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  • 2014.01.25

批評家酷評なのに全米ヒット!みんな“幸せそうな”家族を演じている『なんちゃって家族』

 将来、どんな家族を築きたいですか?
運転席には、いつもケンカばかりだけど実は優しい夫。後部座席には恋愛に奥手な息子に、ちょっと物心ついちゃった娘。
みんな、それぞれが我慢せずに言いたい事を言い合える関係。一家水入らずでキャンピングカーで国境を越え、はるばる遠くまで旅行へ。なんて素敵な家族!

 ……ところがどっこい、これが一切血のつながりのないウソの家族=なんちゃって家族だったら?
しかも目的が麻薬密輸。もはや「なんちゃって」では済まされません!

     
たけうちんぐ 映画 死ぬまでには観ておきたい映画のこと ローソン・マーシャン・サーバー ジェニファー・アニストン ジェイソン・サダイキス エマ・ロバーツ ウィル・ポールター エド・ヘルムズ ワーナー・ブラザーズ映画 WE’RE THE MILLERS なんちゃって家族 偽装 麻薬 本物 ウソ ロードムービー
©2013 Warner Bros. Entertainment Inc.

 全米で批評家から冷たい視線を受けたのにも関わらず、公開2ヶ月間ずっと興行ランキングベスト10入りを果たした“批評家からは嫌われるが、観客からは愛される”爆笑コメディ映画がついに日本上陸です。

『ハリー・ポッター』シリーズのプロデューサーと『ハングオーバー!』シリーズのプロデューサーが手を組んだのですから、これが面白くないはずがない。ジェニファー・アニストンが体当たりのストリッパー役を好演し、『ハングオーバー!』シリーズでおなじみのエド・ヘルムズが麻薬密売人組織のボスを怪演。
個性豊かな“ファミリー”が、キャンピングカーでメキシコの危険地域に突入します。


他人と“家族”であることを偽装したが…

 【簡単なあらすじ】
 麻薬密売人のデヴィッド(ジェイソン・サダイキス)はマリファナと金を盗まれてしまう。その代償として、麻薬の元締めにメキシコから次のブツを密輸する任務を課せられる。

 検問が厳しい国境を怪しまれずに通過する手段……それは家族!
そう思いついたデヴィッドは、クビになったストリッパーのローズ(ジェニファー・アニストン)、恋愛に奥手の童貞少年・ケニー(ウィル・ポールター)、万引き常習犯の家出不良少女・ケイシー(エマ・ロバーツ)で“4人家族”を結成。
どこからどう見ても家族旅行を楽しむ姿で、大量の麻薬をキャンピングカーに詰めて国境に乗り込むが……。

     

一家のロードムービーと麻薬密売のギャップが笑える

 正直、DVDレンタルでしかリリースされないような映画だと思っていました。
言ってしまえば、キャストだって日本では知られていない人ばかり。なのに、どうしてこんなに楽しめて笑えてドキドキするのか。

 観客から大絶賛を浴びたのが納得できます。それでいて、批評家からバッシングを受けたのも頷けるゲス&下品さで、むしろ観る者を楽しませる一心で作られた内容に感動してしまう。
“家族”というウソをデヴィット一味と観客だけの秘密として共有し、次々とだまされていく人々の姿に笑い、バレそうになるスリルにハラハラします。

たけうちんぐ 映画 死ぬまでには観ておきたい映画のこと ローソン・マーシャン・サーバー ジェニファー・アニストン ジェイソン・サダイキス エマ・ロバーツ ウィル・ポールター エド・ヘルムズ ワーナー・ブラザーズ映画 WE’RE THE MILLERS なんちゃって家族 偽装 麻薬 本物 ウソ ロードムービー
©2013 Warner Bros. Entertainment Inc.

 麻薬を持って帰る道すがら、一つの本物の家族がフレンドリーに接近する。そこで本物の家族とウソの家族が並ぶと、より一層ウソの白々しさが際立つ。
見つかりそうになった麻薬の箱をとっさに布で包み、「よしよし、いい子いい子」と赤ん坊に見立てるローズの“お母さん”っぷりには爆笑です。

 完全武装したメキシコの危険地帯をキャンピングカーが走っていくシーンは、あまりにもシュール。コワモテの麻薬密輸関係者さえ“家族”にだまされ、恐ろしい連中を尻目に、何事もなく平和が素通りしていく構図が見事なのです。


     

誰もが“幸せそうな”家族・カップルを演じている?

 4人は当初お金目的で嫌々ながら家族を演じていたけど、次第にお互いを本物の家族のように接していくことになる。
デヴィッドとローズはケニーの恋を全力で応援し、ケイシーの帰りを本気で心配している自分に気づく。
ダメでゲスな4人があらゆる困難を一緒に乗り越えていき、次第に結束力が高まっていく。“家族”としてのある種の成長が垣間みれる様は可笑しいけど、ちょっぴり感動すら覚えるのです。

“家族”って、実は誰もが演じられるもの?むしろ本当の家族のほうが嘘くさく、違和感を覚えてしまうことだってあるでしょう。

   
たけうちんぐ 映画 死ぬまでには観ておきたい映画のこと ローソン・マーシャン・サーバー ジェニファー・アニストン ジェイソン・サダイキス エマ・ロバーツ ウィル・ポールター エド・ヘルムズ ワーナー・ブラザーズ映画 WE’RE THE MILLERS なんちゃって家族 偽装 麻薬 本物 ウソ ロードムービー
©2013 Warner Bros. Entertainment Inc.

 旅先で出会った夫婦は、「セックスに新鮮味がなくなった。どうすればいい?」と切実な悩みをデヴィッドとローズに打ち明ける。それは、デヴィッド一家が幸せそうな家族に思えたからでしょう。

 街には至る所で“幸せそうな”カップルや家族を見かける。でもそれは“幸せ”とは限らない。“幸せ”を演じているのかもしれない。周りからしたら本物もウソも関係ない。
『なんちゃって』なのは、果たしてどちらなのでしょうか。

なんちゃって!な家族はどっち?

 本当は苛つくのに笑顔を取り繕い、本当は大好きなのにツンツンしてしまう。誰もが少なからず、“家族”、“カップル”の中で演技力を発揮していると思います。

 周りから見たら幸せそうな関係。結局、本当もウソも見境ないものです。だからデヴィットのように、キャンピングカーに乗って、メキシコで誰にも怪しまれずに麻薬密輸さえできちゃいます。
……なんちゃって!


2014年1月25日(土)、シネマート新宿他全国公開

監督:ローソン・マーシャン・サーバー
キャスト:ジェニファー・アニストン、ジェイソン・サダイキス、エマ・ロバーツ、ウィル・ポールター、エド・ヘルムズ
配給:ワーナー・ブラザーズ映画
原題:WE’RE THE MILLERS/2013年/アメリカ映画/109分/R-15
URL:映画『なんちゃって家族』公式サイト

Text/たけうちんぐ

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