• love
  • 2013.09.06

【全員、最強】強すぎる女から人生の極意が学べる映画まとめ

 女は守ってもらう生き物だなんて誰が決めた?
今まで多くの映画で女は守られてきた。爆発が起きたら男が身体を覆ってくれるし、命を狙われたらどこからともなく援護射撃。そしてキス。めでたしめでたし。これが映画の王道パターンです。

 でも、今回紹介する映画ではむしろ逆。
頼れる相手がいないまま、黒幕を追いかけ、悪を退治し、エイリアンと戦う。時には男を助ける。そしてキス。(←ここは変わらない)まさに女の鏡! 異性だけでなく同性まで虜にしてしまう、心も身体も“強すぎる女”が大活躍する映画を紹介します。


基本、肉弾戦!最強女スパイから“仕事に強すぎる女”の極意を学ぶ
『エージェント・マロリー』

 一本目は、『オーシャンズ』シリーズなど次々と話題作を生み出すスティーブン・ソダーバーグ監督のスパイ・アクション映画。全米の女子総合格闘技で名実ともにナンバーワンのジーナ・カラーノが強すぎます。

エージェント・マロリー
©2011 Five Continents Imports, LLC. All rights reserved.

ストーリー

 並外れた戦闘能力と知性を併せ持った女スパイのマロリー(ジーナ・カラーノ)は、昔付き合っていたケネス(ユアン・マクレガー)から人質救出作戦の指令を受け、見事成功する。
その後、ケネスから新たな指示を受けるマロリーだったが、そこには非情な罠が仕掛けられていた――。


“最強女”の勘は、スパイというより女の勘?

エージェント・マロリー
©2011 Five Continents Imports, LLC. All rights reserved.

 とにかく強いです。スパイ映画といえば『007』、『ミッション・インポッシブル』、『ボーン~』シリーズがあるけど、主人公はみんな男。大体がピストルで標的を射止める。
でも、マロリーはパンチとキックさえあれば十分。ジャッキー・チェン顔負けの肉弾戦で悪党を懲らしめるのです。

 そこに無駄なカット割りは一切ない。誤魔化しの効かない撮影は臨場感に溢れ、特撮、CGに頼らないジーナ・カラーノの持ち前の強さに惹かれてしまう。
武装した警官に追われても、ビルからビルへと飛び移る様はスーパーマリオみたいな軽やかさで気持ちいい。

 印象的なのは、ホテルのシーン。もう一人の男スパイと新婚夫婦を装って標的に近づくミッションだが、不審な気配を感じたマロリーは男スパイのモバイル端末のデータを盗み、この任務が罠であることを知る。
その勘はスパイというより、まるで女の勘。浮気していないか彼氏の携帯をこっそりチェックするような勘は、“最強女”には必要不可欠なのかもしれません。


元彼にも容赦なし。裏切られたら方法は一つ。消す!

エージェント・マロリー
©2011 Five Continents Imports, LLC. All rights reserved.

 マロリーは以前付き合っていたケネスと、完全にビジネスと割り切り、その後も任務を受けていた。しかし、そこでマロリーの勘が働く。 ケネスに疑いを持った彼女の反撃は、全く容赦がありません。

 元彼との戦いになだれ込む終盤。必要以上の未練も哀愁もなく、ひたすらスパイとして任務を遂行するマロリーの健気さは無視できない。同性にとっては、自分を裏切った男を懲らしめる彼女の姿に快感を覚える人も少なくないはず。

 ジーナ・カラーノのスタント無しのアクションが一番の説得力。“男を助手席に乗せる系女子”マロリーの、仕事に懸けるその情熱に打ちひしがれることでしょう。
不埒な男を懲らしめる女の勘、戦闘能力、知性。すべて揃った“最強女”に誰もが憧れるに違いありません。
でも、実際にはあまり殴ったり蹴ったりしないでくださいね……。

エージェント・マロリー

『エージェント・マロリー』Blu-ray
価格:【DVD】¥3,990(税込)【BD】¥4,935(税込)
発売元:ルチュア・パブリッシャーズ

“復讐心が強すぎる女”を敵に回すと痛い目に!
『ドラゴン・タトゥーの女』


 次に紹介するのは、『セブン』、『ソーシャル・ネットワーク』のデビッド・フィンチャー監督のサスペンス。
本筋とは少し逸れたエピソードで見せる、復讐に燃えるタトゥーの女の恐るべき強さとは?

ドラゴン・タトゥーの女
©2011 Columbia Pictures Industries, Inc. and Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

ストーリー

 経済ジャーナリストのミカエル(ダニエル・クレイグ)は、40年前に起こった少女ハリエットの失踪事件の真相の追究を資産家から依頼される。一族の娘がなぜ突然、姿をくらましたのか。
隠された過去に気付きながらも失踪の手がかりを掴めないミカエルは、恐るべき情報収集能力を持つ天才女性ハッカー・リスベット(ルーニー・マーラー)を紹介される。顔色が悪く、痩せて、身体にドラゴンの刺青が彫られている彼女とともに捜査を続けていく中、一族の血塗られた真相を突き止める――。


レイプ魔への壮絶な復讐劇

ドラゴン・タトゥーの女
©2011 Columbia Pictures Industries, Inc. and Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

 まず目に入るのは、リスベットの圧倒的な存在感。奇抜なヘアースタイル、鼻ピアス、そしてドラゴンのタトゥー。彼女の外見は簡単に人を寄せ付けないからこそ、その内面に触れたときにドキッとさせられる。
苦しい過去を背負いながら、デキるハッカーとして闇社会で生きる彼女の強さは“復讐心”に宿っているように思えます。

 後見人がいない状態で社会生活を送るリスベットに対し、新後見人という立場を利用してお金で性交渉に及ぼうとする太った弁護士が登場する。
リスベットを自宅のベッドに縛ってレイプするという、なんとも卑劣な男。
しかし、これを逆転するようなシーンが用意されている。

 リスベットは弁護士の自宅に入り込み、彼をベッドに縛ってとことん痛めつける。そしてその身体に強引にタトゥーを彫る。彫られた文字は「私はレイプ魔の豚野郎」。うん、一文字も間違っていないです。

 この見事な勧善懲悪っぷり。更に彼女は生活費を自由に使えるように、「レイプした映像をネットでバラまくぞ」と脅迫する。強いし、恐い。性暴力の被害に遭った女性すべての怒りをぶちまけたような復讐劇が、脳裏に焼き付いて離れないのです。


リスベットの包容力には007もタジタジ?

エージェント・マロリー
©2011 Columbia Pictures Industries, Inc. and Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

 ミカエル演じるダニエル・クレイグといえば、殿堂入りスパイ映画でお馴染み『007』のジェームズ・ボンド役。筋肉ムキムキでナイスガイの彼が、風呂場で顔面血だらけでビクビクしているシーンがある。

 そんな彼をリスベットは身体で慰める。『007 慰めの報酬』ってこのことだったのか。ガリガリの体型なのに、ふっくらした包容力にドキッとさせられる。
そんなギャップに萌えたのか、ミカエルも誘われるがまま行為に及ぶ。

 このラブシーンがあるからこそ本作はタダモノじゃない。なんたって、007すら助けてしまう“強すぎる女”を描いているのだから。

 ミカエルがピンチに陥った際、すぐに駆けつけてゴルフのクラブでふり回して応戦するその姿が頼もしい。
二人の愛の行方が、ただのサスペンス映画にさせていないのです。
二つの孤独が寄り添ったとき、女の“強さ”は男を包み込む優しさにも含まれることが分かります。

 リスベットの我が道スタイルの個性の強さは、女の強さにも繋がっているのかもしれない。
髪形もピアスもタトゥーも、全部彼女自身を表しているのです。

エージェント・マロリー

『ドラゴン・タトゥーの女』【ブルーレイ】 デラックス・コレクターズ・エディション
価格:4,980円(税込)
発売&販売元:㈱ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

“宇宙に一人取り残されても“サバイバル精神が強すぎる女”だったら大丈夫?
『エイリアン』


 最後に紹介するのは、SFホラー映画の基盤を作ったリドリー・スコット監督の不朽の名作『エイリアン』。
4作目まで一貫して、主人公のリプリーのエイリアン相手に奮闘する姿に女の強さを感じます。

ドラゴン・タトゥーの女
©2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

ストーリー

 地球に帰ろうとする宇宙船ノストロモ号だが、ある惑星で異星人の宇宙船を発見し、調査することに。そこで一人の乗組員が謎の生物に寄生されてしまい、やがてその生物が成長を遂げて異形の怪物に変貌を遂げる。
仲間たちが怪物に次々と殺されていく中で、女性航海士のリプリー(シガニー・ウィーバー)が一人生き残って怪物と戦いに挑む――。


あえて主人公らしく描かないことで、生き残ることの奇跡を感じる

ドラゴン・タトゥーの女
©2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

 女の強さはついに、地球すら飛び越えてしまいました。
宇宙空間でただ一人生き残り、得体の知れない怪物に追われる。これほどの恐怖、耐えられる女はいるのでしょうか。
いるんです。リプリーがその“強すぎる女”なのです。

 だけど本作は、途中まで誰が主人公なのか分からない。視点は常に俯瞰しており、エイリアンに翻弄されていく乗組員の恐怖を目撃していくしかない。
だからこそ、誰が生き残るのか?というスリルが味わえる。

 最初から主人公がはっきり分かれば、ホラー映画のパターンとして主人公が生き残るのは誰もが分かっている。
そんな予定調和をぶち壊す演出により、恐怖心が更に増大する。

 誰もが自分だけが生き残るなんて確証はなく生きている。
だからこそ、リプリーが一人生き残ったときに奇跡を感じ、また彼女の“サバイバル精神の強さ”を知ることになるのです。


続編ごとに強さが増す、リプリーのサバイバル精神

エージェント・マロリー
©2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

 『エイリアン』シリーズは長い年月を超えて4作も続編が作られている。
元々は主人公らしく描かれていなかったリプリーが女として成長し、ますます強くなっていく姿に目を放せません。

「生き残る」――これは決して、映画だけに、宇宙空間だけに適応する言葉ではないでしょう。社会でも恋愛でも、生きているものは必ず死ぬ。成功していても油断はできない。
盛者必衰の世の中は、まさにエイリアンがすぐそばで口から口を出してグァバーーッと広げる恐怖が常につきまとっている。
なぜ、本作が30年以上もの間語り継がれる名作になったのか。それは、単なるSFホラーに留まらず、日常の中のあらゆる恐怖を「宇宙」「一人」「エイリアン」に置き換えているからです。

 リプリーが下着姿で油断している最中、エイリアンが間近でこっちを見ている。このエイリアン、ちょっとした変態です。そんな下劣な奴に打ち勝つリプリーの勇姿を見るために、続編を順に辿って観ていくのも面白いかもしれません。

エージェント・マロリー

『エイリアン』Blu-ray発売中
価格:2,500 円(税込)
発売元:20世紀フォックス ホームエンターテイメント ジャパン


 現実では映画のように、はっきりと分かる敵がいない。戦う相手がいない。事件の真相を探り当てることもない。
だけど、ふと窮地に陥ったときにマロリー、リスベット、リプリーのような力が発揮できるかもしれません。
これらの女たちはビルとビルの間を飛び越え、007にすら頼られ、宇宙でも生き残るのですから。

 女の強さとは一体何なのかがわかる三作。
男(&エイリアン)をギャフンと言わせる彼女たちの活躍は、爽快感を味わえること間違いなしです。


Text/たけうちんぐ

あわせて読みたい

新作映画
映画3選まとめ

関連キーワード

ライタープロフィール

たけうちんぐ
ライター/映像作家

今月の特集

AMのこぼれ話