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  • 2014.06.07

年下男子を虜に!ナオミ・ワッツ&ロビン・ライトが互いの息子に抱かれる“禁断の愛”を熱演『美しい絵の崩壊』

 実家に帰ると、母親がテレビの前で韓国ドラマの若い俳優に釘付けになっていた。
母はこの俳優をどうしたいのだろうか。俳優は服を脱ぐ。おいおい。
視線は逸らさない。一点集中している。俳優は裸になる。そして女優の服を脱がせる。おいおいおい。ここ居間なんだけど。昼なんだけど。

 母は一体どうしたいのだろうか。
若さへの憧れなのか、若さという造形物への感動なのだろうか。まるで展覧会の絵を眺めるように、若い男の肉体をありがたそうに見つめている。

「どうにかしたい」——もし母がそう思っているのであれば、この映画のロズとリルはそれのかなり先を行っている。夢を叶えてしまっている。
なぜなら、互いの息子とセックスしてしまったんだから。

たけうちんぐ 映画 死ぬまでには観ておきたい映画のこと アンヌ・フォンテーヌ ロビン・ライト ナオミ・ワッツ ゼイヴィア・サミュエル ジェームズ・フレッシュヴィル ベン・メンデルソーン トランスフォーマー TWO MOTHERS オーストラリア フランス 美しい絵の崩壊 熟女 背徳感 禁断の愛 イケメン 母親
© 2012 HOPSCOTCH FEATURES PTY LTD, THE GRANDMOTHERS PTY LTD, SCREEN AUSTRALIA, SCREEN NSW, CINÉ-@, MON VOISIN PRODUCTIONS, GAUMONT, FRANCE 2 CINÉMA.

 これまで“禁断の愛”は様々な映画で描かれてきた。
「友達のカレシとャっちゃった。。」「パパとホテル行っちゃった。。」「もぅマジ無理。。」「おじいちゃんとしょ。。」となぜかコピペ風に書いてしまったし、4つ目は例外すぎるが、それでも親友同士がその息子を愛してしまう映画は初めてじゃないでしょうか。

 主演はナオミ・ワッツとロビン・ライト。数々の恋愛スキャンダルを乗り越えて、今もなおスレンダーな肢体を保つ二人は適役です。それぞれのイケメン息子に抱きたいと思わせる美貌と境遇に、ひょっとすると多くの妙齢女性が激しく舌打ちするくらい羨ましく思うかもしれない。
ノーベル賞作家ドリス・レッシングの問題作を、女流映画監督のアンヌ・フォンテーヌが映画化。主人公たちと年齢もそう遠くない監督だからこそ、禁断の愛に目覚めた葛藤が生々しく描写されています。


熟女×年下男子とのイケナイ恋愛

 【簡単なあらすじ】
 オーストラリア東部の海辺の町に暮らすロズ(ロビン・ライト)とリル(ナオミ・ワッツ)は双子の姉妹のように仲が良く、幼い頃から親友の関係。それぞれの息子・トム(ジェームズ・フレッシュビル)とイアン(ゼイビア・サミュエル)も互いに仲を深め、4人は家族同然だった。
イアンは幼少期に父親を亡くし、ロズを二人目の母親として慕っていた。しかし、いつしかその気持ちは強い恋愛感情へと移ろいでいく。
ある夜、ロズの家に泊まったイアンは感情を抑えきれず、身体を重ね合ってしまう。それを知ったトムはショックを受け、まるで当てつけのようにリルに迫り、二人は一線を超えてしまう——。

血は繋がってないのに付きまとう背徳感

 禁断の愛とはいっても、それぞれに一切血縁はないんです。
年齢が20〜30才くらい離れていても、リアルに考えてナオミ・ワッツとロビン・ライトって美女だったら「アリ」の範疇。自然に恋愛関係に陥ってもそこまで突っ込まれる事態じゃない。
ただ、問題なのはその母親二人が親友であるということです。

 想像できますか? 親友の息子に身を包まれることを。
考えるだけでありえない。ただ、ロズとリルが若い二人に愛され、それを幸せに感じる気持ちは分かる。トムとイアンはいわば二人の理想の男性像なのかもしれないから。

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© 2012 HOPSCOTCH FEATURES PTY LTD, THE GRANDMOTHERS PTY LTD, SCREEN AUSTRALIA, SCREEN NSW, CINÉ-@, MON VOISIN PRODUCTIONS, GAUMONT, FRANCE 2 CINÉMA.

 海辺で美しく戯れるトムとイアンを眺め、ロズとリルはそれに見とれてしまう。息子を「私たちの作品」と言い表す。まるで展覧会の絵を眺めるように、美しい作品がこちらに歩み寄ってくるわけです。
自分が生み出した理想に愛されるのだから、拒否できずに受け入れてしまうことはしょうがない。

 やがてそれぞれの尊厳を取り戻すため、関係にけじめをつけようとする4人。トムは俳優として成功し、女優のメアリーと結婚することになる。それでも、ロズの説得にイアンは聞き入れず、納得しない。
イアンから始まった不穏だらけの愛が、脆くて美しい家族の絵を崩壊させていくのです。


愛を止めようとも、時間を止めることはできない

 幾らイアンとトムに翻弄されおうとも、彼らは若くて美しい。
色目を使えば同年代の女の子のハートを掴まえるなんて容易いことで、ロズとリルもそれを分かっている。「この子たちはいつか、私たちから離れていく」と。それを親離れというのか、子離れというのか。

 二人は母親である前に一人の女であることを自覚してしまう。しかし、彼らと決定的に違うのは“時間”なのです。 面白いのはオープニング。幼い少女二人が海岸を活発に走り、笑顔で互いを見つめ合うその顔が急にその30数年後の姿になる。その後、同じようにイアンとトムの少年期の姿も急に青年期の姿になる。それが残酷に時間の経過を表す。

たけうちんぐ 映画 死ぬまでには観ておきたい映画のこと アンヌ・フォンテーヌ ロビン・ライト ナオミ・ワッツ ゼイヴィア・サミュエル ジェームズ・フレッシュヴィル ベン・メンデルソーン トランスフォーマー TWO MOTHERS オーストラリア フランス 美しい絵の崩壊 熟女 背徳感 禁断の愛 イケメン 母親 © 2012 HOPSCOTCH FEATURES PTY LTD, THE GRANDMOTHERS PTY LTD, SCREEN AUSTRALIA, SCREEN NSW, CINÉ-@, MON VOISIN PRODUCTIONS, GAUMONT, FRANCE 2 CINÉMA.

 愛に限りはなくても、時間には限りがある。
ロズは「時間は止めることができないのよ」と言う。しかし、イアンは「時間を止めてあげる」と囁く。
こんな事言われてしまったらもう後には引けないわけです。惚れてしまうがな!とロズの愛情は止まらない。

 ロズとリルが作った美しい作品は抽象画ではない。具体性を帯びた“時間”こそが、スクリーンを飛び越えて迫ってくる。
その絵の崩壊へのカウントダウンは、刻々と4人に近づいていくのだ。

抗えることのない崩壊へのカウントダウン

 背徳感ゆえの葛藤と苦悩は、禁断の愛の物語にはよくあること。
それでも、20〜30才も歳の離れたイケメンと身体の関係を持つなんて…。
本作は、多くの女性が嫉妬してしまう風景が散りばめられています。オーストラリアの海辺のきらめき、若い肉体の美しさ。その身体から溢れる「生」だけを感じ取り、そこに惹かれざるをえない。

 が、やがて「死」に向かう“時間”を体感する。人は「生」だけで過ごすことはできない。
“時間”はすべての人に平等に流れているからこそ、この絵の崩壊に何も感じずにはいられないはずです。


5月31日(土)、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、横浜ブルク13ほかにてロードショー

監督:アンヌ・フォンテーヌ
キャスト:ロビン・ライト、ナオミ・ワッツ、ゼイヴィア・サミュエル、ジェームズ・フレッシュヴィル、ベン・メンデルソーン
配給:トランスフォーマー
原題:TWO MOTHERS/2013年/オーストラリア=フランス映画/111分
URL:映画『美しい絵の崩壊』公式サイト

Text/たけうちんぐ

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