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  • 2016.08.06

ハリウッド映画の男女比逆転!?大人の女性版『ゴーストバスターズ』

“幽霊退治”を行う会社を起業した、個性豊かな4人の女性たち。ある日ゴーストを捕獲し一躍脚光を浴びるが、その黒幕が潜むニューヨークには確実に危機が迫っていた——。1980年代に一世を風靡した「ゴーストバスターズ」のリブート版。

たけうちんぐ ゴーストバスターズ 映画 ホラー アクションコメディ

 夏といえば心霊モノのホラー映画。そのだいたいは若い女の子が「逃げる」。でも、この映画の場合は妙齢の女の子。しかも「倒す」。そうとなるとジャンルすら変わり、ホラーどころかアクションコメディに!
限りなくハイテンション。暑さも憂鬱も明日の心配も全部ぶっ飛ばす、ガッツに溢れた女子…たちに怖いモノなし。

 1980年代に世界中で大ヒットを記録した『ゴーストバスターズ』シリーズが、『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』などコメディを得意とするポール・フェイグ監督によってアラサー/アラフォーの理系女子たちを主演に帰ってくる。

幽霊退治と等身大の本音トークを炸裂させる“女子”たち

たけうちんぐ ゴーストバスターズ 映画 ホラー アクションコメディ

 夏に涼しい野外で焼肉とビールを食らった気分だ。鬱々とした全てを吹き飛ばしてくれるかのごとく、この理系女子たちは最初から最後まで落ちるヒマがない。「ああ、おいしかった」なんて清々しい満足感。焼肉が期待通りに美味しいように、期待していたものをきちんと観せてくれる。
80年代の極彩色豊かなゴーストのイメージは健在で、どこか懐かしい匂いを漂わせる。とはいえYouTubeやSNSが物語に組み込まれて、きちんと現代劇が描かれている。

 元物理学者でクレバーだけどイケメンに滅法弱いエリン、いつも前向きで無鉄砲な超常現象研究家のアビー、天才発明家でどこかカリスマ感のあるホルツマン、図体はデカいのに一番の怖がりなパティ。新たに結成された“ゴーストバスターズ”は、個性豊かでバランスの取れた親しみやすい4人のキャラクター。
彼女たちの軽快なセリフで退屈させないのはさすがポール・フェイグ監督。『ブライズメイズ〜』同様、等身大で本音入り混じる“女子”トークが、まさかゴーストを退治しながら発揮されるなんて。

『エイリアン』『エクソシスト』『シャイニング』といった名作のオマージュの連続で、それらの恐怖描写を4人が全部笑いに変えてくれる。
ストーリーの面白さ以上に、まるで実在しているように息づく魅力的なキャラクターたちに惹きつけられる。

天然イケメン・ケヴィンの存在が女性の地位を反転させる

たけうちんぐ ゴーストバスターズ 映画 ホラー アクションコメディ

 何と言っても笑いを誘うのは、ゴーストバスターズの電話受付担当の天然イケメン・ケヴィン。演じるのはアメリカで最もセクシーな男性とされ、『マイティ・ソー』のソー役などでトップスターとして名の知れたクリス・ヘムズワース。
頼んでもないのにゴーストバスターズのロゴを考えてきたり、その会社名を忘れたり、「イケメンの無駄使い」っぷりが半端ない。

 そもそも登場する男性の99%が役立たずで、むしろ足を引っ張る。ケヴィンはエリンの「可愛いから、いるだけでありがたい」という目の保養のためだけに存在している。
ケヴィンの立ち位置は従来の作品なら女性が演じていた。これは今までのハリウッド映画の配役の男女比を反転させている。

 本作の公開決定のニュースが出回ると、アメリカ中はたちまち大批判の嵐。「なんで主人公が女で、しかも若くないんだ!」と。まるでエリンが「ゴーストはいた!」と吠える投稿動画がバッシングを食らったように、本作の予告編の動画には多くの低評価が付いた。

 最初はみんなバカにしていた。それでもコンサート会場に現れたゴーストを実際に捕獲すると、世間の目は一気に変わる。登場人物たちが当初は「ゴーストなんているわけがない」と鼻で笑われるように、作品を観ていない連中が勝手に「駄作だ」と決め付けていた。
本作はまるでメタフィクションとして現実を取り巻く環境を「それ見たことか!」と見返す。そして潜在的なアンチ・フェミニズムをひっくり反すように、女性たちの新生ゴーストバスターズが新しい時代を象徴するかのように活躍するのが痛快なのだ。

 目に見えないモンスターを描いているとはいえ、「本当に怖いのは人間」なんて説教臭さが一切ない。
ひっきりなしに上げたテンションを持続させるジェットコースタームービー。いや、ゴーストの体液が入り混じる、ドロッドロのスプラッシュマウンテンなのかも知れない。

ストーリー

 コロンビア大学で教鞭をとるエリン・ギルバート(クリステン・ウィグ)は、超常現象研究家のアビー(メリッサ・マッカーシー)とふとしたトラブルがきっかけで再会する。アビーの相棒・ホルツマン(ケイト・マッキノン)とともに幽霊が出るという屋敷に忍び込み、そこで録画した「ゴーストはいた!」と叫ぶ動画がネットに出回ったことでエリンは大学をクビになる。

 やがてアビーとホルツマンと地下鉄で働く駅員・パティ(レスリー・ジョーンズ)とともに、幽霊退治を行う“ゴーストバスターズ”を結成することになる。
コンサート会場に出現した幽霊を捕獲したことで大手柄を得た彼女たちだが、幽霊騒ぎの背景にはある黒幕が潜んでいた。ニューヨークの地下から世界を転覆させようする恐ろしい計画を知り、ゴーストバスターズは史上最大の戦いに挑む――。

8月11日(祝・木)~14日(日)先行公開!
8月19日(金)3D/2D 全国ロードショー

監督:ポール・フェイグ
キャスト:クリステン・ウィグ、メリッサ・マッカーシー、ケイト・マッキノン、レスリー・ジョーンズ、クリス・ヘムズワース
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
原題:Ghostbusters/2016年/アメリカ映画/115分
URL:『ゴーストバスターズ』公式サイト 前売り券
Text/たけうちんぐ

ライタープロフィール

たけうちんぐ
ライター/映像作家

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