17世紀絵画の傑作「真珠の耳飾りの少女」も上陸!『マウリッツハイス美術館展』

 2010年から改修のため休館していた東京都美術館が、6月末日に新しく生まれ変わってリニューアルオープンしました。
その記念特別展として開催されているのが、『マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝』です。
17世紀のオランダ・フランドル絵画は、フェルメール、レンブラント、ルーベンスといった、西洋美術史に大きな影響を与えた作家を数多く輩出しています。
今回は、その世界的コレクションで知られるマウリッツハイス美術館から、名品約50点を選りすぐって紹介しています。

マウリッツハイス ヨハネス・フェルメール《真珠の耳飾りの少女》1665年頃 マウリッツハイス美術館蔵

 17世紀初頭、海洋貿易で繁栄を築き上げたオランダでは、新興の市民階級による美術ブームが起きました。
彼らが好んだのは、鑑賞に教養を必要とする宗教画や歴史画よりも、わかりやすい風景画、静物画などでした。
つまり、現代の私たちにも親しみやすい作品が多いのです。
 本展のテレビCMで女優の武井咲さんが扮装しているのが、今回の目玉のひとつ『真珠の耳飾りの少女』です。
世界的なフェルメール・ブームのシンボルともいえるこの作品は、漆黒の闇をバックに、あどけない表情の少女がこちらを見ている印象的な構図。
光と静謐な空間のコントラストを描いたフェルメールらしい傑作です。

マウリッツハイス レンブラント・ファン・レイン《羽根飾りのある帽子をかぶる男のトローニー》1635~1640年頃
マウリッツハイス ペーテル・パウル・ルーベンス《聖母被昇天(下絵)》1622~1625年頃

 ほかにも、画面にダイナミックな明暗を展開するレンブラントの『羽根飾りのついた帽子をかぶる男のトローニー』や、ルーベンス大聖堂を飾る祭壇画の習作として描かれたルーベンスの『聖母被昇天(下絵)』、色彩あふれる繊細な静物画を得意としたヤン・ブリューゲル(父)の『万暦染付の花瓶に生けた花』など、息を呑むような美しい絵画がいっぱい。
 たまには美術館デートでハイクラスなアートに触れて、感性を磨いてみませんか?

名称:マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝
会期:2012年6月30日(土)~9月17日(月祝)
会場:東京都美術館 企画展示室(東京都台東区上野公園8-36)
開室時間:9:30~17:30(金曜は20:00まで)、入室は閉室30分前まで
     ただし7月21日~8月31日は18:30まで延長(金曜は20:00まで)
休室日:月曜日(ただし7月16日、8月13日、9月17日は開室。7月17日は閉室)
観覧料:一般1,600円 学生1,300円 高校生800円 65歳以上900円
問合せ:03-5777-8600(ハローダイヤル、8:00~20:00)

Text/Fukusuke Fukuda