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  • 2013.11.12

実在する“ラブグッズ”制作会社に潜入!メイクラブに愛を注ぐプロたち『ラブクラフト・ガール』

 どんな会社でも、入社したての頃は戸惑いでいっぱい。
馴染めない仕事に、冷徹な上司。慣れない接客に、机にはバイブレーター。

 ……バ、バイブレーター!?

 ええ、その通り。そこは“ラブグッズ”を作る会社なのです。
ウィンウィン鳴っているバイブと、タラ~ンと垂れるローション。その前で腕を組み、真剣に悩んでいる社員たち。

「うっわあ……とんでもない会社に入ってしまった……」

 新入社員の主人公は戸惑います。
しかし、ここは誰かのラブライフのために、精一杯の愛情を注いで商品開発に励む場所。
ラブグッズ版『プロフェッショナル 仕事の流儀』なのです。

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© 映画「ラブクラフト・ガール」

 原作は無料官能漫画サイト「LCスタイル」で連載された、シンマ ミサの同名コミック。
是枝裕和、西川美和、中島哲也といった有名監督のもとで助監督をし、2009年に『僕らはあの空の下で』で劇場映画監督デビューした平林克理が監督を務めます。
理想と現実に狭間に揺れ、すべての働く女性の共感を呼ぶ主人公・茜を安藤聖が演じ、中村倫也、羽鳥名美子、黒瀬友望、千葉雅子といった個性豊かな俳優陣がラブグッズ開発会社の社員として、茜を支えます。

 実在するラブグッズのブランド『エルシーラブコスメティック』をモチーフに描かれる、“セクシャルヘルスケア”の世界。単にエッチするためだけの道具ではなく、身も心も健康にして、愛に溢れた生活を提供するブランドの中身を覗いてみましょう。


ストーリー

 突然のリストラに遭い、絶望の淵に立たされた26歳の茜(安藤聖)にさらなる悲劇が訪れる。結婚をするはずだった長年付き合っている彼氏の浮気現場を目撃してしまい、一夜にして職も恋人も失う。貯金も尽きた彼女は、就職情報誌で憧れのデザイン職の広告を見つける。
デザイナー志望の彼女はトントン拍子で採用され、就職。しかし、入社した『ラブクラフト社』はなんとラブグッズを扱う会社だった!

 次々に登場する女性用セクシャルグッズに戸惑う茜。イケメンなのに冷徹な教育係の田村(中村倫也)、経験豊富の女性上司、掴みどころのない社長に囲まれ、「こんなはずじゃなかったのに……」と葛藤する茜はミスを連発し、仕事に対してやる気も出ない。
しかし、次第に社員のラブグッズにかける情熱と愛を知り、商品に救われた顧客の声や彼氏とのセックスに悩む友人の声を聞くにつれ、ラブグッズの大切さを実感していく――。

     

等身大の主人公がラブグッズの開発に目覚めるまで

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© 映画「ラブクラフト・ガール」

 やりたいことがあるのに、それをやる場所が見つからない――。
茜のキャラクターに共感する女性は多いかもしれない。

 デザイナーという夢と、彼氏を失ってお先真っ暗な現実。「この先どうなっていくんだろう?」という不安を抱えながら生きている茜の気持ちに寄り添って観てしまうため、ラブクラフト社で繰り広げられる光景に、彼女と一緒になって戸惑ってしまいます。
飲み会の席で仕事の話をするのは日常茶飯事のこと。でも、さすがにバイブ片手に話しているのは見たことがありません!

 ラブグッズと聞くと、卑猥で恥ずかしいものと思ってしまう人もいるかもしれない。だけど、性は食と同じくらい重要なもの。最初は葛藤していた茜が、社員の情熱と顧客の満足を知り、ラブグッズ製作に奮闘する姿は美しいのです。

 自らがデザインしたウサギのバイブレーターの完成品を手にして喜ぶ茜。「よくやったな」と褒める田村。これだけの情報ではちょっとシュールな光景ですが、与えられた環境でデザイナーとして精一杯結果を出す茜の姿は輝いているし、応援したくなります。


     

潤うのは下半身だけじゃない?

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© 映画「ラブクラフト・ガール」

 多くのお客様の喜びの声に支えられる中、毎日11時ぴったりに会社に「ご意見」電話をかけてくる通称“11時おばさん”。彼女の正体は、仕事に燃え始めた茜の成長模様とともに、ドラマチックな要素として物語に絡んできます。

 いくら仲の良い友達同士でもラブグッズの話はできない。恥ずかしいから通販で済ませるなど、顔が見られないように購入する人も多いでしょう。
デリケートな商品だからこそ、デリケートに扱わなければならない。そんな社員たちの気配りと情熱の向かう先は、よりよいセックスライフ。その生活は愛に溢れている。潤うのは下半身だけじゃないのです。

 そして、気になる教育係・田村との関係は……?もちろん、イケメンがそのまま放置されるはずがありません。
恋人も職も一気に失った26歳の働く女子の希望として、この結末は誰もが望むことなのかもしれません。

 誰もが理想と現実の狭間で、恋と仕事の行方に悩んでいます。
茜の成長は、すべての働く女性の勇気に繋がるはず。そして、思わぬ恋の出現によって、バイブの振動がハートの振動に変わっていくのです。

 そう考えると、バイブレーターをはじめとするふるえる“ラブグッズ”というものは、男女をつなぐ温かい心臓のようなものに思えますね。
ブォンブォンと震えたり、クネクネ動いたりするこの不思議な存在、今の日本にとても必要なアイテムなのではないでしょうか。

11月22日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国順次ロードショー

監督:平林克理
キャスト:安藤聖、中村倫也、羽鳥名美子、黒瀬友望、千葉雅子
配給:CURIOUSCOPE
2013年/日本映画/91分
URL:映画『ラブクラフト・ガール』公式サイト
URL:無料官能漫画サイト「エルシースタイル」
『ラブクラフト・ガール』の原作漫画がAMで読めます!こちらからお楽しみください。

Text/たけうちんぐ

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