恋愛に集中できる場所なんてない。「テラスハウス」を見て思ったこと

テラスハウスに落ちた年末

テラスハウスみたいなシェアルームを行う男女の画像 Daria Shevtsova

突然だが、『テラスハウス』にハマった。
年末年始の暇つぶしのつもりだったのに、軽井沢編をイッキ見し、更新を心待ちにするようになった。その間にハワイ編も見た。本当に寝る間を惜しんで見た。

元から『バチェラー・ジャパン』とか昔の『あいのり』とか、リアリティショー的な番組が好きだった。だから、逆にどうしていままでテラスハウスを避けていたのか自分でもわからないけれど、一気見できて良かったのかもしれない。

素人の恋愛観察番組は、好きな人は好きな反面、興味のない人は一切興味のないジャンルでもある。ただわたしは、テラスハウスを見終えたとき、「もう人間はどこかに閉じ込められない限り、本当の恋愛なんてできないのかも」と思った。

恋愛対象として見られる場

テラスハウスもバチェラージャパンも環境は特殊だ。何をするにもカメラに追われることもそうだけど、なによりあそこは相手を恋愛対象として見るのが完全に許されている場だ。

学校や職場に気になる人がいたとしても、検討事項はけっこう多い。まずはパートナーの有無。パートナーがいない場合でも、そもそも相手はパートナーがほしい人か。ほしい人だったとしても職場恋愛はアリなタイプか。そこまで考えて、やっと「では、自分は彼(または彼女)の恋愛対象になるうるのか」にたどり着く。
アプローチも慎重になる。職場の人間からの不躾な好意は、受け取る側の負担が大きい。色々考えているうちにチャンスを逃したり、「面倒だからもういいや」となるのも想像に難くない。

テラスハウスは恋人持ちの参加もOKだけど、ほとんどのメンバーは恋人なし・恋愛にも前向きな姿勢で入居する。考えてみたら、これってすごいことじゃないか?

もちろん合コン、マッチングアプリ、友人からの紹介なんかで、恋愛をする気がある異性・同性が出会う場面もたくさんある。でもそれは、ほとんどが2時間程度の第一印象勝負だ。その2時間でお互い好印象を持てなければ、持ってもどちらかが勇気を持って誘わなければ、2度と会わずにおしまいである。

一方テラスハウスは共同生活。初日に気になる人がいなくても、一緒に暮らさなくてはならない。
そう、「あれ? 第一印象はイマイチだったけど……もしかして、この人は素敵な人なのかも」が起こり得る場所なのである。しかも、学校や職場と違って、ある意味恋愛感情を期待されている舞台だ。