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  • 2014.06.04

吹石一恵が離婚調停中?ワケあり女家族が離婚・不倫に翻弄!『六月燈の三姉妹』

 離婚した母と、すでに離婚&離婚しそう&不倫している娘たち。
もう、なにこの家族。バツが4つズラーッと並んでる。文字にするとXXXX←なんかもうフェンスでしかない。まさに人生行き止まりなのです。

 一人くらい浮かれている人がいてもいいと思うのですが、実家の居間には妙にどんより暗い影。それでも寂れた商店街に再起をかけ、人生の起死回生を狙う。
同じ家族とはいえ、女が4人いればその生き方は4通り。男運はないが、愛はある。そんな三姉妹の生活を覗いてみましょう。

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©「六月燈の三姉妹」製作委員会

「六月燈」とは、鹿児島県を中心に旧薩摩領だった地域で行なわれる夏祭り。鹿児島弁飛び交う小さな商店街を舞台にした物語です。
手掛けるのは『半落ち』『ツレがうつになりまして』の佐々部清監督。離婚調停中に実家に帰ってきた主人公・次女奈美江を『紀子の食卓』『ゲゲゲの女房』の吹石一恵が演じています。
街の片隅で身を寄せ合う、誰もが結婚についてワケあり事情を抱えた家族を温かく描いています。


ワケあり家族が全員集合!結婚・離婚に翻弄される三姉妹

 【簡単なあらすじ】
 赤字に苦しむ家族経営の和菓子屋「とら屋」は、家族とはいえ母・惠子(市毛良枝)と菓子職人の父・眞平(西田聖志郎)はすでに離婚。さらに長女・静江(吉田羊)も離婚していて出戻り、次女・奈美江(吹石一恵)は離婚調停中、三女・栄(徳永えり)は結婚直前に婚約破棄、しかも不倫中。
そこに奈美江の夫・徹(津田寛治)が東京からやって来る。しかし、よりを戻したい徹に奈美江は振り向こうとしない。
シャッター商店街、そして「とら屋」の生き残りをかけた新作和菓子「かるキャン」で起死回生の大作戦に挑む。
果たして、「とら屋」の運命は。そして、三姉妹の人生の行方は——。

実家はいわば人生の“中間報告会”

 離婚と不倫の総攻撃。男運無しのオンパレード。昼ドラ感満載の要素なのに、どうしてここまでアットホームな映画なの?
原因は飾らない鹿児島弁と商店街の人々の親しみやすさにある。悪い人が一人も登場しない。それぞれが思いやりを持って生きている。これは離婚版『サザエさん』といってもいい。サザエとフネが離婚していると例えてもいい。ちょっと違うか。

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©「六月燈の三姉妹」製作委員会

 それにしても実家ってつくづく中間報告会のようなものだなと。家族が集合して昨今の現状を伝える“公開処刑場”です。
誰にでも身に覚えがあると思う。我が子を心配しているからこそ、「仕事はうまくいってるの?」「結婚はしないの?」「旦那さんとはどうなの?」といった尋問。後ろめたさを抱える我が子にとっては職質レベルです。とはいえ、この映画の場合はその親も離婚しているからどっちもどっち。そこが面白いです。
三姉妹いると三通りの女の生き方があり、それぞれが自分の幸せを計る物差しにもなる。

「男は案外、女の本質を見抜いているものよ」

 夜道、三姉妹が互いの結婚事情を曝け合うシーン。
静江がぼそっと口に出した言葉に、栄と奈美江は反論しない。彼女たちが抱える問題はすべて、男が見抜いた結果なのかもしれません。


バツがつく分、“けじめ”をつけている

 三姉妹は皆、どこかで“けじめ”をつけようとしている。
奈美江は年下の編集者に言い寄られ、徹(夫)との間で揺れている。それはある意味、東京で認められた自分とそれまでの自分のどちらを選択するかに近い。
全てを受け入れてくれる徹に素直になれないのは、奈美江自身が実家・鹿児島か生活の拠点・東京、どちらで人生を過ごすか決断できないことも影響しているのかもしれない。

   
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 バツがつく時、人は皆決断する。“けじめ”をつけた結果として、「とら屋」の手伝いを決心した静江の離婚、不倫から逃れた栄の成長がある。
奈美江の“けじめ”は誰のためでもない、自分の幸せのためにこの映画の終盤に用意されている。

 バツイチとは、その人が一つ大きな決断をした結果。バツ2とは、二つ決断した結果。
バツとはいっても決してマイナスばかりではない。それは別れた両親の関係に表れている。前夫と互いにとって良い距離感で「とら屋」を運営する母・惠子が、結婚とはまた別の女の生き方を示している。
母のけじめが離婚した静江にとって心強く、奈美江にとっても一つの方法として暗い道を明るく照らす。

人生の“HOW TO”は、案外身近な人が持っている?

 奈美江は自分の生き方にどうけじめをつけ、徹との関係にどんな意味を見出すのか? 栄、静江、奈美江の三姉妹の誰かに感情移入するにつれ、このドラマを他人事ではなく思えてくるかもしれません。

 生き方は一つではない。結婚、仕事、人生にとっての大事な“HOW TO”が詰め込まれています。
三姉妹が過ごす小さな商店街の温かさに包まれ、最後はきっと優しい気持ちになれるはずです。


5月31日(土)、TOHOシネマズ日本橋、シネマート六本木ほか全国ロードショー

監督:佐々部清
キャスト: 吹石 一恵、徳永 えり、吉田 羊
配給:ビーズインターナショナル
2013年/日本映画/104分
URL:映画『六月燈の三姉妹』公式サイト

Text/たけうちんぐ

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