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  • 2012.12.05

執事喫茶で出会った男の子と巨大なビーフ

 こちらの連載では、少年アヤちゃんが東京各地を散歩しながら、その時に感じた・見たものを写真日記風に語っていきます。ぜひアヤちゃんと一緒に散歩気分を味わってみてくださいね♪ 
読み進めていくうちに、各地域別の男女の様子が浮かび上がってくるかもしれません。

執事喫茶にぶっこみました!
巨大すぎるビーフと勝手にトイレに立てない掟

少年アヤちゃん 恋の東京散歩

 日頃、男性から何かサービスをしてもらう、ということに慣れていなさすぎて、いざされると非常に罪悪感を感じてしまいます。
一応「されたい願望」はあるんですが、それ以上に申し訳なさとか、居心地の悪さの方が勝ってしまうんです。
これってなんなんでしょう? 病気?

 そんな乙女心をこじらせた女子達が、池袋の地下に集合し、こっそり羽根を広げていると聞いて、某執事喫茶に潜入してきました。
平日の昼間でないと予約の取れない超人気店です。

少年アヤちゃん 恋の東京散歩
ウェ〜〜〜〜イ

(※ここからは撮影禁止なので、うすらぼんやりとした記憶を頼りにイラストでご紹介します)

 おそるおそる中に入ると、早速イケメン執事のGさん(仮名)が現れました。
小柄で細身で妖精のようなルックスは、執事というよりやんちゃな弟のよう。
音にすると「ぴょこん!」って感じ。むしろぴょこんとしすぎている。そんな彼が、私たちのテーブルを担当してくれる事になりました。

 案内されてテーブルに着くと、まず様々な説明を聞かされました。
その中で一番驚いたのは、「トイレに立つ時でも執事を呼ばなければならない」というルール。
なんだよそれ! 全然乙女心を分かってないじゃないか!
しかも、執事を呼ぶにはベルを鳴らさなければならず、つまりチリンチリン=オシッコのサインと店内中にモロバレなわけです。
周りを見ると、どうしても尿道が耐えきれなくなってやむを得ずベルを鳴らしたのであろう女子たちのほとんどが妙な照れ笑いを浮かべていて、せっかく救いを求めて来たこの空間で、こんな思いしたくなかったよね!!と同情したくなりました。

 おまけに、トイレから戻る時も勝手に戻るのは禁止で、担当執事が気付くまでドアの前に立っていなければならないという屈辱の連鎖が!
これのどこがお嬢様だ!!! こうなったら皆で尿瓶デモを起こすしかないわ! みんな、尿瓶を持って池袋に集合よ!!!


少年アヤちゃん 恋の東京散歩
もう少しイケメンだった気がする

 怒ったらお腹が空いたので、Gさんに「とっても美味しいですよ」とオススメされたビーフシチューを注文しました。
この際、居酒屋のようにまとめて注文しようとしたら「一人一人お願いします!」とちょっとキレ気味に言われてしまい、「あ、すみません」従いながら見上げた彼の笑顔にモヤッ。
なんだろうこの気持ちは…。

 シチューは思った以上に本格的で、パンのサイズも丁度良かったですが、肝心のビーフに問題がありました。
それは異様に固くて噛みにくく、やむを得ず飲み込んだら窒息しそうになったほど巨大だったのです。
その横に添えられたサラダはまた異様にダサく、なんというかサイゼリヤですら盛りつけには気をつけているのに、そこだけシンプルな「男子ごはん」状態でした。
 一緒に頼んだ紅茶は「器にもこだわった」そうで、やたらと得意気に紹介されましたが、そこにこだわるくらいならサラダをオシャレに盛れ・もしくは一人でトイレに行かせろと叫びたかったです。

 また、この紅茶も例によって自分でつぐのは禁止になっており、ビーフが喉に詰まって死にかけている最中もポットには触れませんでした。
だって、Gさんの機嫌を損ねてしまいそうな気がしたから…。

ねらい目は照れの残った大学生タイプの執事
男子のゴッコ遊びに付き合う感じで楽しもう

少年アヤちゃん 恋の東京散歩
パン・ケーキ・ださいサラダ・ビーフのまずいシチュー

 食後は、ようやくゆっくりと執事さん達を観察しました。
ルックスのレベルはハッキリ言って全員普通ですが、そんなことは問題ではなく、大切なのは執事の恰好をした男の子たちを大量に見られるということだと思います。
そこに感謝しましょう。

 また大きくタイプ別に分けると、Gさんのように設定に入り込んでいるタイプ(V系っぽい)と、まだ照れの残っている大学生タイプに分類することができました。
個人的には、思いっきり照れている後者の方がタイプですが、このタイプは例えば私が明らかにオカマであるとか、横にいる女性編集者の性欲が強そうだとかを察知すると途端に態度に表します。
本当に「オエ」みたいな顔で…。
そんなところも男子っぽくてかわいいですが、ブスとかデブとか特徴のある人は覚悟した方がいいと思います。彼らはそれを隠すことができません。

 

 客層は想定以上に濃厚で、特にファンの間で「魔窟」と呼ばれているシングル席からは妖気すら漂っていました。
終始無表情のゴスロリ女子や、なぜかずっと特定の執事を睨みつけている遠野なぎこ似の美人など、どの人もキャラが濃く、『人生・色々』を肌で感じました。

 その後、とうとうベルを鳴らしてトイレに行くことになったのですが、やはりニヤニヤを浮かべるしかない状況になってしまい、かなり恥ずかしかったです…。
そして恥ずかしがっている客を見て内心嬉しそうな執事男子たちを見ていたら、テーブルについてからずっと味わっていたモヤモヤが晴れました。
それは、「サービスを受けている」というより、「サービスをした気になっている男子達に付き合ってあげている」という感覚からくるものです。
実際、この数十分間に味わった数々のルールを思い巡らせてみても「トイレに勝手に行くな」とか「トイレから勝手に戻るな」とか「お茶を勝手につぐな」とか明らかに注文が多すぎだろ子供か。
ちょっとでも破ると不機嫌になるし、まるで亭主関白(ワガママ)にでも捕まったような気分になるではないですか。

 けど、むしろ「男子のゴッコ遊びに付き合う」というのがこの店の本質なのだとしたら、俄然愛せそうな気がします。
何より、お遊戯目線で改めて見た男子たちのまあなんと愛らしいこと! 気取った顔や、照れた顔も全てかわいく思えます。

ムリな敬語もかわいい。緊張した目元もかわいい。
恋心より、それ以上に始末の悪い母性のはけ口として使うには最適のお店だと思いました。

 と、ようやくこの店の魅力が分かったところで時間が来てしまい(制限時間80分)、最後に勇気を出してお気に入りの執事を呼んでみたところ、びっくりするくらい全力で無視されてしまいました。
日本男児のサービス精神なんて所詮こんなもんです。
ショックで泣きながら店を出ました。

【次回池袋篇第二回に続きます】

少年アヤちゃん 恋の東京散歩
池袋には割と溶け込むアヤちゃん

プロフィール
大泉りかさん 少年アヤさん 犬山紙子 脱ブス

少年アヤちゃん

平成元年、消費税と共に生まれたブスでニートのオカマ。サゲマンJAPAN代表。 ヤフオクで生計を立てる傍ら、ブスと環境をテーマにしたトークイベントなどを主催。モテない女に関するツイートやブログの文章が、現在多くの女性から支持を集めている。
ブログ:少年アヤの尼のような子
ツイッター:@omansiru



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ライタープロフィール

少年アヤちゃん
平成元年、消費税と共に生まれたブスでニートのオカマ。サゲマンJAPAN代表。

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