今回お話を聞かせてくれたのは、おっとりした話し方が印象的な雑誌編集者・Aさん、25歳。
一回目、二回目、三回目はこちら。
期せずして2回連続での腐女子インタビューとなったこのコラム。
“オタク女子”とか“腐女子”って言葉にネガティブな印象を持っているつもりはなかったんですが、前回お話を聞かせてくれたCさんも今回のAさんも小綺麗でとても可愛い女性だったのには、やっぱり少し驚いてしまいました。
いや、だって私が学生だった頃の腐女子の印象って、異様に地味だったり、男装してたり、ノーメイクで黒ずくめのゴスロリ服着ている感じですもん。(下手したらヒゲまで生えてた)
男×男の恋愛に萌えると言いながらも彼氏と一緒に住み、どぎついエロマンガでオナニーし、編集者という忙しい仕事をもこなすAさんは、まさに今どきの腐女子。
ただひたすらボーイズラブの世界にのめりこむのではなく、いろんなチャンネルを持ち、それをしっかり使い分けているという印象です。
それを感じたのは、まずこのくだり。
BLはオナニーのオカズにはできない!
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Aさん:(オナニーのオカズは)BLじゃない普通のエロマンガ。
私はBLでは絶対にヌケないので、同人誌のエロ漫画がダウンロードできるサイトをスマホで見てしてます。あとはAVのサンプル動画。
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「BLが好き。でもBLをオナニーのオカズにはできない」というAさん。
私は腐女子ではないけれど、この気持ちなんとなくわかります。
濡れ場のあるロマンチックな映画を見ると胸がキュンキュンするけれど、オナニーしたいとは思わない。
むしろ、そんなイイ場面を前に股間をおっぴろげて電マを使うなんて、自分が愛する世界を汚すような気分になってしまう。
「本当に好きな女の子はオカズにできない」という中学生男子的なアレです。
Aさんにとってもそれは同じ。BLは“萌え”で、男性向けのエロマンガやAVは“エロ”という住み分けができているんでしょう。
そういえば、話はちょっとズレますが、女性って“エロ”にお金を使いません。
この連載で話を聞いた女の子たちも、お金のかからない妄想やネットの無料動画をオカズにしている人がほとんどでした。
BLやジャニーズといった“萌え”には惜しみなく散財するのに……エロを愛するAVライターとしては、少し寂しい気もします。
聞いた話によると、女性向けAVで人気なシルクラボのファンも、作品を見ながらオナニーする人は少数派なんだそう。
難しいと言われる女性向けAVの市場で成功しているのは、“エロ”じゃなく“萌え”を大事にした作品作りをしているからなのかもしれませんね。
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