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  • 2012.10.18

あたたかみのあるウッド調のお家 小倉絵美さん(スタイリスト) 松林亮さん(グラフィックデザイナー)カップル宅

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 連休の昼下がり、学芸大学にあるレトロなマンションの一室を訪ねると、「あんまり人に見せられるような部屋にはしてないんですが……」と謙遜しながら入れてもらった玄関には、ハイブランドの個性的な靴がずらりと整列! 靴好き女子ならたまらないラインナップ。またまた、そんな謙遜しちゃって、バッチリモード系なお部屋になっちゃったりしてるんじゃなくって?…と本丸に乗り込むとそこには、なんだかゆったりした時間が流れていて……。

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玄関には、ディスプレイのように置かれた“ロジェ・ヴィヴィエ”、“ジュゼッペ・ザノッティ”などシューズデザイナーの靴がずらり。「亮さんのは?」と聞くと、「あ、僕のは見せられるものじゃないんで、下駄箱に(笑)」。

「自分たちの暮らしにとって何が必要か」を考える“思いやり”

 トップモード誌を中心に、クールなスタイリングを披露しているスタイリスト絵美さんと、グラフィックデザイナーの亮さん夫妻の部屋は、80年代初頭に建てられたレトロな雰囲気を生かし、ナチュラルで暖かな住まい作りが優しい。

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ドライフラワーとビール瓶の上には2人の写真が。マスキュリンなものとフェミニンなものなのに、なぜかしっくり。2人の間にある感覚の近さを感じられる。
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絵美さんの仕事机は好きなもので囲まれている様子。猫アイテムには目がないそう。

 部屋選びは「熱心に探してくれるから…」と、知り合いから紹介された不動産屋さんに2人で相談。「僕は、仕事でほぼ会社なんでいいんですけど、絵美は自宅作業も多いから広いほうがいいなと……」と亮さんが話す通り、占有面積はなんと70㎡超え(キャッチボールやろうとすればできますよね……)。とにかく広い3LDKを使った余裕のある空間作りに終始圧倒されるものの、それは撮影直前など荷物の運び込みが多い絵美さんの仕事を考慮し、広さを最優先で探してもらったそう。住まい選びにも相手へのちょっとした思いやりが見えて、ほっこり。

「料理はできるほうが、できるときに担当する」という夫婦が毎日使っているダイニングテーブルの上や、部屋のあちこち、ベランダにもあふれている緑の世話は2人で。暖かな雰囲気の木目調インテリアに彩りを添えている。「花は私が買ってきます。近くにいいお花屋さんがなくって少し離れたところにお気に入りの花屋があるので暇を見つけて行ってます。花買う瞬間って楽しいじゃないですか! いつもテーブルに花があるようにはしています」と絵美さん。前回の記事で土谷貞雄さんが「生活の感度」について「自然など有機的なものが常に視線にはいってくる(こと)」と語っていたように、ベランダにも緑がいっぱい。水を毎日替えて、枯れたら掃除をしなければいけない切り花も、毎日水をやらなければいけないベランダの鉢植えも、生活に瑞々しさを出してくれる嬉しいアイテム。毎日が多忙な2人の生活に、ちょっとした余裕が垣間見られる。

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緑のある生活は、生活のちょっとした“なごみ”に欠かせない。

趣味が同じだから“もめない”部屋探し&住まいづくり

 インテリアを2人で選ぶと、大抵テイストがバラバラになってしまうため、結局どちらかのセンスに合わせるか、もしくは個人の趣味はそれぞれの部屋で発揮して共有部分はどちらかに任せるといった折衷案がいいところ。家具や調度品選びで、もめなかったのか聞いてみた。「それぞれが買ってきたものを置いても、自然となじんだんですよね。そこはラッキーだったかも」。住まいの趣味が一緒だから、優先順位も同じ。フローリングやキッチンの床の柄など、微妙な違いで好きか嫌いかが分かれるところもすんなり決まったそう。家具の色ひとつとってもひと悶着あったりするようなカップルからすれば、羨ましい限り。

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2人とも裸足好きのため、フローリングだけでなく和室もあることを第二希望に選出。「ちょっとダサい気もしますが」と言いながらも畳の上にベッドを置くのは、快適さのため。レトロな雰囲気の演出にも一役買っている様子。

 結婚して3年目。高校でクラスメイトだった2人が、卒業後数年を経て東京で出会い交際がスタート。結婚式はもちろん2人の地元である鎌倉で。生まれや育った環境も共有していて、かつ大人になる前のお互いを知っているからこそ、リラックスした夫婦生活を送れているのかも、と語る2人は、お互いの「暮らし」への考え方も共通点が多い。でも、それ以上に他の誰かのための「快適さ」ではなく、あくまで2人のため「快適さ」を求めていることが部屋づくりに感じられて、撮影中もスタッフもつい一緒になって和気藹々。スタッフすら巻き込む2人の“団欒力”、恐るべし!

Text/Keiichi Koyama Photo/Osamu Kurihara(4×5)

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