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  • 2014.09.06

これがモテ女の秘訣?彼女に翻弄される3人の男との奇妙な四角関係『ソニはご機嫌ななめ』

 特別容姿端麗でなければスタイル抜群でもない。それなのに、なぜかモテる人っていませんか?
この映画のソニもそれに当てはまる。

 同性代の男から年輩の教授まで、まるで精子のように卵子目がけて突っ走らせる。そんな世代を超えて夢中にさせるモテ女の秘訣とは何なのでしょう。
そして、どんなにモテても、ご機嫌ななめなソニの心境は?

 三角関係を超えた“四角関係”の何ともビミョーな駆け引きをご覧ください。

たけうちんぐ 映画 死ぬまでには観ておきたい映画のこと シネマート新宿 ホン・サンス チョン・ユミ イ・ソンギュン キム・サンジュン チョン・ジェヨン ビターズ・エンド Our Sunhi ソニはご機嫌ななめ 四角関係 モテ女

 ワンシーン・ワンカットの緊張感。会話と会話の独特の間。世界中で賞賛を浴びるホン・サンス監督お得意の手法で魅せるラブコメディです。
主人公のソニを『トガニ 幼き瞳の告発』などのチョン・ユミが演じ、『教授とわたし、そして映画』『3人のアンヌ』に続いて3度目のホン・サンス作品に登場しています。

 同じくホン・サンス作品おなじみの顔ぶれが揃い、元カレのムンスをイ・ソンギュン、チェ教授をキム・サンジュンが演じ、映画監督のジェハク役を『シルミド』など大ヒット作品の常連俳優チョン・ジョエンが演じます。


3人の男を虜にする女の魅力とは?


 【簡単なあらすじ】
 大学卒業後、アメリカ留学の推薦状を依頼するためにソニ(チョン・ユミ)はチェ教授(キム・サンジュン)のもとを訪ねる。その帰り道、大学近くのチキン屋で飲んでいると元カレのムンス(イ・ソンギュン)が通り過ぎ、呼び止める。ムンスはソニに未練たっぷり。

「俺は人生でお前ほどかわいい女を知らない」

 ソニはやがて推薦状を受け取りに大学へ。しかし、チェ教授が書いた内容に納得のいかないソニ。チェ教授は密かにソニに想いを寄せていて、推薦状を書き直すよう約束する。

 ムンスは映画監督の先輩ジェハク(チョン・ジョエン)と飲み、ソニにまだ気があることを告げる。また、チェ教授もジェハクにソニへの想いを打ち明ける。そんなジェハクはソニと会い、「俺は人生でお前ほどかわいい女を知らない」と告げる——。

ソニ流・モテ女の秘訣とは?


 男は皆、ソニに夢中。確かに何かに熱中している人は魅力的。でも、どうしてこれほど虜にさせているのか。

 ソニは「私、男なんて必要ない。私に大切なのは、自分が何者か知ること」と終始媚びることがない。
タイトルにある通り、常に『ご機嫌ななめ』。めったに笑わない。ムスッとしたソニが男にとってどこがいいのか、検証してみよう。

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 第一に、ソニは「放っておけない」感を出している。壁にぶち当たり、人生に悩み、一人だと解決できない。それでも一人で何者かになろうとしている様が、男たちの父性本能をくすぐる。俺が傍にいなければ、と思わせる素振りこそがモテ女の秘訣なのかも。

 一方でツンとした態度と、率直な意見を堂々と告げる性格。まるで猫のように気ままで、自然体。
狙って挑めば火傷しそうだけど、無意識に男たちを翻弄させていくのだから学べることは多いかもしれません。


映画全編に流れる独特の“間”


 ホン・サンス作品特有の“間”が、この何ともマヌケでありながら生々しい四角関係模様を鮮やかに彩っている。
基本、顔のクローズアップはない。どこのシーンも第三者の視点のように少し離れた所から男女を見守っていて、ワンシーン・ワンカットの会話の間が男女の気持ちのすれ違い、男同士の気まずさを描いている。

   
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 また、男たちの気持ちを代弁するように、懐メロが毎回絶妙なタイミングで流れる。その時がある種の落とし所というか、まるでお笑いでいう「天丼」のように、チェとムンスとジェハクの恋心をすり抜けていくソニのそっけない態度がたまらないのです。

 ムンスの先輩=ジェハク、ジェハクの先輩=チェ教授というある種の三世代支配から、男の単純さが浮き彫りとなる。
挙げ句の果てにはムンスの「俺は人生でお前ほどかわいい女を知らない」ってセリフをパクるジェハク。男たちが言葉巧みに“人生訓”をソニにぶつけても、教養も教訓も華麗にすり抜けられてしまう。
ソニは自分の将来が一番の興味。結局、男はどんな手段を使っても彼女に太刀打ちできないのです。

彼女が『ご機嫌ななめ』な訳は?


 意図をせず、意味もなく、いつの間にか異性を虜にする人って一体どんな魅力を備えているのか。

 ソニは、その答えを知らぬ間に持っていたのでしょう。

 とはいえ、彼女のように『ご機嫌ななめ』な態度を取っても単に距離を置かれるのがオチ。
将来の目標に向かって一人黙々と突き進んでいれば、自然に男たちは寄ってくるのかも…ってことにしておいたほうが良さそうですね。



シネマート新宿にて絶賛公開中!

監督・脚本:ホン・サンス
キャスト:チョン・ユミ、イ・ソンギュン、キム・サンジュン、チョン・ジェヨン
配給:ビターズ・エンド
原題:Our Sunhi/2013年/韓国映画/88分
URL:映画『ソニはご機嫌ななめ』公式サイト

Text/たけうちんぐ

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