんです。
誰も押し付けてはいないんですが、観ている人の中で「女性向けのAVはこうあるべき」とユーザーの中で勝手にイメージが膨らんで、ソフトであるべきとか、男優はイケメンじゃなきゃダメとか。
でもそれが全部の女性の意見かというとそうでもない。

 そこで、そうじゃない女性の捌け口を探そうというときに、女性自身どういうAVを観たら満足できるのかが自分ではわからなかったという現状があったので、それを探る場所を作るという目的で「GIRL’S CH」ができて、ハードなものや笑えるものにも取り組んで毎日動画をアップしていったという感じですね。

女性の物語がわからない男性と ダイバーシティな女性の視点

湯山:女の人はポルノを観るときに女に感情移入するとは限らないんですよね。
ガンガンに攻めている男の視点で観たり、GoogleEarthみたいに鳥の目で観たり、受ける側にスイッチしたり、読み手の感情移入が女の人は多様性がある。
すなわち、ダイバーシティなんです。

 実は今『男をこじらせる前に』という書籍を書き下ろしているんですが、取材で男性に話を聞いた時にビックリしたことがあって。
男性が主人公のマンガありますよね、例えば『花の慶次』を読んでいるとき、私は慶次に入り込んで興奮します。『進撃の巨人』でも男性主人公に感情移入する。『スラムダンク』だったら女子マネージャーに感情移入はせず、三井に感情移入する。
ただ男性の場合、女主人公には感情移入しないんだそうです。女の人は男の物語に関して自分も男になりきる読み方をするんですが、その逆は無いんです。
例えば『アナと雪の女王』のエルザに共感した男性います? いないんですよ。そこがデカイんです。
女流文学というのは「女の主人公なので男の人は感情移入できません文学」なんです。
これは今のダイバーシティ、バイリンガル性において、男の人はハンデですよね。女の物語がわからない。

田口:無料なのにうちのサイトに男性が来ないのはそういうことなんですね。

シチュエーション萌えから直接的な萌えへ

湯山:7、8年前に、デザイナーの男子から、「湯山さんこれ資料で買ったけどいらないからあげる」とBLを大量にもらったんです。
執事と伯爵…みたいなのは知っていたんですけど、とんでもなくて!ショタコンというのか、少年と男の人の組み合わせで局部丸出しなの。
だから、その7、8年前の時点で、女の子は「関係性に萌える」というよりもっと直接的なところに行っていると思ったんです。
映像もそうなってきているんですかね。

田口:そうですね。

湯山:そもそも、男性と女性で萌えるところは違うと言われていましたが、それって今はどうですか?
「男性は視覚的でおっぱい出せばOK」、「女性は前戯や、セックス中での言葉や空気といったことに欲情して、男性ほど記号的に強くない」という話でしたが、私はそれもそろそろ外れる気がするんです。

田口:まさしくその通りですね。サイトの視聴傾向を見ていると、ここ2、3ヶ月の人気ワードは「絶頂」「エッチ」がタイトルに含まれているものなんです。
それまでは「イケメンの先輩に口説かれて」みたいなシチュエーション萌えが上位にあったんですが、最近は女の子が感じている様子が入っているものがいいとか、行為そのものが入っているものがいいというのがあるようです。

湯山:行為の中の本当のところに欲情するんですね。なるほど。
1つ思い出したのが、田辺聖子原作の『ジョゼと虎と魚たち』という映画ですね。池脇千鶴さんと妻夫木聡くんの名ベッドシーンがあるんですが、その時妻夫木くんの身体がバーっと赤くなるんです。
「コイツ本気だ」と、思って、彼の大ファンになっちゃったんですけれど(笑)。
そういう風に、本当に欲情している様子にシンクロしてマスターベーションするということですね。

【次回に続きます】

今月の特集

AMのこぼれ話

アンケート

読者アンケート

AMではより楽しく役に立つサイトを目指すため、読者アンケートを実施しております。 本アンケートにご協力お願いします。

アンケートはこちら