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  • 2012.07.17

万葉集から学ぶ恋の嗜み(前編)

 
Girl  Fey Ilyas
©Girl Fey Ilyas

 万葉時代の女性たちは、自由奔放に恋愛を楽しんできました。  女性たちが恋に積極的だった背景には、「妻問婚(つまどいこん)」という当時の結婚形態が関わっています。妻問婚は夫が妻の下に通う婚姻の形態。これは、男に依存しない女の自立的な生き方が多く存在していたからこそ成り立っていたそうです。実際、庶民の事情はあまり明らかになっていませんが、中流以上の人びとは、女性は成人した後でも、実家に残り、そこを拠点に夫たる男を迎え、結婚生活を営んでいくのが普通でした。そう、経済的に、夫に従属することがなかったのです。
形は違えど、万葉時代の女性と同じように、経済、精神共に自立している現代女性たち。そんな女性たちだからこそ、万葉時代を生きた女性から学ぶ恋エッセンスがありそうです。そこで、AM編集部が前編、後編に渡り、歌をご紹介していきます。

その1
佐保川の小石踏み渡り ぬばたまの 黒馬の来夜は 年にもあらぬか

訳:佐保川の小石を踏み渡って愛しい人が黒馬の乗って来る夜が一年中ずっと続けばいいのに

 これは大伴坂上郎女(おおともさかのうえのいらつめ)が藤原麻呂を想って作った歌です。
大伴坂上郎女は、大伴一族の中心的存在。はじめは穂積親王に愛され、その没後は藤原麻呂の妻となり、のちに異母兄の藤原朝巨宿奈麻呂の妻に。その作品は才気にあふれ、甥の家持の作歌生活にも大きな影響を与えました。
愛しい人と毎日会いたいと思うのは今も昔も変わりません。一日一緒にいても別れ際に切なくなってしまう、そんな気持ちは誰しも感じたことがあるのではないでしょうか。
忙しくてなかなか会えない彼にじれったくなってしまうこともありますが、そんな切ない気持ちは彼への想いが強いからこそ。きっと坂上郎女のように素直に想いを伝えることで、彼との関係も好転するかもしれませんよ。

【続く】
後編はこちら。

Text/AM編集部

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