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  • 2014.11.26

双子対談「ジェンダーフリーに育ったらこうなった」元モデル・アルテイシア弟の性事情(5)

アルテイシアさんの弟との対談(最終回)です!ジェンダーフリーの家族に育ったメリットとは?「カラフルな世界の方が楽しい」など、赤裸々な二人の話がとてもタメになります!

 3人目のゲストは、私の双子の片方である実弟K(38歳、出版関係)

 幼少期から「双子なのに見た目も性格も全然違う」と言われてきた私たち。
弟は岡田将生似のイケメン(身長180cm)で、若い頃はモデルをしていました。
性格は穏やかで物静か、草食を通り越して植物のような存在感。
そんな彼との対談、最終回です!

 前回の<「男の幻想を砕け!セックスするのに意味なんかない>もどうぞ。


【第5回】男女の区別が一切なかった家庭


アルテイシア 魁!セックス塾 童貞 イケメン 草食 ジェンダーフリー ネグレクト 性 セクシュアリティ こじらせ ゲイ レズビアン
by Zeitfixierer

アルテイシア(以下、アル): 前回<性をタブー視する環境で罪悪感を刷り込まれて、性嫌悪症っぽくなっちゃう子もいる>と話したけど。
親に純潔教育された女友達は、兄は放任主義で門限もなく家事も手伝わなくてOKで、彼女はガチガチに良妻賢母教育を受けたらしい。
うちは男女の双子だけど、そういう区別は一切なかったよね。

K:なかったね。家事の手伝いも勉強も習い事も全部同じだったし。
「男の子だから」「女の子だから」とか言われたこともない。

アル:あと赤ちゃんの時の写真を見ると、2人とも黄色のペアルックを着ている。服の仕分けが面倒だったからだと思うけど(笑)。
私も「女の子なんだから」「女らしくしなさい」とか言われた記憶が一度もない。それってあの世代では珍しいのかも。

K:母の積年の恨みが理由なんでしょ?
お祖父さんが男尊女卑な人で、男兄弟が優遇されていたのが我慢ならなかったっていう。

アル:そうらしいね。あと母は料理も家事も嫌いで良妻賢母タイプじゃなかったから…つか、元スケバンだから(笑)、私に「女の子は料理ぐらいできないと」とか言わなかったのかも。で、結果的にジェンダーフリーな環境で育ったと。
そして「男女が逆だったらよかったのに」と言われる双子に。

K:たしかに僕は料理も家事も好きだけど、同世代の男の中では少ないかも。
同棲していた彼女が全く料理できなくても「得意な方が作ればいい」と思っていたし。

アル:彼女の方が年収やキャリアが上でも平気なんでしょ?

K:そういうのを気にする男が理解できない。そもそもなぜ比べるんだろう、自分の仕事を頑張ればいいのにって思う。
あと子どもの頃から、バイクや車にも全然興味なかった。アルみたいにヤクザ映画も好きじゃなかったし…っていうか嫌だったし。

アル:すまなかったな(笑)。あとキミ、十代の頃スカート履いてなかった?

K:あれは女装じゃなくパンクファッション。自分で服を作るのにハマっていたから。

アル:私はキミみたいにオシャレに興味なかったわ。顔もろくに洗わない女子高生だったし。

K:アルの旦那さんは生まれてから一度も顔を洗ったことがないんでしょ?

アル:うん、シャンプーを流す時に泡で洗浄されるからいいらしい。
キミがうちに泊まった時、スキンケアセットを持参しているのを見て「ア○ウェイか?」と疑っていたよ。

K:そうそう。旦那さんに「飼っているクワガタを見せてあげる」と言われて「僕、虫は苦手で…」と言ったらショックを受けてた(笑)。

アル:あんたにクワガタ見せるの楽しみにしていたからな(笑)

お姫様願望がまるでなかった


アル:子どもの頃、ディズニーのお姫様とかに憧れたことがないんだよね。つねにアクション映画の強いヒロインに憧れていた。
中学時代『プリティウーマン』が大ヒットした時も「クソつまんねえ!結局、男は金で女は顔かよ」と思ったし。 

K:高校の文化祭で若貴兄弟のコスプレしてなかった?

アル:まああれはデブだったしな。しかも若乃花でブスの方だった(笑)。
もともとお姫様願望がなかったし…あと小学生の時にジュリアナブームを見て「チャラチャラ着飾って男に媚びて最悪だな!」と思った。昔からそういう性格だったんだろうな。

K:僕は中高時代にフランス映画が好きで、メンノンのモデルやジョニー・デップに憧れて、漫画だと『バナナフィッシュ』にハマって…周りの男友達とは全然違った。周りは女性アイドルとかヤンキー漫画やバトル漫画が好きだったから。
そんな自分は異端だと思っていたけど、それで悩んだりはしなかった。

アル:「自分は自分」と思っていた?

K:うん。大学に入っても女の子やセックスに興味なくて、9割の人に「ゲイだよね?」と言われたけど気にしなかった。「男らしくしなきゃ」とか思ったこともないし。

アル:それって珍しいみたいよ。ゲイ扱いされると悩む男子は多いらしい。

 私も「女らしくしなきゃ」って悩んだことないんだよね。周りの男に「もっと女らしくしろ」とか言われても「何言ってんだ、コイツ馬鹿か」と思ってたし。
それってジェンダーフリーに育った影響もあるのかも。のびのびと自分を貫けたというか。

K:でも自分はそれが自然だからよくわかんないよね。べつに特別とか思ってないから。

アル:そうそう。私もだいぶ大人になってから「自分はジェンダーの刷り込みとやらが薄いらしいぞ」と気づいた。

カラフルな世界の方が楽しいし生きやすい


アル:十代の子からよく相談をもらうんだよ。
<私は女友達みたいにオシャレや恋バナに興味がなくて、ずっとショートヘアだしズボンが好き、こんな自分は性同一性障害じゃないか>とか。

K:それは飛躍しすぎだよね。まあ、十代は周りとの違いに悩むんだろうな…。

アル:私の好きなエピソードがあってさ。
手芸好きの北斗晶さんはプロレスラー時代、マイ竹刀入れを手作りしてたらしい。それって手芸もプロレスも好きで、自分の好きなことをしているだけなんだよね。
女らしいとか男らしいとかじゃなく「北斗さんらしい」ってこと。

北斗晶 エンターブレイン kamipro
kamipro No.146/エンターブレイン

K:うん。僕も「キックボクシングをやってる」と言ったら「意外と男っぽいんだな」とか言われて。ゲイっぽい・女っぽい・男っぽいとか、なんでいちいち分けるんだろうと思う。
世間が決めた基準にあてはめようとするよね。

アル:ジェンダーフリーってミスリードされがちでしょ?「女に男らしくなれ」「男に女らしくなれ」って思想じゃないのに。
むしろ全然違って「女=赤、男=青って二色に分ける必要はない」って思想だから。
赤・青・黄色・緑・紫…って、いっぱい色があるカラフルな世界の方が楽しい。自分の色は自分で選べる世界が生きやすいよねってこと。

K:そうだな…僕がゲイと言われても悩まなかったのは、ゲイに嫌悪感とか一切ないのも理由かも。
友達に誘われて二丁目のゲイバーに行っていたけど、周りの男は「絶対ムリ」って引いていたよ。

アル:私も大学時代にバイの女友達と同居していたんだけど、それを話すと引く人もいて、引く意味が分からんと思った。一番引いていた子は、両親ともバリバリの保守派だった。

K:でも敬虔なカトリックの家庭で、反動で息子がゲイになるとかもあるよね。

アル:うちの母は反動型だよね。反動にせよ、刷り込みにせよ、親の影響は受けるんだろうな。

K:世代も大きいよね。歌舞伎町でバイトしていた時は、おじさん達のゲイ差別がひどかった。

アル:私も女装子ちゃんとバーで飲んでいたら、オッサン共が入ってきて「オカマがおるぞ!」って騒いでさ。キレようとした瞬間、若い子達が一斉にそいつらを睨みつけて退散させた。

K:若い人の方がモラルがあるよね。おじさんも色々だけど…やっぱりゲイってだけで「狙われそう」とか言う人が多い。

アル:テメー脳みそ何ビットだ?って思うよね。
その女装子ちゃんも「俺、男はムリだから」とか言われるらしいけど、そもそも彼女の恋愛対象は女だから。
性別は男だけど性自認は女で、ゆくゆくは性転換を望んでいる。で、恋愛対象は女。女として女が好きなので、性指向としてはレズビアン。

K:セクシュアリティって複雑で一括りにできないよね。
「オネエ」とか「ゲイ」って呼ばれても、みんなそれぞれ違うんだから。

こじらせている余裕がなかった


アル:あと男らしさや女らしさで悩まなかったのは、もっと大きな悩みがあったからじゃないか?

K:うん。僕はとにかく父親が怖かったから、それ以外で悩む余裕なかったというか。「どうやってこの家から脱出しよう?」ってそればっかり考えていた。
(解説/両親の離婚後、中3から弟は父と暮らし私は母と暮らした。父はDVで母はアル中、両家庭ともネグレクト。絶縁後も父にお金を騙しとられたりと色々大変でした)

アル:私も「このままでは母親を殺すか自分を殺してしまう、早く脱出せねば」って思っていた。で、18歳で家を出たら「学費や生活費を稼がねば」って現実問題があったから。
生きるのに必死で、女性性とかこじらせる余裕なかったかも。

K:僕もバイトと勉強でギリギリだったけど…でも風呂なしのボロアパートに住みながら、すごい開放感を感じていたよ。
原付の音がすると父親が家に帰ってくる記憶が蘇って、気分悪くなったりしたけど。

アル:おお、わかりやすいPTSDの症状だなあ! 

K:でも「もう一生父親に会わなくていい」って心底ホッとした。
18歳から会ってないって話すと「冷たい、親が可哀想」とか言われるけど。「どっちが可哀想なんだ」と思うけど、わからない人にはわからないから。

アル:そうね。これだけ虐待のニュースがあっても「子どもを愛さない親はいない」とか、自分の常識を押しつけてくる人はいるから。
私も母が亡くなった時にホッとしたけど、「もう火山の噴火に怯えずにすむ」って感覚は、経験した人にしかわからないんだよ。
『母が死んでホッとした』とコラムに書くと「最低ですね」とかコメントもつくけど「救われました」って感想もいっぱいくるから。どんどん書いていこうかなと。

K:僕はこういう話、姉以外とはしないからなあ。

アル:したくないの?

K:いやべつに。聞かれないからわざわざ話さないだけ。

アル:だったら話すといいよ。すると「実はうちの家族も…」って打ち明けてくる人が多いから。
「誰かに話したいけど、引かれそうで話せない」って苦しむ人はいっぱいいるんだよ。そういう人は、話すことによって救われるから。

K:そういえば、大学の同級生に「ゲイでMだ」ってカムアウトされた時に「おまえは引かなそうだから話した」って言われた。
その彼に誘われて二丁目のSMイベントに行ったら、彼は乳首に針を刺されて、天井から吊り下げられていたよ。

アル:あれすごいよね。複雑な形に縛られて吊るされて、シルク・ドゥ・ソレイユみたいだよね。 

K:シルク・ドゥ・ソレイユ(笑)。

アル:よし、最終回なんでまとめよう。
親には恵まれなかったが、気の合う弟がいてよかったなと。我々の気が合うのは、ジェンダーフリーかつネグレクトの成果かもしれないので、まあ結果オーライってことで。
とりあえず、飲みに行くか!

K:ハイ、行きましょう。

―――今後も多彩なゲストが登場します♪

アルテイシアさんが恋愛と結婚の極意を語る『恋愛デスマッチ』を当連載と隔週で更新しています。あわせてお楽しみください!

Text/アルテイシア

恋愛とセックスで幸せになる 官能女子養成講座 アルテイシア
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ライタープロフィール

アルテイシア
作家。

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