あなたの中にいる、誰も知らないもう1人の“あなた”とは？　『マーサ、あるいはマーシー・メイ』

　あなたの中には、誰も知らない別の顔をもつ“あなた”が潜んでいるかも……。
過去のトラウマによって、もう1人の自分に存在を脅かされる女性の葛藤を描いたサスペンスを紹介します。
本作は世界の映画祭でも絶賛され、サンダンス、カンヌ映画祭など世界の映画賞13部門を受賞。監督デビュー作とは思えない巧妙な演出をみせるショーン・ダーキン監督は、友人の体験談をもとにこの脚本を書いたといいます。主演の新人エリザベス・オルセンは本作で一躍脚光を浴び、その類まれな存在感は観る者の目を釘付けにします。

　20歳の頃、孤独なマーサ（エリザベス・オルセン）はカルト集団に家族の愛を求め、入信してからは“マーシー・メイ”という名で集団生活を送っていた。
それから2年後、マーサは1人で脱走し、唯一の家族である姉夫婦の別荘に身を寄せる。しかし、彼女に平穏な暮らしは許されなかった。過去の記憶が蘇り、次第にかつての自分“マーシー・メイ”の妄想にとりつかれていく――。

　誰にでも拭いきれない過去や、思い出したくない記憶があると思います。
マーサは過去のトラウマにもがき苦しむ中で、何を思い、何を見たのでしょうか。そして、もう1人の自分から無事に逃れることはできるのでしょうか。
あなたの中に潜む“マーシー・メイ”を、ぜひその目で確認してみてください。

2月23日（土）よりシネマート新宿ほか全国順次ロードショー

監督・脚本：ショーン・ダーキン
キャスト：エリザベス・オルセン、ジョン・ホークス、サラ・ポールソン、ヒュー・ダンシー、クリストファー・アボット
配給：エスピーオー
原題：Martha Marcy May Marlene/2011年/アメリカ映画/102分
URL：映画『マーサ、あるいはマーシー・メイ』公式サイト

Text／Michihiro Takeuchi