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  • 2012.09.11

フェルメールに並ぶ巨匠の日本初個展!『シャルダン展―静寂の巨匠』

 壮大な歴史と神話の世界を感じさせる宗教画、人物の顔に深いドラマが刻まれた肖像画、画家の世界観に直接触れるような抽象画……。
 ひと口に絵画といってもさまざまですが、その中にあって「静物画」と呼ばれるジャンルは、果物やテーブル、花瓶などを写実的に描いただけに見えるため、一般人が興味を持つにはなかなか難しいジャンルです。
しかし、だからこそ逆に、繊細な筆遣いや、日常の瞬間を切り取る構図などに、画家のセンスと力量が問われる奥深いジャンルでもあります。

シャルダン展―静寂の巨匠
ジャン・シメオン・シャルダン《木いちごの籠》1760年頃
油彩、画布 38×46cm 個人蔵
©RMN-GP / René-Gabriel Ojéda / distributed by AMF- DNPartcom

 そんな静物画や風俗画を主に描いたフランスを代表する画家の一人に、シャルダンがいます。フランスではフェルメールに並ぶ重要な画家として挙げられるシャルダンですが、残念ながら日本での認知度はいまいち。
彼に焦点を絞った展覧会すら開かれたことがありませんでした。
 そこで、今回シャルダン研究の第一人者であるルーヴル美術館名誉館長ローザンベールの監修によって、日本初のシャルダンの個展が開かれます。
それが、9月8日(土)から三菱一号館美術館で開かれている『シャルダン展―静寂の巨匠』です。
 個人所蔵のため普段は非公開でありながら、晩年の静物画の傑作とうたわれる《木いちごの籠》や、意外にもシャルダンが唯一描いた花の絵である《カーネーションの花瓶》は、ともに日本初公開。
《肉のない食事》と《肉のある食事》のように、モチーフや画面構成、色彩を対比させた2点で1対の作品が多いのもシャルダンの特徴です。

シャルダン展―静寂の巨匠
ジャン・シメオン・シャルダン《食前の祈り》1740年頃
油彩、画布 49.5×41cmパリ、ルーヴル美術館蔵
©RMN-GP (Musée du Louvre) / Franck Raux / distributed by AMF- DNPartcom

 中でもひときわ目を引くのが、幼い子が食前に捧げる感謝の祈りの途中で言葉に詰まり、それを見守る母、姉と視線が交わされた瞬間を描いた《食前の祈り》。この作品に代表されるように、シャルダンは日常の中の絶妙な瞬間を切り取り、その静寂までもすくい取って描写するのが持ち味です。
 情報があふれ、誰もが過剰に語る現代だからこそ味わいたい、シャルダンの静寂の世界。“芸術の秋”のアート鑑賞を本展から始めてみるのも、なかなか粋かもしれませんよ。

名称:『シャルダン展―静寂の巨匠』
会期:2012年9月8日(土)~2013年1月6日(日)
会場:三菱一号館美術館(東京都千代田区丸の内2-6-2)
開館時間:木・金・土10:00~20:00
     火・水・日・祝10:00~18:00
     ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜休館(但し、祝日の場合は翌火曜休館。12月25日は開館)
12月29日(土)~2013年1月1日(火)
観覧料:当日券 大人1500円 高校・大学生1000円 小・中学生500円
問合せ:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
URL:http://mimt.jp/chardin/

Text/Fukusuke Fukuda

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