世界が驚いた日本の感性!『Future Beauty 日本ファッションの未来性』

 日本が世界に誇れるものといえば、和食、マンガ、町工場の技術力…などいろいろありますが、“ファッション”も忘れてはいけません。
高度経済成長とともに、高田賢三や三宅一生、川久保玲や山本耀司など、たくさんのデザイナーが登場し、世界的に活躍するようになりました。
 西洋の美意識の枠にとどまらない彼らの作品はときに“前衛的”と評され、賛否両論を巻き起こしましたが、今ではその感性が一般的になり、世界各国のデザイナーに影響を与えている例もたくさん見受けられます。

Future Beauty 日本ファッションの未来性 津村耕佑 「ファイナル・ホーム」 2012年

 そんな日本のファッションの創造性をアートとしてとらえ、世界が目を向けるきっかけを作った80年代以降を総括した国内初の大規模展覧会が、7月28日(土)から東京都現代美術館で開催されます。
この『Future Beauty 日本ファッションの未来性』は、2010~2011年にかけてロンドンとミュンヘンで開催され高い評価を得た展覧会に、新たな作品を加え、バージョンアップしたものです。

Future Beauty 日本ファッションの未来性 川久保玲(コム・デ・ギャルソン) 1983年秋冬   京都服飾文化研究財団所蔵、 株式会社コム デ ギャルソン寄贈、林雅之撮影
Future Beauty 日本ファッションの未来性 ミキオサカベ/坂部三樹郎、シュエ・ジェンファン 2011年秋冬 株式会社ミキオサカベ

 主調色に黒を使う、平面的でフォルムがない、素材の重視といった特徴で、世界に衝撃を与えた三宅一生らの伝説的な作品にはじまり、本展ではブランド設立10年未満の若手デザイナーにもフィーチャー。
サブカルチャーからの引用、生産プロセスへのこだわり、服にストーリーを織り込むなどして、服と人間との新たな物語・関係性を模索している日本ファッションの未来も見据える内容になっています。
 普段はファッションやブランドものに関心のない彼も、世界が注目する日本のオリジナリティを知れば、俄然、興味が湧いてくるはず。
アートやカルチャー、ビジネスなど、さまざまな視点から見ることのできる本展の内容に、話題を膨らませてみてくださいね。

名称:Future Beauty 日本ファッションの未来性
会期:2012年7月28日(土)~ 10月8日(月・祝)
会場:東京都現代美術館 企画展示室3階(東京都江東区三好4-1-1)
開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜日(ただし9/17、10/1、8は開館、9/18(火)は休館)
観覧料:一般1,000円 大学生・65歳以上800円 中高生500円 小学生以下無料
問合せ:03-5245-4111(代表)
URL:https://www.mot-art-museum.jp/exhibition/136/

Text/Fukusuke Fukuda