ものを持たないことの喜び『99の持ちもので、シンプルに心かるく生きる』

 生きていく上で本当に必要なものはなにか、考えたことはありますか?
棚の奥に仕舞われて何年も着ていない洋服、衝動買いしてしまった雑貨、読み終わった本、形ばかり立派な冷蔵庫‥‥‥。
あなたの身の回りにあるたくさんのものたち、明日からなくなったとして困るものはいくつあるでしょう。

 著者は『シンプルに生きる―変哲のないものに喜びをみつけ、味わう』を始め、シンプル生活を実現するための指南書が大きな支持を受けているドミニック・ローホーさん。
彼女は本書にて「生活するための必須アイテムのみに限定するととても快適で美しいライフスタイルを確立することができる」と綴っています。
また、「手放してみると物に束縛されていたことがわかる」とも。

 この本は、シンプルな生活をよりわかりやすく説明するために、著者が生活をする上で必要なものを「身につけるもの」「衣食住以外の必需品」「キッチンリスト」などにわけ、99のリストとして写真付きで紹介しています。
それはさんざん迷い、深く考えた上で残した99の品々。
大切なのは、何故必要なのかを考える時間です。
あれこれ試行錯誤を繰り返しながらリストをつくる過程によって「心も整理」され、今まで気付いていなかった大事な価値観に出会えるそうです。
 実際にリストをつくり、ものを捨てることに成功したならば‥‥‥。
きっとあなたは残ったものを大切に扱うようになり、衝動買いやストレス買いもなくなるはず。
そして、ものに支配されない生活を手に入れたとき、自分自身をクリアに見つめ直すことができるようになり、当たり前のように存在していた恋人や家族、友人たちに感謝し、愛する心を手に入れるでしょう。

書名:『99の持ちもので、シンプルに心かるく生きる』
著者:ドミニック・ローホー
発行:講談社
価格:¥1,470(税込)

Text/Yuuko Ujiie