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  • 2012.11.11

勝手にタレント名鑑:田中みな実はプロレスの“ヤオガチ論争”である

田中みな実へのスタンスを表明するという困難

By Trang Angels
©By Trang Angels

 TBSの女子アナ・田中みな実。
本名を、田中・エイミー・みな実といいます。
本当です。

 料理人の世界では「オムレツを作らせればそのシェフの実力がわかる」と言いますが、文筆業界では「田中みな実のことを書かせればそのライターの筆力がわかる」と言われています。

 嘘です。ちっとも言われてません。いま適当に考えました。
ちなみに、オムレツうんぬんのくだりは、『美味しんぼ』からの完全な受け売りです。

 しかし、田中みな実に対してどういうスタンスを取るかについては、宇宙船地球号の乗組員である私たち一人ひとりが、真剣に考えねばならない非常に難しい問題であることもまた事実です。

 
「田中みな実っていけすかないよね~」というのはたやすいでしょう。

 ウルウルさせた上目づかいとパーフェクトなアヒル口。
彼女のブログ「田中みな実のみなはっぴー」では、自我撮りとともに「髪の毛をおろしてみましたよん」、絶品のオムレツを食べて「真似っこして作ってみたいな♪」と猛禽アピールに余念がありません。

 男好きのする要素を前面に出して媚びたおし、女の悪い部分を煮詰めて煮しめて煮こごらせたぶりっ子の結晶体のようなキャラは、「同性からの支持」をハナからドブに捨て、上から痰を吐きかけるがごとき潔さを放っています。

 その徹底した確信犯ぶりからは、物わかりの悪いブスと、うがってひねくれた非モテ男子は最初から相手にしないのだ、という堂々たる覚悟がうかがえます。

「わざとでしょ?」と言っちゃうのはヤボ!             

By Rob Boudon
©By Rob Boudon

 しかし、あそこまでやられてしまうと、真っ向から批判するのがまるで野暮で無粋なことのように思えてくるから不思議です。

「田中みな実ってあざとすぎて嫌い」と言うのは、「グレート・ムタって武藤敬司のことでしょ?」とか、「タイガー・ジェット・シンって本当はいいヤツなんでしょ?」とわざわざ言ってしまうくらいダサいことなのです(意味がわからない人はお父さんかプロレス好きの彼氏に聞いてみましょう)。

 「みんな、わかっててプロレスを楽しんでるのに……なんでそれ言っちゃうの?」ということですね。

 それでは、「田中みな実、逆に好き」というスタンスはどうでしょうか。

 ただでさえ女子アナは、美貌も学歴もあるのに、さらにキャリアと名声と金とモテまで手にしようとする欲深い職業、と世間からは思われています。
そんな逆境にあって、さらにヒール役に徹する彼女のポジショニングは、相当の度胸と覚悟が必要です。

 そのせいで、エグいほど反感を買い、クソほど陰口を叩かれ、おびただしい嫌がらせを受けたに違いありません。
知りませんが、たぶんぬかみそに漬けたタンポンとかを匿名で送りつけられたこともあったでしょう。

 それでも、彼女があのぶりっ子キャラをまっとうし、「EX大衆」に載るために(かどうかは知りませんが)フランクフルトをほおばったり、口の周りをソフトクリームでベタベタにしているのだと思えば、そのプロフェッショナルな仕事の流儀は敬服にすら値します。
「ずっと~さ~がして~いた~♪」
スガシカオの高らかな歌声が聞こえてくるではありませんか。

ガチでもヤオでも、思いたいほうに思えばいい             

 しかし、だからといって「田中みな実が好きだ」と胸を張って言い切れるほど、残念ながら私たちはまだ成熟していません。
なぜなら私たちには、彼女の仕掛ける“プロレス”にわざわざ乗っかってあげる義理も大義名分もないからです。

 したがって、「田中みな実? かわいいじゃん」とあえて意思表明することは、物わかりのいいフリをして、自分の器の大きさをアピールしているようにも見えてしまうのです。

 プロレスの“お約束”をネタにして笑うのは、もう古い。
かといって、一周してあえて“お約束”に乗っかる楽しさをみんなが共有するには、まだ早い。
ここに、田中みな実を好きとも嫌いとも言いづらい、現代のジレンマがあります。

 さて、そんな彼女に、オリエンタルラジオの藤森慎吾との真剣交際が発覚しました。

 彼女のことを、「ああ、しょせんああいう男と付き合うような性根の軽い女だったんだな……」と思うこともできるでしょう。

 しかし、彼女が仮に野球選手とでも付き合っていたら、世間から「やっぱり女子アナは……」と思われていたに違いありません。
あえて藤森を選ぶことで、彼女は“女子アナ”とは別の“田中みな実”という新たなカテゴリのタレントとして独立し、女子アナ全体の品格とイメージが落ちることを、わが身を挺して“守った”と考えることはできないでしょうか。


 根拠なんかありません。
そう思ったほうがおもしろいから、思うだけです。
私たちには、田中みな実を嫌う権利も、好きでいる自由も、どちらも等しく与えられているのですから。

 だから、田中みな実も、プロレスも、相撲も、アイドルも、バラエティも、ドキュメンタリーも、“ヤオ(八百長)か、ガチか”を問うことはおしなべて不毛です。
すべては、そう思ったほうがおもしろいから、思うだけ。
恋愛もきっと、そうなのではないでしょうか。

 ちなみに、加藤綾子、高島彩、大江麻理子……誰を答えても「ケッ」と思われそうな「好きな女子アナ」問題ですが、私は、「プレステージの素人モノAVに出てきそう」という理由で、TBSのマスパン(枡田絵理奈)が好きです(ピンとこない人はお父さんか彼氏に以下略)。

Text/Fukusuke Fukuda

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ライタープロフィール

福田フクスケ
フリーライター。“くすぶり男子”の視点から恋愛やジェンダー、セックスなどを考察。

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