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  • 2014.04.26

チグハグな家族の愛・秘密・裏切りの果て『8月の家族たち』/ジュリア・ロバーツ他 豪華キャスト

 人と人は分かり合えるのでしょうか。
これは仕事、恋愛など多くの場面でぶち当たる問題。その答えを知るには、まず家に帰り、親、兄弟と分かり合えるか確認したい。

 この感情は多分愛だ!と思うんだけど、こうも憎らしくて許せないのはどうしてでしょう。血の繋がった者同士で分かり合えないのに、世界平和なんて……。
『8月の家族たち』を観ると、その絶望に笑いながらハッとさせられます。

たけうちんぐ 映画 死ぬまでには観ておきたい映画のこと ジョン・ウェルズ メリル・ストリープ ジュリア・ロバーツ ユアン・マクレガー クリス・クーパー アビゲイル・ブレスリン ベネディクト・カンバーバッチ アスミック・エース 8月の家族たち 家族 女 三姉妹 毒舌 生き方 AUGUST OSAGE COUNTY アカデミー賞
© 2013 AUGUST OC FILMS, INC. All Rights Reserved.

 ピュリッツァー賞&トニー賞W受賞したトレイシー・レッツの傑作舞台を、『ER 緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』等多くのテレビドラマを手掛けてきたジョン・ウェルズ監督が映画化。

 本作はアカデミー賞をWノミネートしており、主演女優賞にノミネートされたメリル・ストリープと助演女優賞のジュリア・ロバーツの演技対決が見所。
他にもユアン・マクレガー、クリス・クーパー、サム・シェパード等名実ともに頼りがいのある俳優陣が脇を固め、名優だらけの家族たちが8月の夏の暑さ以上に熱し、熟した演技合戦を繰り広げます。


三姉妹とは思えないほどバラバラな家族

 【簡単なあらすじ】
 8月の真夏日、オクラホマの片田舎に父(サム・シェパード)の突然の失踪を知らされた長女バーバラ(ジュリア・ロバーツ)、次女アイヴィー(ジュリアンヌ・ニコルソン)、三女カレン(ジュリエット・ルイス)の三姉妹が久々に実家に帰ってくる。
母・バイオレット(メリル・ストリープ)はガンの治療のため複数の薬を服用し情緒不安定であるが、誰よりも気が強い毒舌家。それ故に生真面目なバーバラと激しい衝突を繰り返す。
それぞれの家族と、それぞれが守るもの。互いの誇りをかけて本音をぶつけ合い、不器用なアイヴィーと、自由奔放なカレンを巻き込んで大騒動に巻き込んでいく——。

どうして家族はバラバラになるのか?

「育ってきた環境が違うから 好き嫌いはイナメナイ」のは分かるけど、育ってきた環境が同じなのに好き嫌いどころか何もかもが違うのはナンデナノ?

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© 2013 AUGUST OC FILMS, INC. All Rights Reserved.

 浮気中の旦那と反抗期の娘を抱えるバーバラは生真面目。地元で秘密の恋をしている不器用なアイヴィー、怪しい婚約者を運命のひとと思い込んでいるカレン。
まるで姉妹とは思えないバラバラな人々が一堂に会した時、それはもうただ事じゃ済まされない。

 互いに本音を隠し、この人には真実を言うが、この人には嘘を言う。そういう経験は誰にだってあると思う。
だけど、バイオレットほど平等に毒を吐く人間はごく稀。そのせいでいざこざが生まれ、家族が揃う約20分の食卓シーンは緊張と笑いの連続技でひと時の油断も許されないのです。


家族は“女”のショーケース?

 三姉妹いれば3タイプの衝突がある。同時に、3タイプの“女の生き方”を楽しめる。
バーバラはある意味一番の成功者。しかし、大学の教員仲間と結婚して一児をもうけ、誰が見ても順風満帆な日々を送っているかと思いきや、家庭に大きな問題を抱えている。
アイヴィーは男っ気がなくて地味だが、彼女にとっては心が満たされる恋愛を続けている。
カレンは周りが見えず、感情に流されっぱなし。その証拠に、明らかに胡散臭い婚約者に運命を感じている。

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 誰が理想で、誰が幸せなのでしょう。
どこにでもある家庭における“分かり合えなさ”をストレートに描き、そこに真実をついたバイオレットの毒舌がツッコミを入れるから、笑いとなって飛びかかってくる。

 笑える分、キツい。女の生き方はこうも違ってくるものなのか。
バーバラの神経質な怒りと、アイヴィーの切なさと、カレンのダメっぷりに見覚えがあるのなら、他人事とは思えない焦りに襲われるはずです。

     

分かり合えない家族をどう見る?

 戯曲を映画化しただけに一つの舞台=シーンが長く、じっくりと描いています。その分、登場人物の心情がセリフとなって飛び回るので、一つ一つ捕まえる度に笑ってしまいます。
あまりにも分かり合えない人々って、端から見ているととっても面白いんです。

 だけど、きっと気づくと思います。自分を含めたほとんどの人が、この分かり合えない家族から逃げ出さずに、何年間も生きているということに。良い意味でも悪い意味でも、愛の強さってやっぱりすごいんですね。


4月18日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

監督:ジョン・ウェルズ
キャスト:メリル・ストリープ、ジュリア・ロバーツ、ユアン・マクレガー、クリス・クーパー、アビゲイル・ブレスリン、ベネディクト・カンバーバッチ
配給:アスミック・エース 原題:AUGUST: OSAGE COUNTY/2013年/アメリカ映画/121分
URL:映画『8月の家族たち』公式サイト

Text/たけうちんぐ

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