豪華キャストがつなぐ朗読の輪と復興の願い『宮沢賢治が伝えること』

 昨年の3月11日に発生した東日本大震災から1年が過ぎました。
誰もが家族やパートナーとの絆を再確認するとともに、この震災を機に交際や結婚を決めたカップルも多いのではないでしょうか。
しかし、被災地ではいまだに復興のメドが立たず、厳しい生活を強いられている人たちが大勢いらっしゃいます。
彼らのことを決して忘れることなく、これからも継続的な支援を続けていくことが私たちの課題でもあります。
 それは、東京を拠点に演劇活動を続ける舞台人たちも同じ思いでいることでしょう。
金銭や労働力といった直接的な援助はできないけれど、舞台人は舞台人にしかできない方法で、作品を通して被災地への思いを届けるしかない。
そんな祈りにも似た願いを込めて、38名の舞台人が出演するプロジェクトが、朗読『宮沢賢治が伝えること』です。
 これは、宮沢賢治の詩や童話から構成したひとつの台本を、下記に名を連ねる豪華出演者たちが3名ずつ日替わりで朗読していくというもの。
宮沢賢治といえば、現在の岩手県花巻市で生まれ育ち、郷土・岩手の地を深く愛していたことで知られる作家。
そんな彼の描き出す世界を表現することで、東北の方々に対する“鎮魂と復興への願い”を伝えようという試みです。

 公演の収益の一部は赤十字社を通して被災地に寄付されるなど、“復興支援”としての意味合いが強いのはもちろんですが、この公演の意義はそればかりではありません。
普段は多彩な演技を見せる演出家や俳優たちが、シンプルに“言葉の力”と“人間の声”のエネルギーで私たちを魅了してくれるのが本作の最大の見どころ。
キャストの組み合わせは毎回変わるので、どの回を観ても、また何回観ても違う印象の舞台となることでしょう。
 ぜひ大切な人と一緒に観て、言葉の力、人間の絆、そして被災地への復興に思いを馳せてみては?

名称:朗読『宮沢賢治が伝えること』
公演期間:2012年5月9日(水)~6月3日(日)
※5月16日(水)、25日(金)、29日(火)は休演
時間:昼公演14:00 夜公演19:00(開場は開演の30分前)
   ※5月10日(木)、13日(日)、20日(日)、27日(日)は昼公演のみ
演出:栗山民也
出演:蒼井優、麻実れい、伊藤蘭、内山理名、大竹しのぶ、貫地谷しほり、木村佳乃、黒木メイサ、小池栄子、小泉今日子、小林聡美、白石加代子、鈴木杏、鈴木京香、戸田恵子、広末涼子、宮沢りえ、本谷有希子
井上芳雄、浦井健治、江口洋介、風間杜夫、篠井英介、笑福亭鶴瓶、鈴木浩介、高橋克実、段田安則、堤真一、中川晃教、長塚圭史、野村萬斎、平幹二朗、星野源、松尾スズキ、松坂桃李、三谷幸喜、八嶋智人、山本耕史(男女別・50音順)
   ※1公演につき3名ずつ、複数回(キャストによっては1回)出演します。組み合わせ、出演日時、出演回数は公演サイトをご参照ください。
会場:世田谷パブリックシアター(東京都世田谷区太子堂4-1-1)
料金:S席4,800円 A席3,800円
   一般前売りはチケットぴあ、ローソンチケット、イープラス、世田谷パブリックシアターチケットセンターで4月7日(土)から発売
問合せ:03-5423-5906(シス・カンパニー)
URL:https://www.siscompany.com/kotoba/

Text/Fukusuke Fukuda