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  • 2015.03.06

おとぎ話の続き!「幸せに暮らしました」のその後は?悩みを抱えた、赤ずきん、シンデレラ、ラプンツェルが登場『イントゥ・ザ・ウッズ』

長年子どもを授からない夫婦が魔女の呪いを解くために、“願い”を叶えるために森にやって来る。そこに赤ずきん、ジャック、ラプンツェル、シンデレラたちもそれぞれ“願い”を叶えるために森にやって来るが……——おとぎ話の主人公たちが総出演!人気ミュージカルを映画化

 人生は都合良く終わらない。
たとえば幸せの絶頂が結婚だとして、ハッピーエンドにするなら結婚式で人生を終わらせるのがちょうどいい。でも、そんな時に死にたくない。
中途半端なタイミングで終わってしまうのは、ハッピーエンドとは呼べないだろう。

 つまり、「ハッピーエンド」は物語の中のみ存在する。
ただし、今回紹介する『イントゥ・ザ・ウッズ』は、誰もが知っているハッピーエンドを持つおとぎ話のキャラクター総出演の、“現実に限りなく近い”ファンタジー映画です。

たけうちんぐ 映画 死ぬまでには観ておきたい映画のこと イントゥ・ザ・ウッズ ロブ・マーシャル メリル・ストリープ ジョニー・デップ エミリー・ブラント ジェームズ・コーデン アナ・ケンドリック クリス・パイン ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン Into the Woods おとぎ話 ハッピーエンド 赤ずきん ラプンツェル ジャック シンデレラディズニー
© 2015 Disney Enterprises, INC. All Rights Reserved.

 ミュージカル映画『シカゴ』でアカデミー賞作品賞を受賞するなど、世界的に評価されているロブ・マーシャル監督が今回選んだ題材は、またもブロードウェイ・ミュージカルの名作

 約20年前に監督自身が鑑賞した舞台に衝撃を受け、映画化に至りました。本作は「第87回アカデミー賞」の主要部門含む3部門にノミネートされるなど、映画界で話題が広がっています。

 メリル・ストリープの魔女役、ジョニー・デップのオオカミ役の両者怪演っぷりは必見。他にも、ジェームズ・コーデン、エミリー・ブラント、リラ・クロフォード、ダニエル・ハットルストーン、マッケンジー・マウジーらがおとぎ話のキャラクターに扮して、森の中でそれぞれの“願い”を叶えるために奮闘します。


赤ずきん、シンデレラ、ラプンツェル…有名な主人公のその後は?


【簡単なあらすじ】魔女(メリル・ストリープ)にかけられた呪いのせいで、長年子どもに恵まれていないパン屋の夫婦(ジェームズ・コーデン、エミリー・ブラント)。子どもを授かりたければ「赤いずきん」「黄色い髪」「白い牛」「黄金の靴」の4つのアイテムを森から持ち帰れと魔女に命じられ、森の中へ入っていく。

 同じ頃、赤ずきん(リラ・クロフォー)やラプンツェル(マッケンジー・マウジー)、ジャック(ダニエル・ハットルストーン)、シンデレラ(アナ・ケンドリク)たちもそれぞれの願いを叶えるために森に入り、おとぎ話の主人公たちの物語が複雑に絡み合う――。

     

前代未聞!おとぎ話の主人公たちが超豪華共演


「めでたし、めでたし」で簡単に片付けられない。これが“おとき話”の真実なのか。 たとえば、「映画俳優の超豪華共演!」という使い古されたキャッチコピーを聞いても、知らない人は知らない。でも、この映画は世界中の誰もが知っているおとぎ話の主人公たちの超豪華共演。

 赤ずきん、ラプンツェル、ジャック、シンデレラというディズニー映画で親しまれたキャラクターが一堂に会するのは、俳優にたとえると誰が該当するのか。思い浮かばない。赤ずきんとジャックが一緒にいる絵が映されるだけで、自然に胸の鼓動が高まります。

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 ハッピーエンドのその後、主人公たちはどうなったのか?きっと多くの人が想像を膨らませた題材を、ファンタジーなのに若干シニカルさを交えて描いている。 全ての人が幸せになるとは限らない。都合の良い“おとぎ話”から一歩踏み出した、現実に限りなく近いフィクションを叩き出す。

 パン屋の夫婦は子どもを手に入れるために嘘を並べ、ジャックは貧乏から逃れるために魔法の豆で金貨を盗む。それぞれの“罪”が物語をよりハッピーエンドから遠ざけていき、そこに残るのはシビアな現実世界の写し絵だったりするのです。


誰かの“願い”が叶えば、他の誰かの“願い”は叶わない


「幸せとは何か?」
この映画の大きなテーマについて、ロブ・マーシャル監督が語っている。

 監督が映画化に踏み込んだキッカケは、9.11でオバマ大統領が遺族に放った「誰もひとりではない」という言葉からだという。そのフレーズは本作の舞台で歌われる印象的な歌詞と同じものだった。

 森の中で誰かの“願い”が叶えば、誰かの“願い”は犠牲になる。それは現実に起きている事とそう遠くない。森は自然溢れる美しい場所であるが、夜になると闇に包まれて恐ろしくもなる。

     
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「めでたし、めでたし」のその先を描く物語の後半、ある“天災”が降りかかった時におとぎ話の主人公たちがどう動くか。どのように争い、対処するのか。それは9.11や、思いもよらぬ大事件に遭遇した人々の姿なのかもしれません。

“本当は怖いおとぎ話”を知ってしまったようで、ゾッとする。ファンタジーという外面を借りた現代劇に思えてくる。
人々がなぜおとぎ話を作り、それを愛するのか。行き場のない人々の拠り所としてこの森が存在するように、私たちはおとぎ話に救いを求めているのでしょうか。

私たちは“ありえない”おとぎ話の主人公!?


 喋っているのにいきなり歌い出すとかありえない!とミュージカル映画を毛嫌いする人でも、この映画の持つシニカルな主題が掴めると楽しめるはずです。

 歌っている場合じゃない。のに、やっぱり歌がないと救われない。
まるでファンタジーのような“ありえない”時代に生きている私たちこそが、おとぎ話の主人公なのかも知れません。


3月14日(土)、全国ロードショー

監督:ロブ・マーシャル
キャスト:メリル・ストリープ、ジョニー・デップ、エミリー・ブラント、ジェームズ・コーデン、アナ・ケンドリック、クリス・パイン
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
原題:Into the Woods/2014年/アメリカ映画/125分
URL:映画『イントゥ・ザ・ウッズ』公式サイト

Text/たけうちんぐ

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ライタープロフィール

たけうちんぐ
ライター/映像作家

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