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  • 2012.07.20

自分をもっと愛して!三姉妹の心の叫び『ギリギリの女たち』

ギリギリの女たち 小林政広 渡辺真起子 中村優子 藤真美穂 ブラウニー
©2011 モンキータウンプロダクション/映画「ギリギリの女たち」製作委員会

 傷つけ合いながらも、互いを分かち合う三姉妹。極限状態の中で彼女たちが泣き、笑い、怒り、悲しむ。そんなすべての感情を、観る者にぶつけてくる映画です。
 三姉妹を演じるのは『M/OTHER』などベテラン女優の渡辺真起子、『火垂』の中村優子、新進気鋭の藤真美穂。『バッシング』『愛の予感』など国際的に評価を受けている小林政広監督が、自身の出身地である気仙沼を舞台に極限状態でも女性たちの”叫び”を描きます。全編をわずか28カット、冒頭のシーンは35分間をワンカットという意欲的な手法を用いて、被災地の空気感を生々しく伝えます。

 2011年、夏。震災を受けて、気仙沼市の一軒家にダンサーの長女・高子(渡辺真起子)がニューヨークから帰ってくる。彼女は15年ぶりに、東京で主婦をしている次女・伸子(中村優子)と再会する。ぎこちなく、全く噛み合わない二人。そんな姉たちとは違い、一人で家を守り続けてきた三女の里美(藤真美穂)は、戻ってきた身勝手な姉たちに今まで我慢していた怒りをぶつける。
 バラバラになりながらも、互いの気持ちを吐き出す三姉妹。やがて、そんな彼女たちの心に変化が――。

 精神的にも肉体的にも崖っぷちの状態。震災であらゆるものが崩れ落ちた中でもたくましく生きる三姉妹の姿に、女性の強さを感じずにはいられません。
 また、舞台となる気仙沼の瓦礫の山が、日本の”今”を切実に伝えています。その光景を目の当たりにして、これから何を守るべきか、どうやって生き抜くべきかを考えさせられます。
 今を強く生きている女たちの“愛の叫び”に触れ、自分の今を見つめなおしてみてはいかがでしょうか。

ギリギリの女たち 小林政広 渡辺真起子 中村優子 藤真美穂 ブラウニー
©2011 モンキータウンプロダクション/映画「ギリギリの女たち」製作委員会


7月28日(土)よりユーロスペース、シネ・リーブル梅田ほか全国にて順次ロードショー

監督:小林政広
キャスト:渡辺真起子、中村優子、藤真美穂
配給:ブラウニー
2011年/日本映画/101分
URL:映画「ギリギリの女たち」:小林政広作品



Text/Michihiro Takeuchi

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たけうちんぐ
ライター/映像作家

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